Web集客に直結する企業資産、コンテンツSEO。

コンテンツSEOのメリット&デメリットと実施の流れをご紹介します。

Introduction

Web集客の要「コンテンツSEO」とは

コンテンツSEOは、ホームページやブログなどのWebサイトにユーザーの検索意図に沿った良質なコンテンツ(広告ではない、価値ある情報)を掲載することで、自然検索から集客アップを目指すSEOのひとつです。コンテンツSEOを成功させるには、Googleをはじめとする検索エンジンから高い評価を受けることが大前提となりますが、そのために必要なのが良質なコンテンツ制作です。ユーザーが該当キーワードに対して本当に“必要としているコンテンツは何か?”を考察し、ユーザー満足度を高めていくことが大切です。

コンテンツSEOとコンテンツマーケティングは何が違う?

この2つはよく混同して理解されていますが、コンテンツSEOは良質なコンテンツ(広告ではない、価値ある情報)を発信することで検索エンジンからの集客アップを目指すコンテンツマーケティングの一種です。 コンテンツマーケティングには、前述するコンテンツSEOをはじめ、SNS(Instagram、Facebook、X、YouTubeなど)、オフライン施策(イベント、セミナー、会報誌など)、メールマガジン、広告などが含まれ、いずれも良質なコンテンツを提供することでユーザーとの関係性を築く取り組みを指しています。

コンテンツマーケティングと広告は何が違う?

コンテンツマーケティングと広告の大きな違いは、「有益な情報提供」なのか「商品やサービスを販売するための積極的なアプローチ」なのかにあります。コンテンツマーケティングは、ユーザー自らが興味・関心を持ちコンタクトしてくるまでは良質な情報提供をし続け、良好な関係を維持することを目的としているのに対し、広告はユーザーの興味・関心をかき立てる積極的なコミュニケーションを図ります。 コンテンツマーケティングと広告の違いを比較表にまとめてみましたので、参考までにご覧ください。

コンテンツSEOのメリット

検索エンジンの主流であるGoogleが目指す「良質なコンテンツの提供」を行うため、コンテンツSEOには多くのメリットがあります。もちろんGoogle広告をはじめとするキーワード広告(リスティング広告)で短期集中の集客を図る方法もありますが、Webからのリード獲得を目指すのであれば、多くのメリットがあるコンテンツSEOは不可欠な取り組みと言っても過言ではありません。次にコンテンツSEOのメリットをご紹介します。

◉幅広いニーズの集客を図ることができる

コンテンツSEOでは、検索ニーズを想定したページタイトル設定からコンテンツ制作を行いますが、ページ内にはタイトル設定したキーワード以外のテキストも多く含まれるため、想定していなかったキーワードでの流入も多く得ることができます。そのため、キーワード広告では掴みきれないユーザーの獲得が可能だと言えます。

◉潜在ニーズのあるユーザーにアプローチできる

自社の商品やサービスをアピールするような直接的な内容ではなく、知識やノウハウなど役立つコンテンツを発信することで、自社の顧客ではないユーザーからも多くのアクセスを獲得することができます。また、継続して多くのアクセスを獲得していくことで顧客との関係性が深まり、自社の信用度向上から信頼関係が構築され、自社商品・サービスを購入頂く可能性が向上していきます。

◉見込み客にリーチし続けることでニーズの育成を図れる

自社商品やサービスに対して興味のないユーザーでも、コンテンツを読み進めるうちに購買意欲が刺激され、商品・サービス購入や資料請求、問い合わせなどにつながるケースが多くあります。また、同一のテーマでコンテンツを発信し続けることで自社の信頼度が高まり、購入時の選択肢の一つとして候補に挙げられる可能性が高まります。

◉広告と比べて安定して中長期的な集客が期待できる

Google広告をはじめとするキーワード広告(リスティング広告)や各種バナー広告は、期間や予算に応じた広告出稿となるため、広告露出量に応じた予算がかかりますが、コンテンツSEOは継続的な広告費がかかりません。一度上位表示されたWebページは比較的安定した流入が期待できることから、中長期的な集客が期待できます。

◉広告と比べ拡散性(シェアされる確率)が高い

良質なコンテンツは、直接的なアクセスだけでなく、ユーザーがシェアすることでWeb上で情報が拡散される可能性が高いことから、さらに多くの流入を期待することができます。また、被リンク獲得によるSEO効果を得ることでGoogleから評価にもつながります。

