ブランドづくりの第一歩、ビジネスプランの作成。

将来のビジョンや目標を明確化し、事業の完成度を高める事業計画書の作成を伝授します。

Introduction

事業計画書(ビジネスプラン)

事業計画書とは、今後計画する事業の基本的な概要を体系的にまとめた文書のこと。不確定な将来の行動を計画し言語化することで将来のビジョンや目標を明確化し、事業の完成度を高めていきます。頭の中で描いてきたビジネスモデルには、夢や希望、時には様々な不安があり、それら全てを事業関係者と共有することは容易ではありません。
だからこそ、事業計画書として文書化し、自身の道標として、また事業関係者への説明資料として活用する必要があります。事業の青写真となる事業計画書作成の目的は、大きく3つに集約されます。

●事業計画書の主な目的1:資金調達

投資家、金融機関、あるいは自社のボードメンバーなどに提示して、事業概要を共有し共感・納得を得ることで、新事業に必要な資金の調達を図ります。資金は、金融機関から調達する融資(借入)と、投資家から調達する出資・投資があり、いづれにしても魅力的で説得力のある事業計画書でなければ資金調達の実現には至りません。

●事業計画書の主な目的2:事業計画のチェック

実際に事業をスタートしていくと、計画にはない様々な障壁が待ち構えています。時には大きな苦痛や困難を伴うこともあるでしょう。予測していた売上と現実の売上の乖離や、市場へのからの反発などもあるかも知れません。そうした想定外の出来事に冷静かつ客観的な対応を行うためにも事業計画書は不可欠であると言えます。定期的に事業計画書を見返し、事業開始後も現実と事業計画書を見比べることで、事業が計画通りに進んでいるのかをチェックしていきます。

●事業計画書の主な目的3:営業資料の作成

事業運営では「売り手」または「買い手」との商談が日常的に繰り返し行われますが、事業の全体像やメリット・ベネフィットなどを伝え、自社事業の魅力や優位性を伝えていかなければなりません。その際不可欠になるのが「営業資料」です。事業計画書で事業の全体像を明確化しておくことで、この営業資料制作もスムーズになります。また、営業資料制作を行うことで、事業運営で想定される課題や自社の強みを具現化することができます。

事業計画書作成のポイント

はじめて事業計画書制作を行う場合、何を、どのようにまとめたら良いのか分からず、多大な苦労と時間を要することも少なくありません。ですが、事業計画書をまとめることで、事業コンセプトを体系的にまとめるスキルを身につけることができる他、事業運営において考えられるリスク発見にもつながり、事業開始前の事業計画練り直しも可能になります。事業計画書の作成は、資金調達を目的に行われるのが一般的ですが、そのプロセスにおける貴重な経験も以降のビジネスに大きく役立つことから、事業計画者自身が事業計画書作成時のポイントに留意しながら、一つひとつ丁寧に制作していくことが大切です。

●社名・住所などの基本情報

他社(他者)に企業・事業説明を行う資料として、忘れてはならないのが会社概要の記載です。社名や屋号、資本金、設立年月日、所在地、電話番号、WebサイトのURL、メールアドレスに加え、代表者名や株主構成、発行株数などできる限り詳細に記載します。

●経営者のキャリア

まだ実績や信用のない創業当初では、経営者のキャリアやスキル、人柄や考え方が、その会社の信用の全てと言っても過言ではなく、金融機関や事業関係者の協力を得られるか否かに直結する大変重要な要素であると言えます。これから開始する事業に関連する経験や人脈、そして実績などを記載し、信用を勝ち得るよう心がけます。

●ビジョンを明確化する

事業を通し、将来ありたい姿を言語化したものがビジョンです。会員数や売上などの数値目標ではなく、この事業を通して社会に何を提供し、社会にどのような影響を与えたいのか。その思いをできるだけ明確な言葉で表し、事業関係者や消費者に情熱を伝えていくことが大切です。

●市場ニーズ・課題の明確化

多くの場合、新製品や新サービスは市場ニーズ・課題から生み出されます。なぜ、この事業計画に至ったのか、その根拠を明確に示すことで、事業の社会的意義や将来性を示唆することができます。また、運営開始以降の事業の見直しや軌道修正を行う際にも、市場ニーズ・課題の明確化は重要な役割を果たします。

●市場分析

市場ニーズ・課題の明確化に合わせ、ターゲットとなるセグメント市場分析を記載します。市場分析では主に、市場の特性や動向などにフォーカスし、市場の構造や規模、及び市場にある競合他社との競争力を分析していきます。市場分析にはフレームワークである3C分析を用い、市場・顧客(市場の規模、成長性、そして市場ニーズ)、競合(競合のシェア率や規模、ポジション、強み・弱み)、自社(自社のポジション、強み・弱み、経営資源など)を洗い出し、自社の戦略策定の根拠へと導いていきます。
また自社分析では、さらにPEST分析を用い、政治的要因(法律や条例での規制などの変化)、経済的要因(経済成長率や景気、物価や為替動向などの変化)、社会的要因(生活者のライフスタイルや意識の変化)、技術的要因(設計・生産や研究開発、革新的技術の台頭など)の4つの要因から事業の可能性を見出し記載していきます。

