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社員参加型 周年動画の成功事例|社員主体でつくるブランディング動画
社員が主役になると、企業の物語は本物になる。
社員の声で企業の価値を伝える、社員参加型 周年動画の考え方と成功事例をご紹介します。
社員参加型 周年動画とは?|社員が「出演・企画・制作」する周年動画
社員参加型 周年動画とは、社員が単に映像に出演するだけでなく、企画立案やメッセージ設計といった制作の上流工程から関わる周年動画を指しています。
インタビューで語られる言葉やアイデアには、現場で働く社員ならではの視点が反映されるため、企業の実像や価値観をよりリアルに伝えることができます。
用意された原稿を読み上げるのではなく、「自分たちの言葉で語り、自分たちの手でつくる周年動画」であることが、共感を生むブランディング動画へとつながります。

役職・部署・年次を超えた参加設計
社員参加型 周年動画を成功させるには、経営層や一部の代表者だけに限定せず、部署・役職・勤続年数を越えた参加設計が欠かせません。若手社員のフレッシュな視点と、ベテラン社員の経験に裏打ちされた言葉が交わることで、企業の歴史や文化に奥行きが生まれます。
誰もが主役になれる構成は、社内の一体感を高めるだけでなく、外部に対しても「人を大切にする企業」という魅力的な印象を与えます。
リアルな声・表情・価値観が映像に反映される
社員参加型周年動画の最大の強みは、台本や演出だけでは表現できない“リアルさ”にあります。社員自身の言葉、自然な表情、仕事への想いや価値観が映像に映し出されることで、視聴者は企業を「組織」ではなく「人の集まり」として理解できます。
飾らないメッセージは信頼感を生み、周年動画を単なる記念映像ではなく、長期的に活用できるブランドコンテンツへと昇華させます。
一般的な周年動画と、社員参加型 周年動画の違い

周年動画と一口に言っても、その作り方や主役の置き方により、伝わるメッセージや得られる効果は大きく異なります。特に近年では、経営層が語る従来型の周年動画に加え、社員一人ひとりが関わる「社員参加型 周年動画」が注目されています。
両者は同じ周年記念映像でありながら、企業の見せ方やブランディングへの影響はまったく異なります。ここでは、一般的な周年動画と社員参加型周年動画の違いを、主役とメッセージの観点から整理していきます。
主役|従来型周年動画:経営層
一般的な周年動画では、経営層が主役となり、創業の想いやこれまでの歩み、将来のビジョンをトップ自らが語る構成が多く見られます。企業の方向性や理念を明確に打ち出せる点は大きなメリットですが、一方で語り手の視点が限定されやすいという側面もあります。
その結果、社員一人ひとりの存在や、日々の仕事の中で育まれてきた企業文化まで十分に伝えきれないケースも少なくありません。
主役|社員参加型周年動画:全社員
社員参加型 周年動画では、特定の人物ではなく「全社員」が主役になります。部署や役職、年次の異なる社員それぞれの言葉や姿を通じて企業を描くことで、組織としてのリアルな魅力が浮かび上がります。一人のメッセージでは表現しきれない価値観や強みが、複数の視点によって立体的に表現される点が大きな特徴です。
この“重なり合う声”こそが、視聴者の共感を生むブランディング動画へとつながります。
メッセージ・効果の違い
従来型の周年動画は、公式メッセージを中心とした一方通行のPRになりやすく、主に対外向けの情報発信として機能してきました。
一方、社員参加型周年動画は、社員のリアルな声を通じて企業の内側と外側の両方に価値を届ける「内外ブランディング型」の映像です。社内ではエンゲージメントや帰属意識を高め、社外では採用やブランド認知に貢献するなど、周年後も継続的に活用できる資産となります。
社員参加型 周年動画がブランディング動画として成功する3つの理由

