ブランドデザインを統一することで、顧客との信頼関係を築く。

ブランディングに不可欠な世界観の統一「ビジュアル・アイデンティティ(VI)」とは。

Introduction

ブランドらしさの統一「ビジュアル・アイデンティティ(VI)」

ブランドデザインは、視覚(ビジュアル)的な要素と言語(バーバル)的な要素から成り立っており、様々なブランドエレメント(ブランド要素)が蓄積されることで、ブランドイメージを醸成しています。ブランドと市場のタッチポイントは膨大で、企業・製品などのWebサイト、店舗やショールームなどの空間、パンフレット・リーフレット・ダイレクトメール・屋外広告などのコミュニケーション、さらには従業員のユニフォームに至るまで、すべてがブランドイメージに影響を及ぼすことから、一元的にブランドデザインを管理する仕組みが不可欠となります。

これを前提に取り組まれるのが「ビジュアル・アイデンティティ(以降VIに省略)」の開発です。VI開発とは、ブランドデザインの独自性開発を指しており、ブランドプロポジション(ブランドが提供する独自の価値)をブランドの中核に据え、ブランドらしさを視覚的なデザインとして規定していきます。また、規定されたVIは、製品やサービス、空間と環境、従業員とその言動、そして各種コミュニケーションなど、すべてのタッチポイントで準拠され、ブランドの世界観を築き上げていきます

すべてのタッチポイントはカスタマージャーニーで把握する

前述した通り、ブランドと市場のタッチポイントは膨大です。それを漏れなく、隅々まで把握するのに適したツールが、ペルソナの動き(行動・思考・感情)を時系列で見える化したカスタマージャーニーです。カスタマージャーニーを用いることで、状況ごとでのブランドと消費者の関係や、重視すべきタッチポイントを明確に把握することができます。 また、前述する4つのタッチポイント(1.製品やサービス、2.空間と環境、3.従業員とその言動、4.各種コミュニケーション)とカスタマージャーニーを照らし合わせ、企業・事業活動を分析することで、それぞれのタッチポイントで懸念される課題の抽出が可能となります。

VIで定義するブランドエレメント

VIは、言語化された理念やブランドの強み、そして特長などをブランドデザインとして具現化すると共に規定し、シンボルマークとなるロゴからWebサイトやパンフレット、空間やユニフォーム、動画など、あらゆる制作物を一貫した世界観で展開していく取り組みです。

VI開発において特に注目する点は次の2点です。
1.言語化された理念やブランドの強み・特徴をブランドデザインとして具現化し規定する
2.あらゆる制作物を一貫した世界観で展開する

VIはコーポレート・アイデンティティ(CI)を形成する重要な要素となるため、経営者や担当者の嗜好やセンスではなく、自社らしさを検証し、ブランドらしさをデザインとして具現化することが大切です。また、すべてのコミュニケーションツールにおいてブランドデザインのトーン&マナーを統一し、一貫性のあるブランドデザインで世界観を演出することで、ブランド・アイデンティティを構築していくことが重要です。次に、VIで定義するブランドエレメント(ブランド要素)を紹介していきます。

ブランド名

ブランド名には、企業名、商品名、サービス名などがあり、消費者がブランドを選別する際の最も重要な要素となるため、ブランドの固有名称となるようネーミングを行わなければなりません。また、ネーミングの際は、ブランドとして最も重要視する要素をネーミングに取り入れるなど、自社の独自性が伝わるブランド名にすることが大切です。

《ブランド名の一例》
企業名/商品・サービス名
・アップル/アイフォン
・トヨタ自動車/レクサス
・パナソニック/ビエラ
・キリン/一番搾り
・日清/カップヌードル
・ソニー/プレイステーション
・サイバーエージェント/ABEMA
・LINE/LINEニュース
・ソフトバンク/ソフトバンク光

ブランドロゴ(シンボルマーク)

ロゴには、企業ロゴ、商品ロゴ、サービスロゴなどがあり、ブランド戦略に基づき制作を行っていきます。例えばマスターブランド戦略では、コーポレートブランドの下に複数の事業や商品カテゴリーを展開していくため、企業ロゴ、商品ロゴ、サービスロゴが統一されます。マルチブランド戦略では、コーポレートブランドの下に多数のブランドポートフォリオを展開するため、ブランド毎にロゴ制作が行われます。ロゴは、ただのマークではなく、ブランドのシンボルとなるため、企業ロゴでは企業理念をはじめとする企業の思想や志を、商品・サービスロゴでは強みや特徴などの自社優位性を表現することが大切です。

