幅広い表現が可能な「アニメーション動画」

機能や性能、データなど、難解な情報も簡潔に伝わるアニメーション動画。

Introduction

アニメーション動画とは

アニメーション動画は、静止画やテキストに動きを加えた動画の総称です。イラストや画像、CGなどの素材にアニメーションを加えることでストーリーを演出できるほか、静止画やテキストだけでは伝わりにくい情報をより分かりやすく表現することができます。<br />用途・目的を問わずあらゆる動画にアニメーションが活用されていますが、とりわけ複雑な機能紹介や、ソフトウェアをはじめとする無形サービスの紹介などでアニメーション動画が多く制作されています。

アニメーション動画の種類

イラストや写真、CGなどの素材に動きを加えて制作するアニメーション動画には、多様な表現方法があります。最も多く制作されているイラストアニメーション動画をはじめ、近年人気のホワイトボードアニメーション動画、映画やTVアニメでも制作されるフルアニメーション動画などから簡易的なスライドショーまで、アニメーション動画の種類をご紹介します。

イラストアニメーション動画

イラストアニメーション動画は、パラパラ漫画のように複数のイラストをコマ送りにして動きを持たせたアニメーション動画です。イラストを用いた一般的なアニメーション動画は、企業や商品のサービス紹介動画として最も多く制作されています。難解なシステムや制度などもストーリーを交えて分かりやすく解説できるため、イラストアニメーションは理解促進に最適な動画であると言えます。

キャラクターアニメーション動画

キャラクターアニメーション動画は、シンプルでデフォルメされた造形のキャラクターを主体としたアニメーション動画です。人や動物などのキャラクターを主体にストーリーを展開することで、親しみやすく印象的かつ楽しく愉快なアニメーション動画に仕上げることができます。

ホワイトボードアニメーション動画

ホワイトボードアニメーション動画は、真っ白なホワイトボードを背景に、イラストや文字、図表などを描いていく過程を映像化したアニメーション動画です。次々に描かれる情報を目で追いながらストーリーが展開されるため、直感的に理解しやすく、印象にも残りやすいと言えます。

フルアニメーション動画

フルアニメーション動画は、1秒間に24枚の絵を再生することで、非常に滑らかな動きのアニメーションを実現する動画です。背景なども省略せず細かく原画を描くため、自然で滑らかな動きを演出することができます。アニメーション映画やTVアニメなどの多くがフルアニメーションで制作されています。

3DCGアニメーション動画

3DCGアニメーション動画は、3D(3次元)コンピューターグラフィックス(CG)技術を用いて制作される動画です。リアルな表現や立体的なカメラの動き、奥行きのある表現が可能なため、精密機器の完成予想図なども3DCGで制作されることがほとんどです。3DCGアニメーションの代表例には、ディズニーアニメーションの「トイストーリー」や「アナと雪の女王」などがあげられます。

クレイアニメーション動画

クレイアニメーション動画は、粘土またはそれに似た素材で作られた人形を少しずつ動かし、コマ撮りで撮影した写真をつなぎ合わせて表現するアニメーション動画です。粘土は柔らかく伸び縮みや変形が容易であることから、自由で独創的な表現が可能です。クレイアニメーションの代表例には、日本でも人気の「ひつじのショーン」や南極に住むペンギンの男の子「ピングー」などがあげられます。

スライドショー動画

スライドショー動画は、静止画やイラストなどの画像を次々と表示させるアニメーション動画です。アニメーションのように流れて動く動画とは異なり、3秒間隔、5秒間隔などで静止画を表示することで、動画らしく見せる簡易動画を指しています。スライドショー動画は、ビジネスシーンにおいてプレゼンテーション資料として多く活用されるほか、結婚披露宴や二次会パーティのウエディングムービーなどでも多用されています。

モーショングラフィックス動画

モーショングラフィックス動画は、画像やイラスト、テキストなどに動き(モーション)を加え動画やアニメーションを制作する表現手法です。動きのない静止画やテキスト表示と比べリッチな演出が可能であるため、印象に残りやすいと言えます。

アニメーション動画5つの特徴

デジタル環境のみで制作を行うアニメーション動画は、キャスト(出演者)手配や撮影を要さないため、実写動画と比べ短期間での制作が可能です。また、編集中の修正も容易であるため制作コストを大きく抑えることができます。
一方、オリジナルイラストの書き起こしやフルアニメーション、3DCGを用いてのアニメーション制作の場合、実写よりも制作期間や費用を要する場合があるため、注意が必要です。

1.複雑な情報が簡潔に伝わる

アニメーション動画が採用される最大の要因は、その伝わりやすさにあります。SaaSやWebサービスなどの無形サービスは特に、高機能/多機能であるほど説明が難しく、サービスの全体像を消費者が理解するのは容易ではありません。消費者の「知りたい」に最大限応え、企業の「伝わらない」課題を解決するアニメーション動画は、情報伝達力に優れた表現方法です。