社員参加型 周年動画は、単なる記念映像にとどまらず、企業の魅力や価値観を深く伝えるブランディング動画として高い効果を発揮します。
なぜ社員が関わることで映像の力はここまで変わるのでしょうか。その答えは、ストーリーのリアルさ、社内外に与える影響、そして周年後も活き続ける資産価値にあります。
ここでは、社員参加型 周年動画がブランディング動画として成功する理由を、3つの視点から詳しく解説します。
【理由1】ストーリーに「本物感」が生まれる
社員参加型 周年動画がブランディング動画として機能する最大の理由は、ストーリーに“本物感”が宿る点にあります。あらかじめ用意された台本ではなく、社員自身の経験や想いから生まれる言葉には、その企業でしか語れないリアリティがあります。
日々の仕事の中で培われた価値観や文化が自然とにじみ出ることで、視聴者は作られた映像ではなく「本当の企業の姿」に触れていると感じ、深い共感を抱くようになります。
【理由2】社内の一体感と誇りを生む
社員参加型 周年動画は、完成した映像そのものだけでなく、制作プロセス自体にも大きな価値があります。自分たちが関わってつくった周年動画は、単なる会社の記念映像ではなく「自分ごと」として受け止められます。また、部署や立場を超えて同じ目的に向かう体験は、社内の一体感や企業への誇りを育みます。
故に、周年イベントが終わった後も、動画は組織の記憶として残り続ける資産となります。
【理由3】採用・広報でも高い効果
社員参加型 周年動画は、採用や広報といった対外コミュニケーションにおいても高い効果を発揮します。求職者や視聴者は、企業理念よりも「そこで働く人の姿」に強く共感します。そのため、社員のリアルな声や表情が映し出された映像は、企業の雰囲気や価値観を直感的に伝え、理解を深めます。
SNSやYouTubeでも拡散されやすく、周年後も継続的にブランド価値を高めるコンテンツとなります。
社員参加型 周年動画の成功事例|組織の一体感を生むブランディング動画

社員参加型 周年動画は、企業の節目を祝うだけでなく、社員一人ひとりの想いやつながりを可視化し、組織の価値を高めるブランディング施策として注目されています。
実際にどのような企画・演出によって、周年動画が組織の一体感やエンゲージメント向上につながっているのでしょうか。
ここでは、社員参加型ならではの工夫と成果が表れた周年動画の成功事例を紹介します。企業ごとの背景や目的に合わせた取り組みから、そのヒントを探ってみてください。
事例①|全社員のメッセージをつなぐ周年動画|月島食品工業株式会社
自社の歩みと未来を“人の声”で描くことを目的に、前半では各部署・拠点を巡りながら歴史を振り返り、後半では部署ごとにこれからの想いを語る二部構成で周年動画を制作しました。
社員一人ひとりのメッセージをリレー形式でつなぐことで、感謝の気持ちを伝えると同時に、組織としてのつながりや一体感を可視化。周年を「会社の出来事」ではなく「自分たちの節目」として共有できる映像に仕上げました。
《企画と成果》
◉施策:チームごとにメッセージを発信して次のチームにつなぐ
◉成果:企業・組織としての一体感の醸成、周年事業の自分ごと化
事例②|全国横断プロジェクト型周年動画|パナソニックLS労働組合 東日本総合支部
支部解散を前にした最後の記念事業として、「#ネッコデツナガル」という活動方針を軸に、東日本各地の職場で働くスタッフの映像をつないだ周年動画を制作しました。
拠点ごとのメッセージを重ねることで、物理的な距離を超えた“つながり”を表現。「感謝と繋がり」をテーマに、前向きで温かい気持ちを共有できる映像となり、組織としての一体感を強く印象づける記念動画となりました。
《企画と成果》
◉施策:「感謝と繋がり」をテーマに拠点ごとのメッセージを発信
◉成果:「#ネッコデツナガル」のフレーズで、組織の一体感を醸成
事例③|みんなでつくる50周年|鎌ケ谷巧業株式会社
創立50周年を機に、インナーブランディング施策として企画されたコミュニケーションムービーです。千葉本社と新潟支社の全社員が出演し、「みんなでつくる」というコンセプトのもと、一つのメッセージを全員で完成させていきました。
制作工程そのものを共有することで、普段接点の少ない社員同士の交流が生まれ、組織の絆を強化。完成した動画は周年イベントや採用活動にも活用されています。
《企画と成果》
◉施策:「みんなでつくる」をテーマに周年コンセプトをパネル文字で表現
◉成果:普段関わりのなかった社員同士のコミュニケーション機会を創出
◉二次利用:周年イベント、会社説明会、募集媒体などに掲載し企業らしさを配信
成功する社員参加型 周年動画制作 3つのポイント