◉コンテンツが資産として積み上がっていく

制作したコンテンツは、自社で削除しない限り半永久的にWeb上に残るため、長期間に渡り集客に寄与する企業資産となっていきます。また、継続的に良質なコンテンツを増やし続けることでWebサイトへのセッション数向上へとつながるため、相対的なSEO効果も期待できます。

◉営業や接客業務の効率化につながる

コンテンツSEOによる集客が拡大することで、人海戦術によるインサイドセールス業務の効率化を図ることができます。また、ユーザーが予備知識を持つことで、接客担当者の説明業務も効率化されていきます。

◉自社の商談資料や企画書作成時にも役立つ

自社で作成した良質なコンテンツには自社の知見が詰まっているため、商談資料や企画書にも活用できます。営業担当者がいちから資料作成する手間が省けるため、業務の効率化を図ることができます。

◉自社及び商品・サービスのブランディングに寄与する

良質なコンテンツを発信し続け、自社サイトへの流入を増やしていくことで、自社の知名度が向上していきます。また、専門的なコンテンツはユーザーの権威性を高め、信頼・信用の獲得から顧客のロイヤルティ向上へとつながります。コンテンツSEOの継続的な取り組みは、やがて企業や商品・サービスのブランドイメージを醸成し、ブランディングにも寄与していきます。

コンテンツSEOのデメリット

一方、コンテンツSEOにはデメリットもあります。メリットでご紹介した通り、コンテンツSEOは中長期的な集客施策であり、短期集中での集客には不向きなため、Webマーケティングを実施の際には、正しい知見のもと、状況に応じて最適な手法を選択する必要があります。

◉記事制作に多くの時間と手間がかかる

コンテンツSEOにおいて良質なコンテンツを制作するためには、ライターや編集者だけでなく、専門知識を有するエンジニアなど有識者の協力が不可欠となります。日常業務と並行してのコンテンツ開発を行うことで、一時的に本業の業務効率低下を招く危険性も孕んでいることから、コンテンツ制作の際には計画的な実施が不可欠です。

◉中長期的にアクセス集客を図る施策のため即効性が低い

新規で制作したコンテンツをWeb上に公開し、Googleからの高い評価を得るには、早くても1ヶ月、長ければ3ヶ月または半年程度の時間を要します。また、検索上位表示された後にユーザーが顧客となり利益を生み出すまでには、さらなる時間を要するでしょう。 人的リソースを多く必要とするコンテンツSEOですが、利益を生み出すまでに長期間を有する取り組みとなるため、社内の状況をふまえ正しい理解のもと進めていく必要があります。

◉アクセス解析やリライトなど継続したメンテナンスが必要

制作したコンテンツを効率的に検索上位表示させるためには、Google AnalyticsやGoogle Search Consoleをチェックしながらのタイトル修正やコンテンツのリライトを定期的に行う必要があります。コンテンツの最適化を図ることで初めて、手間暇かけて制作したコンテンツを最大限に有効活用することができます。

コンテンツSEO実施の手順

コンテンツSEOにおいて最も重要なのは「質の高いコンテンツの制作」であるのは間違いありませんが、正しい手順でコンテンツSEOを計画していくことで、成功の確率を飛躍的に高めることができます。次にコンテンツSEO成功に向けた、コンテンツSEO実施の手順を紹介していきます。

1.ペルソナの設定

コンテンツを届けたい具体的なユーザー像「ペルソナ」を設定します。以降で書き起こすコンテンツがターゲットのニーズに正しく応えているか、ペルソナ設定することでコミュニケーション設計時に原点に立ち戻り確認することができます。 ペルソナ設定時には、実際の顧客像や本来獲得したい顧客像を思い浮かべながら設定していきますが、具体的な項目には「年齢/性別/最終学歴/職業/年収/居住地/家族構成/趣味/休日の過ごし方/信条/生活パターン/他任意の項目」などがあります。

2.カスタマージャーニーマップの作成

ユーザーが商品を認知してから購買に至るまでの態度変容プロセス(心理や行動)を一覧にまとめ可視化したもので、そのフェーズごとの具体的な対応策を計画するための施策が「カスタマージャーニーマップ」の作成です。 カスタマージャーニーマップは、ゴール設定により設計範囲が大きく異なるため、集中して実現できるゴール設定を推奨しています(例えば、購買をゴールとする場合、ブランドのファンになることをゴールとする場合などにより、そのリードタイムが大きく異なるため)。 添付は化粧品ブランドのカスタマージャーニー例です。