2.キャラクターや画像を絡めた幅広い表現が可能

アニメーション動画は、実写では表現しきれない表現が可能であるため、ソフトウェアをはじめとする無形商材の機能紹介やサービス紹介、メリット・ベネフィット訴求に多く用いられますが、自社のキャラクターやイラスト、画像などを絡めた表現も可能なため、あらゆる商材訴求に利用されています。制作時にエフェクトを用いることで、訴求ポイントを明確化し、消費者に強く印象付けるなど幅広い表現が可能なため、情報伝達力の高い動画に仕上げることができます。

3.多くの情報が短時間で伝わる

能動的に情報を読み込み、理解する必要があるWebサイトやパンフレットなどの紙媒体と比べ、動画は5,000倍もの情報を伝えることができると言われています。動画では、音声や映像を併用しての訴求が可能であるため、訴求ポイントを短時間で伝えることができます。静止画では伝えきれないプロセスや仕組みを伝えることのできるアニメーション動画であれば、その伝わりやすさはなおさらです。

4.修正が比較的容易

実写動画では、撮影した映像の再撮影には時間と費用に大きなロスが生じるだけでなく、キャストの都合や納期によっては、再撮影の実施が難しい場合すらあります。さらにレタッチ作業には限界があるため、大きな修正は難しいのが実情です。
一方アニメーション動画の場合、デジタル環境の映像制作だけで修正が可能であるため、実写と比べて修正が容易です。用途や目的に合わせた再編集も容易であるため、臨機応変かつ柔軟な対応が可能です。

5.コストを抑えた制作も可能

キャスト(出演者)や撮影クルー、ロケーションコーディネート、美術セット、撮影機材、出張費など、実写動画の撮影には様々な手配が必要となりますが、アニメーション動画ではこれらの手配が不要であるため、制作コストを抑えることができます。また、スケジュール調整やキャスト所属先の確認なども要さないため、スケジュールの短縮も可能です。

アニメーション動画が活用される主な業種

アニメーション動画は主に無形商材(サービス)を扱う業種で多く制作されてきましたが、近年では、企業ブランディングや企業や商品のプロモーション、採用強化施策としてもアニメーション動画が活用されるようになりました。ここではアニメーション動画が多く活用される主な業種をご紹介します。

ソフトウェアやシステム開発を行う「IT企業」

Webサービスやアプリ、SaaS、クラウドなど、無形商材(サービス)の機能をわかりやすく解説し、自社優位性を訴求する手段として、IT企業では多くのアニメーション動画が制作されています。多機能なサービスであるほどアニメーション動画での機能紹介やメリット訴求が効果的であるため、IT企業はアニメーション動画の活用に最適な業種であると言えます。

アドバイザリー業務を行う「コンサルティング業」

サービスの全容が複雑で難解なコンサルティング業ですが、近年ではベンチャー企業によりパッケージ化されたサービスも多く誕生し、中小企業でもコンサルティング業を利用しやすくなりました。その普及活動で活躍しているのが、アニメーション動画です。複雑なサービスをアニメーション動画でストーリー仕立てにして紹介し、要点を簡潔に伝えることで、利用のハードルを下げています。

高度で複雑な技術を要する「製造業」

機密性の高い技術や仕組みを多く開発する製造業では、高度な独自技術であるがゆえに技術者以外への理解促進が難しいという課題があります。物理的な理由やセキュリティ上の都合から写真撮影が困難であることも多く、優位性の訴求が容易ではない製造業にこそご活用いただきたいのがアニメーション動画です。イラストアニメーション、3DCGアニメーションなど、何を伝えるかにより最適な表現方法を選択することで、優位性の訴求から顧客獲得を図ることができます。

人々を楽しませる娯楽やサービス「エンタメ業」

映画やドラマ、アニメ、ゲームなど、エンターテイメントの世界では、最新のアニメーション技術が多く活用されています。動画として制作するイラスト・キャラクター・フルアニメーション・3DCGに加え、プロジェクションマッピングやAIを用いた自動色彩映像なども台頭し、今後益々の発展が期待されています。

その他あらゆる業種のサービス紹介に

その他にも、業種・業界を問わず企業や商品のプロモーション、会社案内、採用強化、マニュアル、アフターフォローなどに数多くのアニメーション動画が活用されています。実写では表現できない、または表現しきれない情報や情緒の訴求をアニメーション動画で具現化することで、視聴者の理解促進や共感を促すことができるため、アニメーション動画はあらゆる用途に活用可能な制作手法であると言えます。実写動画にアニメーションを加えるなど、実写とアニメーションを融合した動画の制作も近年増加しています。