社員参加型 周年動画は、社員の想いや企業文化をリアルに伝えられる一方、進め方を誤るとまとまりのない映像になってしまうことがあります。多くの社員が関わるからこそ、制作段階で押さえるべきポイントを理解しておくことが重要です。
ここでは、社員参加型 周年動画をブランディング動画として成功させるために欠かせない、3つの制作ポイントを紹介します。これらを意識することで、参加しやすく、伝わる周年動画づくりが可能になります。
Point1.参加ハードルを下げる設計
社員参加型 周年動画を成功させるためには、まず社員が無理なく参加できる環境づくりが重要です。短時間で完結する撮影設計や、答えやすいシンプルな質問を用意することで、社員の自然な言葉や表情を引き出すことができます。
長時間の拘束や複雑な準備を避け、参加しやすさを重視した設計にすることで、多くの社員が関わりやすくなり、結果として完成度の高い周年動画へとつながります。
Point2.企業メッセージの「軸」を先に決める
社員参加型 周年動画では、多くの言葉や想いが集まるからこそ、企業として伝えたいメッセージの「軸」を事前に明確化することが重要です。
周年動画で何を伝えたいのか、どのようなブランドイメージを残したいのかを整理した上で、社員の言葉をどう編集・構成するかを設計します。軸がぶれないことで、個々の発言がひとつのストーリーとしてつながり、伝わる映像に仕上がります。
Point3.プロの編集・演出でクオリティを担保
社員が参加する周年動画では、リアルさと同時に映像としてのクオリティ担保が不可欠です。社員参加=素人感のある映像にならないよう、構成・編集・音楽・演出はプロの視点で仕上げる必要があります。社員の自然な言葉や表情を活かしながら、ブランディング動画としての完成度を高めることで、社内外に誇れる周年動画となり、長く使えるブランド資産になります。
社員参加型 周年動画はこんな企業におすすめ

社員参加型 周年動画は、企業の節目を祝うための映像であると同時に、組織の課題やこれからの方向性に向き合うための有効な手段でもあります。
社員数の増加や働き方の変化、世代交代など、組織を取り巻く環境が変わる中で、「想いが伝わりにくくなっている」と感じている企業も多く、近年では周年動画を活用して課題解決に取り組むケースが増加しています。
ここでは、社員参加型 周年動画が特に効果を発揮する企業の特徴を紹介します。自社に当てはまる項目がないか、ぜひ照らし合わせてみてください。
1.社員数が増え、価値観を再共有したい企業
組織が成長し社員数が増えるほど、創業時から大切にしてきた価値観や想いは、日々の業務の中で見えにくくなっていきます。そんな折、社員参加型 周年動画は、社員一人ひとりの言葉を通じて企業の価値観を改めて可視化し、組織全体で再共有するきっかけをつくります。拠点や部署を越えて想いをつなぐことで、同じ方向を向いて働くための共通認識を育むことができます。
2.拠点・部署間のつながりを強化したい企業
拠点の増加やリモートワークの普及により、社員同士の接点が減っていると感じている企業も少なくありません。社員参加型 周年動画は、離れた場所で働く社員の姿や声をひとつの映像につなぐことで、組織全体のつながりを可視化します。互いの存在や役割を知ることで、同じ組織で働いている実感を取り戻し、横のつながりを強化することができます。
3.組織再編・世代交代の節目を迎えている企業
組織再編や世代交代は、企業にとって大きな転換点となる出来事ですが、社員参加型 周年動画は、これまでの歩みを振り返りながら、次の世代へと想いを引き継ぐ役割を果たします。過去と未来をつなぐストーリーを社員全員で共有することで、変化に対する不安を前向きな期待へと変え、組織としての新たな一歩を後押しします。
4.周年をきっかけに社内コミュニケーションを活性化したい企業
日常業務では関わる機会の少ない社員同士がつながるきっかけをつくりたい企業にも、社員参加型 周年動画は有効です。撮影や企画を通じて生まれる会話や協力関係が、自然な形で社内コミュニケーションを活性化します。周年を単なる記念行事で終わらせず、組織を前進させるきっかけとして活用したい企業におすすめです。
5.企業カルチャーを映像で残したい企業
企業カルチャーは、言葉や資料だけでは伝えきれず、時間とともに薄れてしまうこともあります。社員参加型 周年動画は、働く人の姿や言葉を通じて、その企業らしさを映像として記録します。日常の延長線上にあるリアルな表現だからこそ、後から入社する社員にも自然に伝わり、世代を超えて共有できる企業文化のアーカイブとして機能します。
6.経営メッセージを「現場の言葉」で届けたい企業
経営層の想いやビジョンを発信しても、現場まで十分に浸透していないと感じる企業は少なくありません。社員参加型 周年動画は、社員自身の言葉を通じてメッセージを表現することで、経営の想いをより身近なものとして伝えます。トップダウンではなく、共感を軸にしたメッセージ浸透を目指す企業に適した手法です。
7.社内外に「らしさ」を明確に伝えたい企業
事業内容や実績だけでなく、「その企業らしさ」を伝えることが、これからのブランディングには欠かせません。社員参加型 周年動画は、社員の言葉や表情を通じて、企業の空気感や価値観を直感的に伝えます。自社の個性を明確に打ち出し、ブランドイメージを強化したい企業に適しています。
8.採用ブランディングを強化したい企業
求職者が企業を選ぶ際に重視するのは、条件や事業内容だけでなく、「どんな人が、どんな想いで働いているか」です。社員参加型 周年動画は、実際に働く社員のリアルな声や表情を通じて、企業の雰囲気や価値観を直感的に伝えることができます。共感を生む映像はミスマッチを防ぎ、企業らしさに共鳴する人材との出会いを後押しします。
9.周年を「社内イベント」で終わらせたくない企業
周年は企業にとって大きな節目ですが、イベント当日で完結してしまうケースも少なくありません。社員参加型 周年動画は、周年の想いや体験を映像として残し、社内外で繰り返し活用できる資産へと昇華します。周年の熱量や社員の声を形にすることで、節目を越えた先も企業の歩みやメッセージを伝え続けることが可能になります。
社員参加型 周年動画 制作の流れ

