企業の成長に合わせ、ビジョンの進化を図る。

創業期のビジョンから進化する、転換期のビジョンを伝授します。

Introduction

ビジョンの進化

設立された企業が不断の努力により成長するにつれ、創業時に策定したビジョンと現実にズレが生じてきます。このことからビジョンは、企業の成長や時代の変化に伴い進化を図らなければなりません。本ページでは、創業期のビジョン策定のポイントから、ビジョン進化の必要性、そして転換期のビジョン策定のポイントを紹介していきます。
また最後に、パドルデザインカンパニーが提供する、進化したビジョンの社内浸透施策をご紹介いたします。

創業期のビジョン

法人を設立し事業を開始するこの時期は、経営資源と呼べるものがほとんどない状態から始まります。経営資金もなければ、設備もありません。人材もいなければ、社会への信用ももちろんありません。あるのは創業者の志と情熱くらいです。 一方、経営を軌道に乗せるために、しなければならないことは山のようにあります。製造業であれば、製品企画・設計・資材調達、そして試作。製品が完成すれば営業・顧客対応・納品、そして請求から入金管理、アフターフォローに至るまで、少人数ですべての過程をこなし事業運営を図らなければなりません。そんな創業期のビジョンに必要な4つのポイントを紹介します。

●夢や理想を伝える

経営資源に乏しく、多くの業務を少人数でこなしていかなければならないこの時期は、気力・体力的にも大きな苦労を伴う時期だと言えます。創業者をはじめ、経営層や従業員が粉骨砕身し一丸となって事業運営を行うには、未来に描く「夢や理想」が必要だと言えます。それは、輝かしい未来であり、大きな夢である一方、実現可能性を秘めた分かりやすい表現で伝えていかなければなりません。

●社会的意義を伝える

民間企業が営利目的であるのは当然のことですが、多くの事業関係者や消費者と関わりながら成長していく社会の一員であることに変わりはありません。だからこそ、夢や理想の中にある、社会との関わり方や社会への貢献をどのような形で果たしていくのか、ビジョンを通し伝えていくことが大切です。多くの企業で、文末に「社会に貢献する」と記載されたビジョンを目にしますが、曖昧すぎて伝わりにくい表現を数多く目にします。社会的意義を伝える際は、短文でも要点がはっきりと伝わる表現を心がける必要があります。

●事業ドメインを伝える

ビジョンは、これから営むすべての事業を念頭に置き、策定していかなければなりません。事業ドメイン(自社が行う事業領域)を無視したビジョンでは、自社の方向性も定まらず、他社との差別化も図れません。また、経営層や従業員の気持ちを一つにすることもできません。逆に、事業ドメインのあるべき姿をビジョンで表現できれば、経営層の確固たる目標として、また従業員のモチベーション源泉として、企業の成長に大きな影響を及ぼすことになるでしょう。

●自社の魅力を伝える

多くのステークホルダーに支えられ事業を営む企業は、自社の魅力をステークホルダーにはっきりと伝えていくことが大切です。ビジョンは特に、求職者の心にリーチすることで、採用活用に多大な好影響を及ぼします。応募動機の喚起から内定承諾に直結するのです。また、経営資金の調達に不可欠な投資家や金融機関を魅了することで、資金調達を優位に運ぶことができます。自社の魅力が凝縮されたビジョンに、多くの可能性と高い魅力を感じるからこそ、人々の心を動かすことができるのです。

ビジョン進化の必要性

事業が軌道に乗ると、創業期から転換期へと推移していきます。新たな成長段階となるこの時期は、創業時を知らない優秀なメンバーが多く参画してきます。事業では、業務分担や効率化が図られ、専門部署や専任担当者がそれぞれの業務にあたります。また、経営資源にもゆとりが生じ、経営者の視点は、事業拡大や中長期計画の策定に向くことになります。取引先や顧客など、外部ステークホルダーも相当に拡大し、創業期のビジョン見直しを図る必要が生じてきます。そんな転換期のビジョンの進化に必要な3つのポイントを紹介します。

●ステークホルダーの変化に対応する

あらゆる経営資源が不足していた創業期を乗り越え、企業が「転換期」を迎えると、創業当時から計画してきた事業が安定し、今後さらに成長するための新たな戦略が必要となってきます。内部ステークホルダーとなる従業員には、創業期を知らないメンバーが増加し、創業期の「夢や理想」を暗黙の了解で分かり合うことが難しくなっていきます。また、取引先や顧客なども拡大し、新たな事業開発や商談が次々と行われるようになるため、投資家からの新たな投資や、金融機関からの追加融資も必要になってきます。創業期は比較的少数のステークホルダーに向けてきたビジョンですが、転換期ではより多くのステークホルダーに向けたビジョンへと進化させていくことが大切です。