アニメーション動画制作 3つの重要ポイント

動画配信プラットフォームYouTubeでの情報検索が普及した昨今では、あらゆる動画が市場に溢れており、消費者は動画の検索/閲覧に慣れています。このような消費者に動画を通し企業や商品/サービスの魅力を伝えるには、動画制作時の重要ポイントを正しく理解することが大切です。

1.とにかく「わかりやすい」

企業PRとして制作される動画において重要なのは「わかりやすい」こと。理解が難しい動画は視聴者にストレスを与えるだけでなく、企業や商品のブランドイメージ低下を招く原因にもなります。企画構成時には、伝えたいことが正しく、わかりやすく伝わるストーリーであるかを念入りに確認することが重要です。

2.見ていて「飽きない」

一方、わかりやすいだけでは「魅力が伝わらない」ジレンマが生じます。そこで意識しなくてはならないのが起承転結です。淡々と機能を説明するだけでなく、そこに前提や背景を紹介する「起」、起を受けて本題へと発展させる「承」、承を受けて本題を深掘りする「転」、そして締めくくりとなる「結」のストーリーを構成し、視聴者が見ていて飽きないアニメーション動画を目指すことが重要です。

3.何回見ても「おもしろい」

さらに加えたいのが、何回見ても「おもしろい」というポイント。例えWebサービスやアプリ、SaaS、クラウドなどの紹介動画であっても、見ていて「おもしろい」に越したことはありません。正しく分かりやすく伝わり、見ていて飽きない、おもしろい動画。機能や性能訴求に特化したアニメーション動画では、この「おもしろさ」は全く別の観点になるかも知れませんが、視聴者が見たくなる動画制作を目指すことが重要です。

魅力的なアニメーション動画 制作事例4選

前述するアニメーション動画5つの特徴を持ち、アニメーション動画3つの重要ポイントをもたらすアニメーション動画の代表的な制作事例4選をご紹介します。

1.アバターを活用したアニメーション動画Vol.1

教育業界向けの展示会においてブース内大型モニターで放映するブランディング動画の制作事例。教員役のナビゲーターがクラウド型オフィス互換ソフト「WPS Cloud」が導入された学校現場を案内する企画・構成により90秒の短尺で「WPS Cloud」の魅力を伝えるシナリオ。児童・生徒の創造力を伸ばし、みんなで協働する力を育めることを、分かりやすくキャッチーなアバターアニメーションで表現しています。

制作事例
キングソフト株式会社|WPS Cloud

2.アバターを活用したアニメーション動画Vol.2

静電気放電機能を持ったユニフォーム「ESDガーディアン」の特徴を紹介するアニメーション動画の制作事例。導入からなぜこのユニフォームが必要なのかを説明し、続いて高い性能や環境にもやさしい繊維の特徴などをご紹介。最後まで飽きずにご覧いただけるよう、コミカルなアバターが説明するシナリオで構成しました。ご担当者と打ち合わせを重ねてイメージに合うアバターを設定し、商品名の検索へと誘導するアニメーション動画になっています。

制作事例
辰野株式会社|ESDガーディアン

3.キャラクターを活用したアニメーション動画Vol.1

マネジメントスキーム「FOTUNE」のサービス紹介を目的に制作した、アニメーション動画の制作実績。FOTUNEは理解難度の高いマネジメントスキームであるため、動画のメディア特性を活かしてアニメーションでの企画を提案。閲覧者に問題意識と気付きを与え共感が育まれるよう、事業環境・組織環境の変化についての導入解説から、多くのマネジャーが抱く悩みの解決、マネジャーの役割をポイント解説するなど、マネジメントの流れを基にストーリーを構成しました。
要点が簡潔に伝わるよう、同社のマネジメントスキーム「FOTUNE」=悩めるマネージャを救うヒーロー「Mr.FOTUNE」としてキャラクター化。ストーリーテラーとして運用することで、メリハリのあるアニメーション動画に仕上げています。

制作事例
株式会社ソシオテック研究所|FOTUNE

4.キャラクターを活用したアニメーション動画Vol.2

まずは、サービス名を覚えてもらうこと。そしてガイドラインを理解してもらうこと。この2点をミッションに策定し制作したアニメーション動画の制作実績。「建て得」の親善大使キャラクター「たてと君」が、新築を建てる「建本ファミリー」のところへやって来て、サービスをわかりやすい説明で伝えていくストーリーを開発。家を建てること、さらに新サービスに対し感じる素朴な疑問やお金への不安を等身大のセリフで発信し、たてと君がチャートを用いながら説明することで、共感しながら理解を深めていけるアニメーション動画に仕上げています。

制作事例
株式会社LIXIL TEPCOスマートパートナーズ|建て得