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営業強化に向けた会社案内パンフレットの作り方
信頼を築き、違いを伝え、成約を後押しする。
営業成果につながる会社案内パンフレットの工夫と実践ポイントから、制作事例まで紹介します。
営業強化につながる会社案内パンフレットとは?
会社案内パンフレットは、単なる「会社紹介の資料」ではなく、営業活動を支え、最終的な成約へと導くための重要なツールです。商談の場では第一印象を大きく左右し、顧客との信頼関係を築く入口にもなり得ます。さらに、営業担当者の言葉だけでは伝えきれない企業の姿勢や価値観を補完し、より説得力のある商談を実現します。 しかし現実には、「とりあえず会社概要をまとめたもの」や「展示会で配布するだけのもの」にとどまり、十分に活用されていないパンフレットも少なくありません。見た目は整っていても、顧客の心に響かず、営業現場では「結局使いづらい」と感じられてしまうケースが多いのです。
では、本当に営業成果につながる会社案内パンフレットとはどのようなものなのでしょうか。それを理解するためには、パンフレットが営業活動において果たす「3つの重要な役割」を確実に押さえておく必要があります。
会社案内パンフレット 3つの重要な役割

効果的に設計された会社案内パンフレットは、営業活動のあらゆる場面で「信頼関係を築き」「他社との差別化につながり」「商談後も意思決定を後押しする」強力な役割を果たします。とくに初対面の商談や展示会などでは、営業担当者のトーク以上に会社の姿勢や価値観を伝える“営業の武器”となり得ます。
ここでは、営業成果につながる会社案内パンフレットが担う3つの重要な役割をご紹介します。
【役割1】信頼関係の構築
商談の第一印象は、その後の会話や交渉の方向性を大きく左右します。会社案内パンフレットは、企業の理念や実績、姿勢を端的に示すことで「この会社なら信頼できそうだ」という安心感を与えます。洗練されたデザインや整理された情報は、単なる説明資料を超えて、信頼関係構築の入口として機能します。
【役割2】他社との差別化
あらゆる業界において競争が激化する現代の市場において、会社案内パンフレットは自社の強みや独自性を際立たせる重要なツールです。単なる事業内容の羅列ではなく、「なぜ自社が選ばれるのか」をストーリーやビジュアルで表現することで、競合他社との差別化を明確に打ち出すことができます。また、読み手の記憶に残る要素を視覚的にも差別化されたデザインで盛り込むことで、商談後も自社の強みを強く印象づけることができます。
【役割3】商談後のフォロー
会社案内パンフレットは、商談が終わった後も顧客の手元に残る数少ない営業ツールのひとつです。意思決定の場で上司や関係部署へ共有されることも多く、直接会っていない担当者にまで自社の価値を伝える役割を果たします。わかりやすい構成やデザインが施されていれば、営業担当者がいない場面でも自社の魅力をしっかりと伝え、成約を後押しする強力なフォロー資料となります。
会社案内パンフレットでよくある7つの課題