3.対策キーワードの選定

コンテンツSEOの最重要プロセスとなるのが対策キーワードの選定です。ユーザーの検索ワードは検索意図の数だけあり、ユーザーのKBF(Key Buying Factor:購買決定要因)によりキーワードの掛け合わせが異なるため、前項で作成したカスタマージャーニーマップに照らし合わせ、より最適なキーワードを検索ボリュームに応じて3段階に分類してまとめます。

◉ビックワード
検索ボリュームが最も多くなるキーワード群。月間の検索ボリュームが10,000回を超え、単ワードでは、知りたい情報が明確ではあるものの、その範囲が広く汎用的な単語である点が特徴です(例:SEO、ホームページ、ブランディング など)。

◉ミドルワード
複数の検索ワードを掛け合わせた際に、月間検索ボリュームが1,000-10,000回のキーワード群。「ビックワード×汎用的なワード」であることが特徴です(例:SEO×都道府県、ホームページ×制作、ブランディング×事例 など)。

◉スモールワード
複数の検索ワードを掛け合わせた際に、月間検索ボリュームが1,000回に満たないキーワード群。「ビックワード×ニッチなワード(または3ワード以上の掛け合わせ)」であることが特徴です(例:SEO×区市町村、ホームページ×アクセス解析、ブランディング×ポジショニング など)。

月間検索ボリュームはツールを活用して調べることができます
Googleキーワードプランナー
aramakijake

4.ユーザー思考の考察

コンテンツSEOの目的は、Webサイトへの集客を増やし、最終的には売上向上を図ることである一方、ユーザーの目的は「課題解決」です。そのキーワードを検索するユーザーは「何を目的としているのか?」を深く考察していきます。
「SEO」がビックワードであれば、SEOのいろはを調べているのか、SEOの実施方法を調べているのか、成功事例を知りたいのか、または委託先を探しているのか。あらゆる選択肢を考慮して、次項5のコンテンツリスト作成を行います。

5.ページタイトルのリスト化と構成要素の検討

前項3で選定したキーワードから、「特定の課題を有するユーザーを解決へと導く有意義なコンテンツ」となるページタイトルをリスト化していきます。また、リスト化したページタイトルの具体的なコンテンツ開発に向け、各ページの骨格となる構成要素(大見出し/中見出し/小見出しなど)をざっくりと設定していきます。

《コンテンツ制作を円滑に行うために骨格となる各ページの構成要素》

◉ページタイトル
対策ワードを冒頭に含み、32文字以下で構成。

◉大見出し(h1)
ページの最上部に出る見出し。ユーザーはこの見出しで以降のコンテンツを判断するため、対策ワードを含め、ページの内容が的確に伝わるメッセージを制作する。

◉中出し(h2)
大見出しから一段掘り下げた情報の見出し。中見出しは複数項目が出てくるため、対策ワードに関連するワードを含め、要点が明確に伝わるリード文を制作する。

◉小出し(h3)
中見出しからさらに一段掘り下げた情報の見出し。中見出しをさらに詳しく細分化して伝える。中見出し以上に複数項目が出てくるため、要点を明確に絞り込んだリード文を制作する。

6.コンテンツ制作

前項5でリスト化したページタイトルと構成要素について、本文を執筆していきます。記事の執筆は、ワードやテキストエディットで作成し、全体の構成を確認しながら何度も校正することが大切です。また、対策ワードを意識しすぎて不自然にキーワードを盛り込んだりせず、ユーザーが読みやすく理解しやすい文章になるよう心掛けることも大切です。
コンテンツは、漠然とした内容ではなく、できる限り具体的かつ明確に、主観的ではなく客観的に、また事実を裏付けるデータなどを付帯すると説得力が増していきます。時には内容が直観的に理解できるようイメージ写真を加えるなども効果的です。

7.コンテンツの定期的なメンテナンス

公開したコンテンツの効果を最大化させるには、タイトル・キーワードの調整やコンテンツ追加・リライトなど、コンテンツの定期的なメンテナンスが不可欠です。もちろん、闇雲に修正やリライトを行っても効果は期待できないため、コンテンツを数値的に分析し、不足を補うためのメンテナンスを行なっていきます。
分析には、Google Analytics、Google Search Consoleなどの分析ツールを用いるのが効果的です。なお、コンテンツSEO成否の判断基準は、KPIとして設定したセッション数の達成、または該当キーワードでの検索順位などで判断すると明確です。

分析ツール
Google Analytics
Google Search Console