サウンドロゴ/音楽

サウンドロゴとは、企業がブランドを伝えるために制作した短い音源や楽曲です。主にテレビやラジオ、ネット動画などでのコミュニケーションにおいて使用され、音声や効果音などを消費者に繰り返し伝えることで、ブランンド想起を促します。数秒程度のわずかな時間で消費者を強く惹きつけ、ブランド連想させることから、ブランディングにおけるサウンドロゴの果たす効果は絶大であると言えます。

ブランドスローガン

ブランドスローガンは、ブランドのコンセプトや世界観を端的に表現したメッセージで、ブランドがどのようなか価値提供できるのかを伝える重要な役割を担っています。ブランドスローガンはタグラインとも呼ばれ、ブランド名やロゴに隣接して使用されます。ブランドスローガンは、コミュニケーション活動のキャッチコピーとして使用されることもあることから、ブランド浸透に不可欠な要素であると言えます。

《ブランドスローガン例》
・JUST DO IT.(ナイキ)
・I’m Lovin’ It(マクドナルド)
・Inspire the Next(日立)
・明日の空へ、日本の翼(日本航空)
・今日を愛する(ライオン)
・あなたと、コンビニ、(ファミリーマート)
・信頼される安心を、社会へ。(セコム)
・インテル入ってる(インテル)
・ひとの時を、想う。(日本たばこ産業)
・キューピー(愛は食卓にある)
・おいしさを笑顔に(キリンホールディングス)

キャラクター

キャラクターやマスコットはブランドのアイコンとなり興味を誘引するだけでなく、暗記力、回想力、認識力の向上をもたらします。ブランド名やロゴと比べ、カジュアルでより消費者に身近な位置づけとなることから、B2Cビジネスにおけるキャラクターの起用は効果的だと言えます。

《認知度の高いキャラクター例》
・くまモン(熊本県)
・チーバくん(千葉県)
・ポンタ(ロイヤリティマーケティング)
・キョロちゃん(森永製菓)
・ガリガリ君(赤城乳業)
・Qoo/クー(日本コカ・コーラ)
・キウイブラザーズ(ゼスプリ)
・お買いものパンダ(楽天グループ)
・スーモ(リクルート)
・ドンペン(ドン・キホーテ)
・ぴちょんくん(ダイキン工業)

ブランドカラー

色には、特定の色を見た際にブランドを連想させる効果があり、色彩次第でブランドの印象にも大きな影響を及ぼすことから、ブランドカラーの設定はとても重要な要素であると言えます。また、ブランドロゴは、例えばLINEは緑、Twitterは水色、Facebookは青など、その色彩から認識されている場合が多いことから、ブランド認知にも深い関連性があると言えます。ブランドカラーは、ブランドのトーン&マナーで定義していきます。

パッケージ

パッケージデザインには、ブランドロゴ、ブランド名、ブランドスローガン、ブランドカラーなど、基本的なブランド要素が集約されており、消費者が購買行動の最終段階で接するブランド体験となることから、とても重要な役割を担っています。 ブランディング視点で見るパッケージデザインは、ブランドらしさを備えたブランド体験に根差したデザインであるべきですが、小売商品の場合、店頭でのセールスプロモーション要素を兼ねたデザインが主流となっています。

ビジュアル・アイデンティティ(VI)がもたらす効果

人間の五感の情報収集能力は、視覚からの情報が8割を超えるとされており、多くのことを視覚から判断していることから、企業は自社独自性を具現化したデザインをあらゆるツールで統一し、情報発信をし続けることではじめてブランドとしての認知を得ることができます。

また、VIを定めデザイン統一を図ることで、消費者に伝えたい世界観を効果的に演出することができるため、ブランドの強みやらしさを正しく伝えることができます。VIは、消費者はもちろん、従業員やその他の事業関係者がそのブランドから受け取る印象を安定させるため、安心感や信頼感を与えることができます。

明確なVIを持つ企業は、自社が展開するブランドのデザインに一貫性を持たすことができ、消費者はその企業のブランドを直感的に判断することができるようになります。企業はVI統一されたデザインを持って、消費者にメッセージを送り続けることで、消費者との信頼関係を築き上げていくことができるのです。

こうして多くの効果をもたらすVIを継続していくことで、競合他社との差別化を生み出していきます。

《VIがもたらす効果》
・ブランドとしての認知を得ることができる
・ブランドの世界観を効果的に演出できる
・消費者/従業員/事業関係者などに安心感や信頼感を与える
・消費者がブランドを直感的に判断できるようになる
・消費者との信頼関係を築き上げることができる
・競合との差別化を図ることができる

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