社員参加型 周年動画に興味はあるものの、「どのように進めればよいのか分からない」「社員を巻き込みながら制作できるのか不安」と感じている方も多いのではないでしょうか。
実際には、目的を整理し、段階的に進めていくことで、無理なく社員参加型の周年動画を制作することができます。
ここでは、企画から完成・活用までの基本的な制作の流れを紹介します。全体像を把握することで、制作のイメージを具体化してみてください。
1.ヒアリング・目的整理
社員参加型 周年動画の制作は、まず丁寧なヒアリングから始まります。周年動画を通して何を伝えたいのか、社内外のどこで活用したいのかといった目的を明確にすることで、企画全体の方向性を定めていきます。
周年という節目を単なる記念で終わらせるのか、ブランディングや組織づくりにつなげるのか。この初期段階での目的整理が、完成度の高い周年動画をつくるための土台となります。
2.コンセプト設計・構成案作成
目的が定まったら、それを映像としてどう表現するかを考えるコンセプト設計へと進みます。社員参加型 周年動画では、社員の言葉や表情をどのように活かすかが重要なポイントとなるため、全体のストーリーや構成案をあらかじめ設計し、一貫したメッセージが伝わるよう構成を整えることが重要です。
ここで定めた「軸のあるコンセプト」が、社員の発言をひとつの物語としてまとめ上げます。
3.社員参加設計(人数・方法)
次に、どの社員に、どのような形で参加してもらうかを具体的に設計します。その際、参加人数や部署のバランス、撮影方法を工夫することで、無理のない参加環境を整えます。また、短時間で参加できる仕組みや、答えやすい質問設計を行い、参加者の自然な言葉や表情を引き出せるよう考慮していきます。参加しやすさを重視した設計が、多くの社員の想いを集める第一歩となります。
4.撮影・編集
撮影では、社員がリラックスして話せる雰囲気づくりを大切にします。無理に演出しすぎず、自然な表情や言葉を引き出すことで、社員参加型ならではのリアルさが生まれます。
編集工程では、集まった言葉や映像をプロの視点で丁寧に構成し、ブランディング動画としての完成度を高めます。リアルさとクオリティを両立させる重要な工程です。
5.社内外での活用(Web・SNS・イベント)
完成した社員参加型 周年動画は、周年イベント当日の上映だけで終わらせず、さまざまな場面で活用していきます。WebサイトやSNSでの公開、採用活動や社内研修での利用など、活用の幅は多岐に渡ります。
社員の想いや周年のメッセージを継続的に発信することで、動画は一過性の記念映像ではなく、長く使えるブランド資産として機能します。
まとめ:社員の声が、企業ブランドをつくる
社員参加型 周年動画は、企業の節目を祝うだけでなく、社員一人ひとりの想いや価値観を可視化し、組織の一体感やブランド力を高める有効な手段です。社員が主体的に関わることで、リアルで共感を生む映像が生まれ、社内外に企業らしさを伝えることができます。周年を一過性のイベントで終わらせず、未来につながるブランド資産として活用するためにも、社員参加型という選択肢をぜひ検討してみてください。
ブランディングチーム
パドルデザインカンパニーには、プロジェクト全体を統括するプロデューサーやブランディングディレクターをはじめ、コピーライター、エディトリアルライター、アートディレクター、ブランドデザイナー、Webデザイナー、映像ディレクターなどが在籍し、プロジェクト毎に最適なチーム編成を行うことでブランドを最適解へと導いていきます。
記事制作/プロデューサー
ご相談や課題を受け、実施プランの策定やプロジェクトの大まかなスケジュールなどを策定します。また、プロジェクトのゴール設定やマーケティング環境分析、市場分析などを行い、市場で勝ち抜くブランド戦略提案などを行います。
Producer
CEO 豊田 善治
東京のブランディング会社 パドルデザインカンパニー

パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。