会社案内パンフレットは、多くの企業で営業や採用の現場に欠かせないツールとして使われています。ところが実際には「商談であまり役立っていない」「他社との差別化につながっていない」といった声も少なくありません。その原因は、内容やデザインの不備にあるケースがほとんどです。一見すると整っているように見えても、営業成果に結びつかないパンフレットには共通する落とし穴があります。
では、なぜ多くのパンフレットが成果を生み出せないのでしょうか。ここからは、特によく見られる「会社案内パンフレット7つの課題」を整理してご紹介します。
【課題1】営業説明の流れと「合っていない」
パンフレットの構成が、営業担当者の説明順序や商談のストーリーと合っていないと、説明が中断されてしまったり、余計なページをめくらざるを得なくなったりします。結果として、スムーズなプレゼンができず、顧客の理解や共感を得にくくなります。
【課題2】文字が細かく「プレゼンしにくい」
情報を詰め込みすぎて文字サイズが小さくなり、営業担当者が商談中に活用しづらいケースも多く見られます。小さな文字や長文は相手にとっても読みにくく、プレゼンテーションの補助どころか負担になってしまいます。
【課題3】情報が網羅的で「伝わらない」
沿革・事業内容・拠点・数字などをただ並べただけでは、相手に「結局何が強みなのか」が伝わりません。必要以上に網羅的にまとめてしまうと、読み手は情報に埋もれてしまい、本当に伝えたい価値がぼやけてしまいます。
【課題4】掲載情報が古く「使いづらい」
役員情報や業績データ、所在地や事業内容などが更新されていないパンフレットは、営業現場で「信頼性の欠如」と受け取られるリスクがあります。情報が古いと「管理が行き届いていない会社」という印象を与えかねません。
【課題5】技術データや採用情報などが「混在している」
営業向け資料に技術仕様やリクルート情報が混在していると、かえって焦点がぼやけ、誰に何を伝えるパンフレットなのか分からなくなります。ターゲットを絞りきれていないため、商談用ツールとしては弱い資料になってしまいます。
【課題6】ターゲットに「最適化されていない」
顧客・採用候補者・投資家など、それぞれのターゲットによって必要とする情報は異なります。ターゲットごとの視点に合わせて最適化されていない会社案内パンフレットは「誰にでも届くが、誰にも響かない」中途半端な資料となってしまいます。
【課題7】内容もデザインも「差別化できていない」
競合他社と似たような言葉や構成、テンプレート的なデザインでは、相手の印象に残りません。差別化できないパンフレットは「どの会社の資料だったか思い出せない」存在になってしまい、営業の成果にはつながりにくいのです。
営業プロセスで効果を発揮する、会社案内パンフレット制作時の留意点

会社案内パンフレットが商談で十分に機能しない背景には、多くの場合、前述した7つの課題が潜んでいると言えます。だからこそ、会社案内パンフレット制作時にそれらの課題をしっかりと解消し、営業の流れに合わせて設計することで、会社案内パンフレットは「商談前の期待感づくり」「商談中のトーク補完」「商談後の意思決定支援」と、営業プロセス全体で強力な効果を発揮するツールへと昇華します。
ここでは、営業強化につながる会社案内パンフレットの活用法を、商談前・商談中・商談後の3ステップに分けてご紹介します。
商談前|会社案内パンフレットの事前送付で期待感向上
商談前に会社案内パンフレットを送付しておくことで、相手に「どんな会社なのか」「どんな実績があるのか」という予備知識を持ってもらえます。ここで重要なのは、課題3(情報が網羅的で伝わらない) や 課題6(ターゲットに最適化されていない)を解消することです。
顧客にとって必要な情報を厳選し、分かりやすく整理しておけば、事前に期待感を醸成でき、商談への入り口をスムーズにします。
商談中|会社案内パンフレットで営業トークを補完
実際の商談では、会社案内パンフレットが営業トークを補完し、ストーリーを支える役割を果たします。ただし、課題1(営業説明の流れと合っていない)や課題2(文字が細かくプレゼンしにくい)があると、逆に進行の妨げとなってしまいます。
営業の流れに沿った構成と、図表やビジュアルを多用した見やすいデザインに改善することで、会社案内パンフレットが「話を進めるガイド」として機能し、顧客の理解や共感を得やすくなります。
商談後|会社案内パンフレットで信用を担保し、意思決定を後押し
商談後も、会社案内パンフレットは顧客の手元に残り、検討資料として意思決定を後押しします。ここでは、課題4(掲載情報が古い)や課題5(技術データや採用情報の混在)、課題7(差別化できていない)が大きな障害となります。
常に最新情報を反映し、営業目的に絞った内容に整理し、競合と差別化できるデザインにすることで、「信頼性があり、判断材料として有効な資料」として役立ちます。
営業シーンで効果を発揮する、会社案内パンフレット制作事例7選

