独自の立ち位置を定めることで、一番を目指す。

自社の強みから競争優位性を築く「ブランドポジショニング」を伝授します。

Introduction

ブランドポジショニングとは

ブランドポジショニングは、社名や製品・サービス名など、ブランド独自の価値を消費者に認識してもらうための行う取り組みで、市場におけるブランドの立ち位置を明確化することでブランドイメージを醸成し、競争優位に立つことを目的として行う施策です。また、ブランドイメージは、そのブランドに対して消費者が持つ情緒的な印象ですが、すべては企業が戦略的に行うブランディング活動により生み出した結果であると言えることから、ブランドポジショニングは後のブランディング活動やマーケティング戦略に大きな影響を及ぼす重要な取り組みであると言って間違いありません。

自社の強みからブランドポジショニングを築く

企業にはそれぞれの独自性があり、業種・業界を問わず、自社の強みから事業が成り立っています。一方、顧客の中には様々なブランドの選択肢が存在しており、顧客は自社(自身)のニーズからブランド価値を比較・検討し、商品・サービスを価値付け、ブランドの選定を行っています。この自社の強みと、顧客の価値観が交差するポイントが、現在のブランドポジショニングです。

では、市場ニーズに合わせブランドポジショニングを決定していけば良いのか?というとそうとは言い切れません。もちろん、市場のニーズを把握し、応えていくことは大切ですが、市場が求めるニーズだけでブランドポジショニングを決定した場合、確立されるブランドは差別化のない他社と同質なブランドとなってしまいます。結果、顧客は商品・サービスの選定に迷い、そのブランドは市場の中で埋もれてしまい、価格競争に陥ることになります。これを踏まえ、ブランドポジショニングを決定する際は、市場ニーズを踏まえ、自社の強みから独自性のあるブランドポジショニングを築くことが重要です。

また、ブランドポジショニングを決定することは、ターゲットとなる市場をセグメンテーション(選定)し、コアターゲットを定義することにつながります。ポジショニングは対競合、セグメンテーションは対市場、そしてターゲティングは対顧客となり、この3つが定まることではじめて、ブランド優位性を発揮することができるようになります。

ブランドポジショニング策定に向けたSTP分析

STP分析は、セグメンテーション(市場の細分化)、ターゲティング(ターゲット市場の選定)、そしてポジショニング(自社ブランドの立ち位置の明確化)の3つの英単語の頭文字から名付けられた分析法で、マーケティング論で知られる現代マーケティングの第一人者「フィリップ・コトラー」が提唱したフレームワークです。STP分析を活用することで、よりブランドポジショニングを的確に行うことができます。

Step1.市場のセグメンテーション

セグメンテーションでは、市場や顧客を似たようなニーズを持つ顧客層に分類して考えていきます。主な分類は、①国や地域などの地理的変数、②年齢や性別や職業などの人口動態変数、③ライフスタイルやパーソナリティでの心理的変数、④使用率などの行動変数となります。

①地理的変数(ジオグラフィック)
地理的変数(ジオグラフィック)とは、国・市町村・気候・文化・宗教など、地理的要因に基づく情報のセグメント指標です。地図や国の調査結果などを参考に分類していきます。

②人口動態変数(デモグラフィック)
人口動態変数(デモグラフィック)とは、年齢・性別・家族構成・学歴・職歴など、人の変わらない基本情報に基づくセグメント指標です。統計調査などを参考に分類していきます。

③人理的変数(サイコグラフィック)
人理的変数(サイコグラフィック)とは、価値観・性格・ライフスタイル・購入動機、などといった個人の心理に基づく情報のセグメント指標です。アンケート調査やヒアリングなどの結果を参考に分類していきます。

④行動変数(ビヘイビアル)
行動変数(ビヘイビアル)とは、買い物の頻度・買い替えのタイミング・使用用途などの個人の行動に焦点を当てた情報に基づくセグメント指標です。ユーザーの行動追跡データなどを参考に分類していきます。

Step1-2.「6R」を用いた市場のセグメンテーション

他にも、セグメンテーションに用いられる有効な指標として「6R」があります。6Rは、「①有効な市場規模(Realistic Scale)」「②成長性(Rate of Growth)」「③競合状況(Rival)」「④顧客の優先順位(Rank)」「⑤到達可能性(Reach)」「⑥反応の測定可能性(Response)」となり、これらに留意して総合的な判断を行う必要があります。

①有効な市場規模(Realistic Scale)
市場規模は大きければ大きいほど可能性も高く魅力的であると言えますが、その反面、競合他社が多いのも事実です。小さい市場の場合は、最低限、事業が成り立つセグメントをターゲッティングしなければなりません。

②成長性(Rate of Growth)
市場の成長期には、売上拡大やシェア獲得のチャンスが生まれます。現在の規模だけではなく、将来性を見極めたターゲティングを行わなければなりません。

③競合状況(Rival)
市場規模が大きければ大きいほど参入企業は多く、競争の激化から多大な開発費やマーケティング費の投下を必要とします。その結果、収益性が低下し、大きなリスクを伴う可能性も高いことから、競合状況の分析には力を入れなくてはなりません。