●事業拡大に対応する

安定した収益を生み出すことに成功した事業をさらに深掘りしてみると、創業当初に計画した事業計画と少し異なっていることが多く見られます。これは、事業運営における課題を適時改善し、軌道修正を行ってきた証だと言えます。当初、掲げた目標も目前に迫り、さらに高みを目指す目標設定が必要な時期となっています。これらを踏まえ、実際の市場や顧客、競合他社、自社の製品・サービスの変化と照らし合わせ、拡大した事業を牽引する、新たなビジョンへと進化させていくことが大切です。

●市場環境の変化に対応する

創業期に比べ競合他社も増加し、市場でのシェア争いが以前よりも激しくなっています。また、材料費や運送費などの値上がりに加え、人件費の増加なども生じています。その他、政府による規制緩和もあれば、為替レートの大幅な変動もあるかも知れません。こうした市場環境をしっかりと捉え、当初計画の見直しを図るとともに、新たな計画に合わせたビジョンへと進化させていくことが大切です。

転換期のビジョン

前述するように、ステークホルダーの変化、事業拡大への対応、市場変化への対応を念頭に、転換期ではビジョンの進化が求められます。では、具体的にどのような点に注意してビジョンの進化を図るべきなのでしょうか。より具体的な4つのポイントを紹介します。

●より現実に即したビジョンに

手探りで事業を始める「創業期」に策定したビジョンと現実では、実際の事業運営を行っていく中でどうしてもズレが生じてきます。また、創業時には想定していなかった時代の変化や不測の事態が発生し、軌道修正を必要とする事も珍しくありません。ビジョンと実際の事業の乖離をいかにして埋めていくのか。このままでビジョンが達成できるのか。また、ビジョンの達成までどの程度の時間を要するのか、などを現実に照らし合わせて検証し、今後どのような方向へと導いていくべきかを再検討していきます。この段でビジョンの再検討を行うことで、新たなステージへと導く確かなビジョンへの進化を図ることができます。

●より具体的なビジョンに

夢や理想をもとに「創業期」に策定したビジョンと実際の事業運営では、大なり小なり現実とのギャップから軌道修正の必要性が生じてきます。転換期にはこのギャップを考慮し、今後どのような方向へと導いていくべきか、新たなビジョンを再検討していきます。転換期になると創業期を共にしてきた気心の知れた社員だけでなく、転換期前後から入社した社員や事業関係者などが飛躍的に増加するため、新たに参画するすべてのステークホルダーが理解できるより具体的なビジョンへと進化を図ることが大切です。

●より魅力的なビジョンに

転換期は創業期と比べ、社員や事業関係者、投資家や金融機関、顧客や見込み客など、より多くのステークホルダーとの関わり合いが必要となります。創業期にも人を惹きつける魅力的なビジョンが必要なのは同様ですが、転換期にはより現実的かつ具体的に、ステークホルダーに夢や希望を与え、期待を抱かせるビジョンへと進化を図ることが大切です。また、ありきたりで平凡なメッセージではなく、事業の独自性やユニークさが伝わるビジョンであることも、ステークホルダーを惹きつける大きな要因になると言えます。

●創業期からのDNAを継承する

ビジョンをより現実的かつ具体的に、そして魅力的に進化させる一方、創業期からの情熱や信念をしっかりと維持し続けることも大切です。大きな夢や理想を掲げ、起業した創業期の思いを継承していくことで企業に一貫性が生まれ、やがて自社の企業文化として育まれて行きます。まさに企業DNAの継承です。進化するなかにも一貫性を持たせることで、企業のブランドストーリーが紡がれて行きます。

ビジョンの浸透

小規模でスタートする創業期のビジョン浸透は、創業者・経営者が繰り返しコミュニケーションを図ることで、比較的容易に社内浸透を図ることができますが、変革期になると創業期とは比較にならない数のステークホルダーが関与してくることから、進化したビジョンの浸透は容易ではありません。また、複数拠点を展開している場合には、物理的距離や心理的距離も遠くなり、経営者がダイレクトにコミュニケーションを図れる機会も減少します。 このことを踏まえ、変革期のビジョン浸透には、インナーブランディングを目的とする様々な取り組みが必要となります。パドルデザインカンパニーでは、インナーブランディング強化に向けた様々な取り組みを提案しており、クライアントのビジョン浸透をクリエイティブでサポートしていきます。

●ブランド・アンバサダーのサポート

各部署より、ブランド推進担当者を選任し、これまでの取り組みや今後の施策を伝えるアンバサダーとして任命。ブランド・アンバサダーは、ブランドの理念や魅力に共感し、それを多くの人に発信していく大切な存在です。日常業務の中で自然に自社の理念や魅力を伝えることで、社内に共感や信頼関係を生み出し、企業と社員の潤滑油となる役割を担います。パドルデザインカンパニーは、ブランド・アンバサダーのアドバイザーとして、活動に役立つ情報提供やアドバイス、社内浸透ツールの制作などを多角的にサポートしていきます。

