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企業の成長に貢献する「企業ブランディングの目的」
初心者でも分かる、企業ブランディングの重要性と効果
企業ブランディングがもたらす様々な効果を、初心者の方にもわかりやすく解説します。
なぜ企業ブランディングが重要なのか
現代のビジネス環境は、多くの情報があふれ、顧客の選択肢は多岐にわたります。似たような商品やサービスが数多く存在する中で、企業が持続的に成長していくためには、単に高品質な製品・サービスを提供するだけでなく、顧客の心に深く刻まれる独自の存在感を確立することが不可欠です。そこで重要となるのが「企業ブランディング」です。
企業ブランディングとは、企業が提供する商品やサービスだけでなく、企業そのもののイメージや価値観、理念を市場や顧客に対して明確に伝え、信頼や共感を獲得する活動全般を指しています。顧客との信頼関係の構築や競合との差別化を図ることで、最終的には企業の成長を力強く後押しする戦略的な取り組みとなります。本記事では、企業ブランディングがどのような目的を持ち、それが企業の成長にどう貢献するのかを具体的に解説します。
企業ブランディングの目的①|顧客ロイヤリティの向上

企業ブランディングの重要な目的の一つに、顧客ロイヤリティの向上が挙げられます。顧客ロイヤリティとは、顧客が特定の企業やブランドに対して抱く信頼感や愛着の度合いを示すものです。高い顧客ロイヤリティを持つ顧客は、競合他社の商品やサービスに目移りすることなく、継続的にその企業の商品やサービスを選び、利用する傾向があります。企業ブランディングは、この顧客ロイヤリティを育む上で非常に重要な役割を果たします。
大切なことは、一貫したブランドメッセージの発信や体験価値を提供し続け、顧客が安心感や共感を抱蹴る環境を整えることです。例えば、あるコーヒーチェーン店は、「サードプレイス」というコンセプトを掲げ、家庭でも職場でもない「第三の場所」という居心地の良い空間を提供することで、顧客のライフスタイルに寄り添うブランドイメージを確立しました。その結果、多くの顧客がそのブランドに愛着を持ち、日常的に利用するようになっています。
また、企業の理念や社会貢献活動に共感する顧客は、ブランドの支持者・推奨者となる可能性を秘めており、SNSや口コミでの発信を通じて新たな顧客を引き寄せる効果も期待できます。このように、企業ブランディングを通じて顧客との間に強固な信頼関係を築くことは、長期的な視点で見ると、安定した収益の確保や顧客維持コストの削減、そして新規顧客の獲得へと繋がっていきます。
《顧客ロイヤリティ向上 7つのプロセス》
1.認知
顧客が初めて企業・ブランドを知る段階。
広告、SNS、ウェブサイトなどがきっかけとなります。
2.興味/関心
企業に興味を持ち、情報を集め始める段階。
製品やサービスの内容、企業の理念などに触れます。
3.購買
顧客が実際に製品やサービスを購入する段階。
初めての購入であることが多いです。
4.利用体験
購入した製品やサービスの品質や使いやすさ、
サポート体制などが顧客満足度に影響します。
5.満足
利用体験を通して、製品やサービスに満足する段階。
期待以上の体験や課題解決などが重要になります。
6.信頼/愛着
企業やブランドに対して信頼感や愛着を持つ段階。
競合他社と比較せず、継続的に利用するようになります。
7.リピート/推奨
ロイヤリティの高い顧客は、製品やサービスをリピートし、
周囲の人に推奨するようになります。
企業ブランディングの目的②|競争優位性の確立と人材確保

◉競争優位性の確立
市場における競争優位性の確立も、企業ブランディングの重要な目的の一つです。多くの企業が類似商品・サービスを提供する市場では、すぐに価格競争に陥ります。そうした市場においては、独自のブランドイメージを確立していることが、競合他社との明確な差別化に繋がります。
例えば、デザイン性の高さと革新性で知られる家電メーカーでは、「シンプルで美しいデザイン」という一貫したブランドイメージを打ち出すことで、高価格帯でありながらもデザイン性の高さから多くの支持を得ることに成功しています。 独自の価値観やストーリーを顧客に伝えることで、単なる機能的な価値だけでなく情緒的な価値を付加し、価格競争に巻き込まれにくい強固なブランドを築き上げることができるのです。
◉人材確保
さらに、企業のブランドイメージは、求職者にとって企業選びの重要な判断基準の一つとなります。「革新的な企業文化を持つ会社」「社会に貢献している会社」といったポジティブなブランドイメージは、優秀な人材を惹きつけ、入社意欲を高めることにも繋がります。 また、従業員にとってもブランドイメージは重要で、自社ブランドに対して誇りや共感を持てることでエンゲージメントを高め、満足感を持って長く働く動機になります。一貫したブランドメッセージは、社内外への共通言語となり、組織の一体感を醸成することに繋がるのです。

企業ブランディングの目的③|企業価値の向上と信頼性の獲得

強力なブランドは、顧客からの信頼だけでなく、株主や投資家からの評価を高める要因にもなります。ブランド価値の高い企業は、一般的に安定した収益力や成長可能性を期待され、結果として株価の上昇や投資の増加に繋がる可能性が高まります。また、長年にわたり培ってきたブランドイメージや信頼は、競合他社には容易に真似できない独自の強みとなります。
さらに経済的な成長だけでなく、企業の社会貢献が求められる時代となっているため、環境問題への配慮や地域社会への貢献、従業員の多様性の尊重など、企業の社会貢献活動や倫理的な取り組みを積極的に発信することで、社会からの共感や信頼を高めることができます。社会的な信頼性の高い企業は、顧客や従業員だけでなく、地域社会や行政など、様々なステークホルダーとの良好な関係を築きやすくなり、長期的な企業活動の安定に繋がります。
企業ブランディングは、持続的な成長に不可欠

本記事では、企業ブランディングが持つ様々な目的について解説してきました。顧客ロイヤリティの向上や競争優位性の確立、優秀な人材の獲得と維持、そして企業価値の向上と社会的な信頼性の獲得。これらはすべて、企業の持続的な成長と発展に不可欠な要素であり、企業ブランディングは、これらを達成するための重要な戦略であることがご理解いただけたかと思います。
情報があふれ、価値観が多様化する現代において、企業が成長していくためには、明確なブランドイメージの構築と、それを内外に浸透させていく努力が不可欠です。今後、企業活動を展開していく上で、ブランディングは決して無視できない重要な投資と言えるでしょう。
ブランディングチーム
パドルデザインカンパニーには、プロジェクト全体を統括するプロデューサーやブランディングディレクターをはじめ、コピーライター、エディトリアルライター、アートディレクター、ブランドデザイナー、Webデザイナー、映像ディレクターなど5職種が在籍し、プロジェクト毎に最適なチーム編成を行うことでブランドを最適解へと導いていきます。
記事制作/コピーライター
企業の中核概念となるミッション/ビジョン/バリューの開発やタグライン、ブランドコンセプト、ブランドストーリーなどのMI(マインド・アイデンティティ)開発を担当。ブランドコミュニケーションにおいては、制作物の企画立案・コピーライティングのほか、取材・ライティングを担当します。
Copywriter
Nara
東京のブランディング会社

パドルデザインカンパニーは、1998年創業のブランディングカンパニー。東京都港区南青山に本社を構え、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県を中心に、北海道から沖縄まで日本全国に顧客を抱えています。取引業種・業界も幅広く、IT業界や製造業、商社、建築・設備業、金融・不動産、食品会社に至るまで、あらゆる業界のブランディングを手掛けています。
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