営業活動において会社案内パンフレットは、商談の場で信頼を獲得し、自社の強みを的確に伝えるための重要な役割を担います。ただし、その効果を最大限に引き出すためには「誰に」「何を」「どのように」伝えるのかを整理し、営業シーンで実際に使いやすい構成やデザインに落とし込む企画が不可欠です。
ここでは、「情報量を整理してプレゼンしやすくした構成」「ブランドらしさを強調して信頼感を高めたデザイン」「商談後のフォローに活用できるストーリー性」など、各事例から営業強化につながる具体的な事例7選をご紹介します。
警備業|会社案内パンフレット制作実績|株式会社アクティサポート
従来の会社案内パンフレットは掲載情報の更新が滞っていたため、MIやロゴマークの刷新に合わせてリニューアルを行いました。体裁は従来と同じA4サイズ巻き三つ折り(6ページ)を継承しながらも、営業現場で活用しやすい構成へ再設計。企業理念や事業内容を整理し、自社の強みを一目で理解できるようにすることで、商談の中で顧客にしっかりと訴求できるツールを目指しました。デザイン面では、新しいロゴのラウンドフォルムやコーポレートカラーを取り入れ、シンプルかつ上質な印象で信頼感を醸成。営業担当者のトークを補完し、商談をスムーズに進める「営業強化の武器」としての会社案内に仕上げています。

建物の再生、土地の再生、不動産価値の再生を使命に掲げ、地球環境と経済・社会の発展に貢献する株式会社伊勢豊。創業以来、千葉の街に根ざし、地域の人々とともに未来を築いてきた不動産会社です。今回制作した会社案内パンフレットでは、同社の独自のビジネスモデルや、人を大切にする企業風土を整理し、顧客にとっての価値が一目で伝わる構成を採用しました。リニューアル予定のコーポレートサイトと統一感を持たせることでブランド力を高め、シンプルかつ洗練されたデザインで信頼感を醸成。営業現場においては、商談時の説明をスムーズに補完し、差別化を明確に訴求できる「営業強化ツール」として機能する会社案内に仕上げています。

不動産FC業|会社案内パンフレット制作実績|株式会社LIXIL イーアールエージャパン
世界最大級の住関連企業であるLIXIL。そのグループの一員として、同社は総合不動産フランチャイズ事業を展開しています。大きな特徴は、不動産仲介にとどまらず、売買・賃貸はもちろん、リフォームや相続相談まで幅広いサービスを提供し、お客様の人生のステージに長く寄り添える点です。
今回制作した会社案内パンフレットでは、こうした 独自の強みを整理し、顧客への価値を明確に伝える構成としました。また、FC加盟店に対しても「LIXILブランドの安心感と競争力」をしっかり訴求できるよう配慮。デザインやカラーリングの細部に至るまでブランドアイデンティティを反映させ、商談の場で信頼を高め、加盟・取引を後押しする営業強化ツールとして機能するパンフレットを目指しました。

製造業|会社案内パンフレット制作実績|株式会社ジャパン・セキュリティシステム
「新代表の就任に合わせて会社案内を刷新したい」というご要望を受け、複数回のオリエンテーションや打ち合わせを経て企画制作に着手しました。設立20周年という節目にあたり、新たな経営方針や事業ビジョン、ものづくりへの哲学、そして「5つの価値提供」を正しく発信するだけでなく、これまでの歩みをステークホルダーに共有することでブランドへの信頼と共感を高める構成としています。
さらに営業ツールとしての機能性を意識し、4つの事業を1ページに集約することで、商談の場でわかりやすく自社の強みを伝えられるよう設計しました。デザイン面では、コーポレートカラーの赤を差し色として活かし、力強さと存在感を演出。結果として、ブランドエンゲージメントを高めると同時に、商談を後押しするインパクトのある会社案内パンフレットに仕上げています。

