採用ブランディングの“よくある失敗”を防ぐ、4つの視点

優秀な人材を確保し、育てる。採用ブランディング成功のために必要な視点と対応を解説します。

Introduction

採用ブランディングの失敗を防ぎ、を成功へと導く4つの視点

少子高齢化が進む日本では、多くの企業が人材確保に頭を悩ませています。その中で注目を集めているのが「採用ブランディング」です。しかし、この取り組みが十分な成果を上げられず、「思ったように応募が来ない」「ミスマッチが頻発する」といった“失敗”を経験している企業も少なくありません。本記事では、採用ブランディングの事例に学びながら、失敗を防ぎ、最終的に採用活動を“成功”に導くための具体的な4つの視点を解説します。

視点01.「目的」と「現場」のズレをとらえる。

採用ブランディングが失敗する大きな原因の一つが、「経営層の掲げるビジョン」と「現場の実態」にギャップがあるケースです。たとえば「自由で裁量のある職場」をアピールしているにも関わらず、実際には細かなルールに縛られている職場環境である場合、入社後にギャップを感じた人材の早期離職に繋がります。

《成功のための対策》
・採用ブランディングを構築する際、現場の声を丁寧にヒアリングする。
・社員の視点から見たリアルなエピソード、社風を交える。
・誇張や美化よりも「正直な情報発信」に重きを置く。

コンテンツ制作にあたっては、仕事内容の詳細だけでなく、チームの雰囲気やメンバー構成、キャリアパス、成長機会など、入社後の具体的なイメージを描ける情報を提供。社員インタビューを通じて実際の働き方ややりがい、苦労などを伝えることで求職者の理解の深化から共感へとつながるため、ミスマッチを予防するコンテンツとして効果的です。また、企業の価値観や理念、社会貢献性などは、特に若い世代の求職者にとって応募動機となります。

視点02.「誰に伝えたいのか」を明確にする。

採用ブランディングは、企業PRではありません。対象となるペルソナ(理想の人物像)が不明確なままでは、情報発信のトーンやメディア選定が定まらず、どの層にも刺さらない結果となりがちです。

《成功のための対策》
・自社が求める人物像「ペルソナ」をできるだけ具体的に言語化する。
・採用のターゲット層が日常的に見るメディアやSNSを選定して発信する。
・設定したペルソナに向けメッセージを発信する。

ペルソナから大きくはずれる人物像へはアプローチしないという割り切りも重要です。採用広報を通じて“自分ごと化”できた求職者ほど、エンゲージメントが高まり、入社後の定着率も向上します。

視点03.発言に一貫性をもたせ、信頼を構築する。

採用ブランディングにおける「信頼性」は、単なる好印象よりも遥かに重要です。SNSやオウンドメディア、採用サイトなど各所で発信するメッセージに一貫性がない場合、「この会社、本当に大丈夫?」と求職者の不信感へとつながります。

《失敗しやすいパターン》
・採用ページでは「フラットな社風」と打ち出しているのに、社員インタビューでは上下関係を感じるコメントを掲載。
・オフィス紹介で「おしゃれな空間」をアピールしているが、実際にはリモートワーク中心。
・「働きがいがある」「成長できる」といった抽象的な言葉だけで、具体的な根拠や裏付けが示されない。

《成功のための対策》
・採用チーム、広報、現場マネージャー間で情報共有を徹底する。
・発信するビジュアル・言語・トーンのマニュアルを作成し、一貫性を持たせる。
・定期的に掲載情報を見直し、古くなった内容は更新する。

大切なのは部署を超えて「採用ブランディング」を実現していくこと。細やかな対応が、求職者の信頼獲得とブランド強化に繋がります。

視点04.長期的視点で採用ブランドを育てる

「今期の採用数を満たすため」といった短期的な結果を求めると、採用ブランディングが一時的なキャンペーンで終わってしまう可能性があります。安易なアピールや流行に流された施策、ブランド本来の価値を損ねないよう、長期的視点が必要です。

《成功のための視点》
・採用ブランディングは「企業文化を伝える活動」と位置付ける。
・一時的なバズよりも「企業の核」に根ざしたストーリー発信を重視。
・目先の応募数だけでなく、「共感して応募してくれた人の割合」など、質的なKPIを設計する。

採用ブランディングは時間をかけて、効果測定を行いながら継続的に改善していく姿勢が重要です。ウェブサイトや採用サイトのアクセス数、応募数、応募者の質、採用後の定着率など、具体的な指標を設定し、定期的に効果測定を行いましょう。効果測定には、Google Analyticsなどの解析ツールを活用することで、求職者の行動分析や課題、そして改善点をの発見へとつながります。
また、求職者や入社後の社員へのアンケート調査などを実施し、率直な意見やフィードバックを収集することも大切です。これらの情報を分析し、採用ターゲットの変化や市場動向に合わせ、採用メッセージやコンテンツ、採用チャネルなどを柔軟に見直していくことが、失敗を防ぎ、成功へと導くための最重要ポイントとなります。

採用ブランディングの“成功”は「誠実さ」と「戦略性」の両立にある

採用ブランディングの失敗は、多くの場合、「見せ方」にこだわりすぎて本質を見失ったときに起こります。採用ブランディングを成功へと導く秘訣は、「企業の実像を誠実に伝え、ターゲットとする求職者の共感を得ること」。そのためには、社内の共通認識の形成、ペルソナの明確化、一貫した発信、そして中長期的な視野を持った取り組みが不可欠です。
“採用に強い会社”とは、単に福利厚生が充実している企業ではありません。自社らしさを言語化し、共鳴してくれる人と繋がる力のある企業です。失敗を防ぎ、持続的に成功へと導く採用ブランディングを、今こそ戦略的に始めましょう。

ブランディングチーム

パドルデザインカンパニーには、プロジェクト全体を統括するプロデューサーやブランディングディレクターをはじめ、コピーライター、エディトリアルライター、アートディレクター、ブランドデザイナー、Webデザイナー、映像ディレクターなどが在籍し、プロジェクト毎に最適なチーム編成を行うことでブランドを最適解へと導いていきます。

記事制作/プロデューサー

ご相談や課題を受け、実施プランの策定やプロジェクトの大まかなスケジュールなどを策定します。また、プロジェクトのゴール設定やマーケティング環境分析、市場分析などを行い、市場で勝ち抜くブランド戦略提案などを行います。

Producer
CEO 豊田 善治

東京のブランディング会社

パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。