④顧客の優先順位(Rank)
オピニオンリーダー(集団の意思決定(流行、買物、選挙など)に関して、大きな影響を及ぼす人物)や口コミ発信者に対し、優先的にアプローチをすることで、商品の普及を早め、流行を作り出すこともできることから、セグメントごとに優先順位を設け、その重要度に応じた対策を講じることも忘れてはなりません。

⑤到達可能性(Reach)
インターネットが普及したことにより、ほぼ全ての地域へのリーチが可能となりましたが、ネットを介さない場合、地理的条件により最適なマーケティング活動が行えない場合があります。ターゲティングの際には、確実にそのセグメントに到達する方法があるのかを確認しなければなりません。

⑥反応の測定可能性(Response)
広告の反響(効果)や商品に対する顧客満足度など、実施されたマーケティング戦略に対し、効果的な結果がもたらされているかを測定し、検証から微調整を繰り返すことが必要不可欠であることから、セグメントを選定する際には反応測定が正しくできるか否かを見極めなくてはなりません。

Step2.顧客のターゲティング

ターゲティングでは、セグメンテーションされた市場のなかでどの顧客層へアプローチしていくのか、ターゲットとする顧客層を決定していきます。ターゲティング時のアプローチ方法は大きく分けて「①非差別化型マーケティング」「②差別化型マーケティング」「③集中化型マーケティング」の3つがあります。

①非差別化型マーケティング
1製品と1マーケティング・ミックスにて市場全体をターゲットとする方法で、誰にでも必要で日常的に消費する製品のターゲティングに多く用いられます。非差別化型マーケティングでは、大量生産から生産コストを抑えることができ、かつマーケティングコストも抑えることができますが、一般的に平均化されたニーズしか満たせないことから、特定のニーズをもつ顧客を取りこぼす懸念があります。

②差別化型マーケティング
複数のセグメントに対し、それぞれのマーケティング・ミックスを用いる方法で、主に自動車業界で用いられています。自動車メーカーは、小型自動車、ファミリーカー、スポーツカー、高級車など、あらゆる趣向と価格帯でニーズに合わせたフルライン製造を行うことで、細かなセグメントに対応し、総売上高を最大化しています。しかしその反面、マーケティングコストは増加することになり、ハイリスク・ハイリターンな戦略であると言えます。

③集中化型マーケティング
特定のセグメントに集中したマーケティング戦略を行い、特定の市場でのシェア獲得を目指します。経営資源を集中投下することで特定市場の知識が深まり、専門性が高まることから、主に中小企業で用いられており、事業規模が拡大しにくい反面、ローリスク・ローリターンな戦略であると言えます。

Step3.ブランドポジショニング

セグメントされた市場からターゲットの選定を行った後、ブランドポジショニングを決定していきます。ブランドポジショニングでは、4象限のポジショニングマップ用い、自社が独自性を発揮できるブランドの立ち位置を探っていきます。ブランドポジショニングで大切なのは、4象限のポジショニングマップにおいて、ひとつでも独自性を見つけることです。3つが競合他社と似通っていたとしても、残り1つの要素が大きな差別化となり、顧客に新たな価値を提供できる要素であれば、ブランド独自のポジションを築くことが可能だと言えます。

ブランドポジショニングは市場ニーズに応えていることが大前提

自社の強みを定義し、市場のセグメンテーションからターゲティングを行うことで、ブランドポジショニング策定の準備が整いましたが、ここまでは自社のみの視点から見たブランドポジションでしかないため、さらに3C分析を加え「競合」や「市場ニーズ」を加味したブランドポジションへとアップデートさせていかなければなりません。

競合分析では、競合ブランドの強みや弱み、それに伴うブランドイメージを定性調査・定量調査などから分析していくことで概ね確認することができます。また、競合ブランドが今後、どのようなブランドに展開していくかの予測を加味することも忘れてはなりません。もし競合ブランドが展開しそうな方向が自社の位置付けとバッティングし、他社ブランド力が自社よりも強大である場合は、ブランドポジショニングの見直しを検討する必要が生じてきます。

また、市場ニーズの調査を既存顧客だけをベースに行うと、本来の市場ニーズを掴みきれない危険性が生じてきます。既存顧客のニーズをしっかりと把握することはもちろん大切ですが、さらに重視すべきは「自社を選定しなかった消費者(または企業)」であり、なぜ選ばれなかったのか、その原因を解明することが重要です。そこには必ず、自社が提供できていない市場ニーズがあり、自社の強みと掛け合わせ市場ニーズを満たすことで、今までにない新たな価値を提供できる可能性が生まれてきます。

そして新たな提供価値の創造へ

ここまでの調査・検証は、あくまでも現在の状況から導き出したブランドポジショニングであり、将来の市場ニーズまで加味されたものではありません。ここにさらに、政治規制や規制緩和、技術革新、IT進化、消費者のライフスタイルの変化まで推測し、ブランドポジショニングを定義していかなければなりません。現在はすでに過去と考え、少し先の未来を見据えたブランドポジショニングを目指すことが大切です。 自社の強みを活かし、近未来の市場でいかにして市場シェアを獲得するか。自社の持ち得る強みをフルに活かし、小さくても強いポジションを見つけることが、競合他社と差別化されたブランドポジション実現へとつながります。

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