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マーケット・セグメンテーション

market segmentation

マーケット・セグメンテーション

細分化された市場において、
細部まで私情を満たす。

市場の細分化から参入市場を特定する「マーケット・セグメンテーション」を学びます。
市場の細分化から
参入マーケットを特定する

企業・組織が新商品・サービスを市場に投入する際には、顧客の属性を趣味・趣向などで細分化し、自社の強みが最も活かせる顧客層をセグメント(購買行動において似通っている顧客層)することで分類し、どの市場に参入するかを決定して行かなければなりません。市場の細分化は「マーケット・セグメンテーション」と呼ばれ、企業は、マーケット・セグメンテーションからコアターゲットを明確に定めることで初めて、市場での強みを発揮することができるようになります。

マーケット・セグメンテーションを行い、コアターゲットを定めることで、初めて限りある経営資源を集中投下することができるようになることから、マーケティング・ミックス(4P戦略)の検討には、この「マーケット・セグメンテーション(ターゲット市場の細分化)」が不可欠だと言えます。参入マーケット確定後、ターゲット・セグメントに向けたポジショニングやコンセプトを策定していきますが、現代ではあらゆる市場において顧客は広範囲に散らばり、要求も様々であるため、企業は最も効果的かつ効率的に事業展開のできる魅力的な市場セグメントを見つけ出さなければなりません。

●セグメンテーションの重要性

すべての消費者を対象とした製品を開発し供給するのは容易ではなく、それが必ずしも良いとは限りません。市場が成熟期を迎える現代の日本において、人々のニーズは多様化しており、万人向けの製品はある意味「ニーズを満たしていない」とも考えられるからです。だからといって、個々のニーズに合わせた製品開発は顧客ニーズを満たすことはできますが、一部特定の分野を除き価格戦略が成り立ちません。そんな課題を解決すべく行われるのがセグメンテーションです。セグメンテーションでは、購買行動において似通っている顧客層の共通するニーズに着目し、市場を意味のある集団に分類します。その後、ターゲットとする集団に対して経営資源を集中投下することで、効率的かつ効果的なマーケティング戦略を可能にします。

一方、対象を特定せず、全ての消費者に対し画一された方法を用いて行うマーケティング戦略・マーケティング活動を「マスマーケティング」といい、大量生産・大量販売を前提とした最寄品や消費財のマーケティング戦略として用いられています。市場の成長期にマーケットリーダーが用いる方法としては有効な手段ですが、前記した通り、消費者の価値観が多様化するなど成熟した市場では、特定のニーズに応えきれない課題が残ります。

●セグメンテーション変数

セグメンテーションを行う際、一般的に①地理的変数(地理的分割)、②人口動態変数(人口動態分割)、③心理的傾向変数、④行動変数、の4つの変数を基準としてセグメンテーションを実施して行きます。市場のセグメンテーションはその他にも様々な変数が考えられますので、参入する市場(業界)を判断したうえでセグメンテーションを発見していくことが、今後の成否を大きく左右する最大の要因になると言っても過言ではありません。

《変数セグメントの一例》
①地理的変数(地理的分割)
→国、州、地域、郡、都市、地元エリア・気候 など

②人口動態変数(人口動態分割)
→年齢、家族構成、性別、所得、職業、教育水準、宗教、人種、世代、国籍、社会階層 など

③心理的傾向変数
→ライフスタイル(常識家、芸術家、指導家、職人 など)、パーソナリティ(社交的、保守的、衝動的、野心的 など)

④行動変数
→求めるベネフィット(経済性、機能性、デザイン性 など)、購買歴(ノンユーザー、ヘビーユーザー など)

●セグメンテーションのPOINT

経営資源にゆとりのない中小企業の場合、特にセグメンテーションが重要になってきます。市場が小さすぎると経営が成り立たず、大きすぎると大手企業との競争に巻き込まれる可能性が高いことから、自社にとって魅力的であり、他社が真似できない自社優位性の高いセグメントを選定し、その中からターゲットとする市場を選択することが、その後の成果を大きく左右する要因となります。