●クレドブック制作

クレドブックは、企業やブランドが大切にしている価値観・理念・行動指針などを明文化した「信条書」です。社員一人ひとりが共通の価値観を持ち、日々の業務や判断の軸として活用できるよう、コンパクトかつ実践的にまとめた冊子やデジタルツールを作成し、社員に配布します。社員のみなさまが常に身につけ、日頃の判断基準とすることで、自社ブランドの社内浸透を図ります。

●ブランドブック作成

ブランドブックは、企業やブランドの「世界観」や「価値観」をデザインしたパンフレットです。デザインやコピー、ストーリーなどを通して「なぜこのブランドが存在するのか」「どんな価値を届けたいのか」といったブランドの思いを、直感的かつ感性的に伝えることを目的として制作します。制作されたブランドブックを社内外に共有することで、ブランド浸透を図ります。

●ブランド動画制作

ブランド動画は、企業や商品の理念・世界観・想いを「映像」と「音」で表現し、見る人の心に深く訴えかけるためのブランディングツールです。文字や写真だけでは伝えきれない「感情」や「空気感」をダイレクトに伝えることで、ブランドへの理解・共感・記憶をより強く残すことができます。情報伝達力の高いブランド動画を制作することで、インナーブランディングを加速することができます。

●ブランドポスター/タペストリー製作

ブランドポスターは、企業や商品の価値・理念・世界観をビジュアルとキャッチコピーで端的に伝える視覚的なブランディングツールです。「見るだけでそのブランドを感じられる」ことを目的とし、広告としての役割だけでなく、社内外へのブランド浸透にも活用されます。オフィスや店舗、バックヤードなど、お客様や社員の目に触れる場所にポスターやタペストリーを掲示することで、ブランド浸透を加速することができます。

●社内Webサイト(イントラネット型サイト)制作

社内Webサイトは、社員向けに情報を共有・管理するためのイントラネット型サイトであり、社内コミュニケーションや業務効率の向上、組織文化の醸成を目的として構築される社内専用のWebプラットフォームです。業務マニュアルや規程、社内ニュース、社員紹介、社内イベント情報など、組織運営に必要なあらゆる情報を一元管理し、必要な人に必要な情報をスムーズに届ける仕組みとして活用されます。福利厚生の共有や申請書類などを一元化することで、社内のコミュニケーション円滑化を図ることも可能です。

●社内報制作

社内報は、社員同士のコミュニケーション促進や企業文化の共有を目的に定期的に発行される社内向けの情報誌です。企業のビジョンや方針、社員の活躍、社内イベントの様子などを掲載し発信することで、組織の一体感やモチベーション向上に寄与します。年2回または年4回の季刊誌として社内報を発刊するなど、定期発行することで日常業務だけでは発信しきれない情報を共有し、従業員とのコミュニケーション強化を図ります。

●表彰イベント樹立

表彰イベント樹立は、企業や組織内で社員やチームの優れた成果や貢献を称え、モチベーション向上や企業文化の醸成を目的に、新たに表彰制度およびその実施イベントを設けることを指しています。表彰イベントは、努力や成果を明確に評価・可視化できるため、組織全体の活力や一体感を高めることができます。また、ブランド・アイデンティティの浸透や実践に寄与した社員を定期的に表彰することで、企業ブランドへの意識向上を図ることができます。

●ブランド浸透度調査

ブランド浸透度調査は、企業や商品のブランドがターゲット市場や社内でどれほど認知され、理解されているかを把握するための調査・分析活動です。ブランドのメッセージや価値観がどれだけ伝わっているかを定量・定性の両面から測り、今後のブランド戦略やコミュニケーション改善に活かします。年1回、Webアンケートを活用したブランド浸透度調査を実施するなど、PDCAを繰り返し行うことで、評価制度や次年度以降の目標策定指針の参考としていきます。

ブランディングチーム

パドルデザインカンパニーには、プロジェクト全体を統括するプロデューサーやブランディングディレクターをはじめ、コピーライター、エディトリアルライター、アートディレクター、ブランドデザイナー、Webデザイナー、映像ディレクターなどが在籍し、プロジェクト毎に最適なチーム編成を行うことで採用ツールを最適解へと導いていきます。

記事制作/プロデューサー

ご相談や課題を受け、実施プランの策定やプロジェクトの大まかなスケジュールなどを策定します。また、プロジェクトのゴール設定やマーケティング環境分析、市場分析などを行い、市場で勝ち抜くブランド戦略提案などを行います。

Producer
CEO 豊田 善治

東京のブランディング会社

パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。