●製品・サービス紹介

事業の核となる製品・サービスの魅力が正しく伝わるよう、スペック、価格、特徴など詳細な説明を行います。また、自社製品・サービスだけでなく、自社優位性が一目で伝わるよう、競合他社との比較表や図解を加えるとより自社製品・サービスへの理解を深めてもらうことができます。

●ビジネスシステムの設計

ビジネスシステム(ビジネスの仕組み)は、顧客をゴールとして、製品・サービスを顧客に届けるまでの事業プロセスを時系列に分類し、その過程における自社の強み・弱みを整理することで自社の特徴や課題を抽出する手法です。ビジネスシステムを設計することで、5W1H(いつ、誰が、どこで、何を、どのように、いくらで)が明確化され、具体的な事業の全体像が明確化されます。事業計画書の核となる要素であるため、細分化されたプロセスごとに漏れなく、整合性を保ちながら、マネタイズまで正しく記載していきます。

●マーケティング・ミックス(4P戦略)

マーケティングの基本的な戦略策定に用いられるマーケティング・ミックス(4P戦略)のフレームワークを用いて、総合的なマーケティング戦略を説明することも大切です。製品・サービス(Product)はどのようなモノになるのか。価格・料金(Price)はいくらでリリースするのか。流通(Place)はどのように行うのか。そして市場へのプロモーション(Promotion)はどのように計画しているのか。これら4つの戦略を掛け合わせ戦略を策定することで、将来性のある事業であることをアピールしていく必要があります。

●資金の調達方法・資金計画(財務計画)

事業計画の実施に必要な見積もりを算出すると共に、その調達方法を記載します。資金計画は予測ではなく、必要な各所に実際の見積もりを取るなどして、根拠のある数字を示さなければなりません。また、初期投資が過剰になっていないかのチェックも併せて行う必要があります。

●事業開始後の収支計画

ビジネスは、継続的にキャッシュを生み出し利益を上げて初めて成り立つことから、その予測と計画を綿密に大なうことが大切です。創業時は初期投資が多く、収益をあげるのは容易ではありませんが、時間と共に事業が軌道に乗ることを想定し、5年間の事業採算性を記載します。収支計画の見通しは、市場分析や競合他社の売上などを踏まえ、厳し目に算定することをお勧めします。

●サマリー(要約)を冒頭に加える

事業計画書の全体像が完成したら、冒頭ページにサマリー(要約)を作ることも忘れてはなりません。特にベンチャーキャピタルやエンジェルなどの投資家は、数多くの案件から有望な投資先を厳選していくことから、事業計画書に慣れている専門家です。最後まで結論の見えない事業計画書は、途中段階の推測で誤解される可能性があるばかりでなく、読んでもらえない可能性さえあります。冒頭で簡潔に要点を伝え、最後まで興味を持って読み進めてもらえるよう、事業計画書自体を綿密に設計していくことが大切です。

●人が動く仕組みになっているか

事業計画書全体を俯瞰して、事業に関わる人々が適材適所で本領を発揮できる仕組みができているのかの視点で最終チェックを行います。結局、ビジネスを動かすのは人材です。自身の立ち位置や役割を再確認すると共に、事業を円滑かつ最良な形で進められるよう、ストーリー性のある事業計画書に仕上げていくことが大切です。

●ボードメンバーでのチェックを実施する

事業計画書は、企業/事業の未来に大きな影響を及ぼす設計図であるため、事業計画書の設計段階からボードメンバー全員が参画し、多くの意見を取り入れながら作成していく事が望ましいと言えます。一方、多くのメンバーで事業計画書を作成する場合、会議や意見徴収に多くの時間を要し、スピード感を失ってしまうデメリットも生じます。これらを踏まえ、もし経営者自らが事業計画書を作成した場合には、経営者だけでなく、事業に関わるすべてのボードメンバーに最終形の事業計画書を共有し、それぞれの視点でチェックしていく事が大切です。事業計画書を共有し、ボードメンバーの理解・共感を得る事で、事業開始後に同じ目標に向けての円滑な意思決定を図る事ができます。また、トラブルが生じた際には、対処がスムーズになる効果も生じます。

●第三者チェックを実施する

さらに、税理士、会計士、コンサルタントなどの専門家による第三者チェック実施し、アドバイスを受けることで、事業計画書の精度を高めることができます。専門家への相談が困難な場合には、ビジネスに長けた知人・友人などのチェックを受けても良いでしょう。外部の目を通すことで、社内では気付けなかった事業運営におけるリスクの指摘を受けることができます。また、事業計画書がデザイン的に見やすく仕上げられているか、読み手を引きつけるストーリー性が備わっているか、そして興味を引きつけるか、などの視点でも意見を徴収することができます。もし事業計画に、法的規制や法的手続きが絡む場合には、弁護士など法律の専門家からのアドバイスを受けることも忘れてはなりません。

●事業計画は臨機応変に変更する

最後に、事業計画(ビジネスプラン)は、市場環境の変化に合わせ、常に変更を加えていく必要があることを念頭に置かなければなりません。特に新事業の場合には、市場だけでなく、競合や自社の経営状況も刻々と変化し、投資家や金融機関からも常に最新の情報を要求されます。当初の事業計画書はあくまでも基本プランであること。常に変化していく状況に柔軟に対応し、時代に即した事業計画を行うことが大切です。

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