3つのターゲティング・アプローチ方法

セグメンテーションにより市場の分類を行った後、いよいよ自社の狙う顧客層を明確にするターゲティングを行います。市場へのアプローチ方法は大きく分けて「①非差別化型マーケティング」「②差別化型マーケティング」「③集中化型マーケティング」の3つがあります。

①非差別化型マーケティング

1製品と1マーケティング・ミックスにて市場全体をターゲットとする方法で、誰にでも必要で日常的に消費する製品のターゲティングに多く用いられます。非差別化型マーケティングでは、大量生産から生産コストを抑えることができ、かつマーケティングコストも抑えることができますが、一般的に平均化されたニーズしか満たせないことから、特定のニーズをもつ顧客を取りこぼす懸念があります。

②差別化型マーケティング

複数のセグメントに対し、それぞれのマーケティング・ミックスを用いる方法で、主に自動車業界で用いられています。自動車メーカーは、小型自動車、ファミリーカー、スポーツカー、高級車など、あらゆる趣向と価格帯でニーズに合わせたフルライン製造を行うことで、細かなセグメントに対応し、総売上高を最大化しています。しかしその反面、マーケティングコストは増加することになり、ハイリスク・ハイリターンな戦略であると言えます。

③集中化型マーケティング

特定のセグメントに集中したマーケティング戦略を行い、特定の市場でのシェア獲得を目指します。経営資源を集中投下することで特定市場の知識が深まり、専門性が高まることから、主に中小企業で用いられており、事業規模が拡大しにくい反面、ローリスク・ローリターンな戦略であると言えます。

自社にとって魅力的で最適な
セグメントを選ぶための6R

ターゲットの選定時には、満たさなければならない様々な条件があります。自社にとって魅力的で最適なセグメントを選ぶ際には、「①有効な市場規模(Realistic Scale)」「②成長性(Rate of Growth)」「③競合状況(Rival)」「④顧客の優先順位(Rank)」「⑤到達可能性(Reach)」「⑥反応の測定可能性(Response)」の6Rに留意し総合的に判断していく必要があります。

①有効な市場規模(Realistic Scale)

市場規模は大きければ大きいほど可能性も高く魅力的であると言えますが、その反面、競合他社が多いのも事実です。小さい市場の場合は、最低限、事業が成り立つセグメントをターゲッティングしなければなりません。

②成長性(Rate of Growth)

市場の成長期には、売上拡大やシェア獲得のチャンスが生まれます。現在の規模だけではなく、将来性を見極めたターゲティングを行わなければなりません。

③競合状況(Rival)

市場規模が大きければ大きいほど参入企業は多く、競争の激化から多大な開発費やマーケティング費の投下を必要とします。その結果、収益性が低下し、大きなリスクを伴う可能性も高いことから、競合状況の分析には力を入れなくてはなりません。

④顧客の優先順位(Rank)

オピニオンリーダー(集団の意思決定(流行、買物、選挙など)に関して、大きな影響を及ぼす人物)や口コミ発信者に対し、優先的にアプローチをすることで、商品の普及を早め、流行を作り出すこともできることから、セグメントごとに優先順位を設け、その重要度に応じた対策を講じることも忘れてはなりません。

⑤到達可能性(Reach)

インターネットが普及したことにより、ほぼ全ての地域へのリーチが可能となりましたが、ネットを介さない場合、地理的条件により最適なマーケティング活動が行えない場合があります。ターゲティングの際には、確実にそのセグメントに到達する方法があるのかを確認しなければなりません。

⑥反応の測定可能性(Response)

広告の反響(効果)や商品に対する顧客満足度など、実施されたマーケティング戦略に対し、効果的な結果がもたらされているかを測定し、検証から微調整を繰り返すことが必要不可欠であることから、セグメントを選定する際には反応測定が正しくできるか否かを見極めなくてはなりません。

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