建設・設備業|会社案内パンフレット制作実績|ヤマハサウンドシステム株式会社
各施設に最適な音環境を追求するヤマハサウンドシステム株式会社。同社は2024年の本社移転を機に、会社案内パンフレットを刷新しました。ブランドレギュレーションに準拠したパープル基調のカラーリングで統一し、ヤマハらしい信頼感と専門性を強調。
構成面では、ソリューション紹介から施工プロセスの解説、さらに豊富な納入実績へと展開することで、顧客に安心感を与えつつ強みを効果的に訴求できる流れとしています。「もっと、いい音を。」というコンセプトのもと、確かな技術力をビジュアルと情報の両面からわかりやすく伝えるデザインを採用。
営業現場においては、商談時のトークを補完し、導入メリットを具体的に示せる信頼構築型の営業ツールとして機能する会社案内に仕上げています。

既存の会社案内に見られた課題を洗い出し、営業現場での「使いやすさ」と顧客への「伝わりやすさ」を重視して構成とデザインをブラッシュアップしました。情報を必要な要素に絞り込み、読み手が短時間で理解できるレイアウトを設計。さらに、商談の流れに合わせて説明を展開できるよう動線を整理し、営業担当者が自信を持って活用できるツールとしています。
デザイン面では、ロゴのキーカラーを取り入れるとともに、動画コンテンツとのトーンを統一。視覚的な一貫性を高めることで、新たなブランドイメージを強く印象づけ、信頼獲得と競合差別化につながる営業強化パンフレットを実現しました。

製造業|会社案内パンフレット制作実績|ケミコスクリエイションズ株式会社
日本で初めて漆黒リキッドのペン型アイライナーを開発したケミコスクリエイションズ様。オリエンテーションで印象的だったのは、市場でヒット商品として知られる多くのアイライナーが、実は同社によって企画・制作されているという事実でした。OEMメーカーとして表舞台に立つことは少ないものの、取引先メーカーから厚い信頼を得て、対等なパートナーとしてものづくりに取り組む姿勢こそが同社の大きな強みです。
今回制作した会社案内パンフレットでは、そのこだわりを「ケミコスのルール」として体系化。品質への徹底した姿勢を分かりやすく伝えることで、営業の現場においても自社の価値を明確に示せるツールとしました。他社とは一線を画すクオリティを堂々と打ち出し、信頼獲得と差別化を同時に実現する営業強化型パンフレットを目指しています。

まとめ:会社案内パンフレットを“営業の武器”に進化させるために
営業成果の最大化には、会社案内パンフレットを単なる情報資料として扱うのではなく、営業を支え、動かす「武器」へと進化させることが大切です。信頼を築き、他社との差別化を明確にし、商談後の意思決定を後押しする。この3つの役割を果たす会社案内パンフレットこそが、営業現場で本当に機能するツールです。 一方、多くの企業が抱える「情報が多すぎて伝わらない」「古くて使えない」「差別化できていない」といった課題を放置したままでは、せっかくの会社案内も十分な効果を発揮できません。だからこそ制作段階から「営業の流れに沿った構成」「必要な情報を整理した読みやすさ」「ブランドらしさを感じさせるデザイン」といった工夫が不可欠となります。
会社案内パンフレットを変えれば、営業成果は変わります。いま目の前にある会社案内パンフレットを見直し、営業活動を後押しするツールへとアップデートすることが、企業の次なる成長を切り拓く第一歩となります。
東京のブランディング会社 パドルデザインカンパニー

パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。
ブランディングチーム
パドルデザインカンパニーには、プロジェクト全体を統括するプロデューサーやブランディングディレクターをはじめ、コピーライター、エディトリアルライター、アートディレクター、ブランドデザイナー、Webデザイナー、映像ディレクターなどが在籍し、プロジェクト毎に最適なチーム編成を行うことでブランドを最適解へと導いていきます。
記事制作/プロデューサー
ご相談や課題を受け、実施プランの策定やプロジェクトの大まかなスケジュールなどを策定します。また、プロジェクトのゴール設定やマーケティング環境分析、市場分析などを行い、市場で勝ち抜くブランド戦略提案などを行います。
Producer
CEO 豊田 善治