事業戦略を実現する、仕組みを構築する。

ビジネスシステムを裏付ける、オペレーションシステムの構築を学びます。

Introduction

オペレーションシステムの構築

ビジネスシステムをさらに掘り下げ、現場のオペレーションに落とし込んだものがオペレーションシステムです。広義には、オペレーションシステムはビジネスシステムの一部に含まれますが、ここではオペレーションシステムにフォーカスして、事業戦略やビジネスシステムを裏付ける現場の仕組みとなるビジネスシステムの構築について解説していきます。

オペレーションシステムの概念と用語

オペレーションシステムの構築にあたり、理解しておくべき概念と用語があります。以下に紹介する概念と用語は、特に生産現場や店舗オペレーションシステムの設計には不可欠となるため正しく理解することが大切です。事業リーダーやマネジメント職を担う責任者は、オペレーションがうまく機能していないと感じた際には、以下を調べ改善を図る必要があります。

●タクトタイム(Tact Time)

タクトタイムとは、1つの製品あるいは部品の製造時間を指しており、ピッチタイムとも呼ばれます。タクトタイムは、顧客の需要により逆算して算出していきます。

●サイクルタイム(Cycle Time)

サイクルタイムとは、1つの作業が完了してから次の作業が完了するまで、1サイクルにかかる作業サイクル時間を指しています。実際の工程にかかる正味な時間のため、工程時のロスタイムは含まれません。

●生産や在庫に影響する「タクトタイム(TT)」と「サイクルタイム(CT)」の関係

タクトタイムとサイクルタイムの関係は、製品の生産や在庫に影響します。両者の値が等しい場合、必要数を生産できていおり、在庫にもなっていない最良な状態と言えますが、このバランスが崩れると、「生産が間に合っていない」または「在庫が溢れている」という状態が生じる可能性があるため注意が必要です。

●ボトルネック(Bottleneck)

ボトルネックとは、最終的な生産量を制限する要素を指しており、最もサイクルタイムの長いプロセスを指しています。製造業では、いくつもの工程を経てひとつの製品が完成しますが、ひとつでもスムーズにいかない工程(ボトルネック)があると全体の生産数に影響を与えるため、ボトルネックをいかに解消するかが重要なポイントになると言えます。

●キャパシティ(Capacity)

キャパシティとは、収容能力または容量を指しており、製造業では一定時間における生産能力、映画館やホールでは収容人数の上限、ビジネスマンにおいては一定時間に処理することのできる仕事量などを指しています。通常、製造業におけるキャパシティは、生産プロセスのボトルネックにより決定されます。

●アイドルタイム(Idle Time)

アイドルタイムとは、無作業時間や遊休時間など、有益な仕事が行われていない時間を指しています。どんなに緻密なオペレーションを構築しても、大なり小なり必ずアイドルタイムは発生してきますが、このアイドルタイムをいかにして少なくするかが効率改善のカギとなります。

オペレーションの重要性

事業戦略には、オペレーションによる実行が不可欠であり、顧客視点で製品・サービスを見た場合、このオペレーションが顧客満足を左右します。例えば、ひとつの製品を市場に流通するまでには、企画・開発、調達、製造、マーケティング、営業・販売、流通、小売・サービス、アフターサービスなど、様々な機能の連携が不可欠であり、そのオペレーションをいかに効率的かつ最適化できるかが、市場での競争力に多大な影響を及ぼします。なおオペレーションシステムの設計には、あらゆる業種を俯瞰して参考とするベンチマークの活用が有効です。

ベンチマークの活用

ビジネスシステムやオペレーションシステムを構築していく上で、ぜひ取り入れて頂きたい手法が「ベンチマーク(ベンチマーキング)」です。本来ベンチマークとは、「指標」や「基準」という意味を持ちますが、経営やマーケディングなどの分野では、他社の優れた戦略や活動を対象として選定し、自社と比較することで課題を抽出していきます。また、他社の優れた点を自社に取り入れることで、課題の解決からシステムの改善を図ります。ベンチマークを活用するメリットは次の通りです。

●優良な手法や施策を学べる

他社の優れた戦略や活動を分析することで、優良なビジネスシステムやオペレーションを比較的短時間で習得できるメリットがあります。優良な同業他社だけでなく、業種の垣根を飛び越えて様々な企業に目を向けることで、思いつきもしなかった優れた手法を発見できることも珍しくありません。

●自社の課題を明確化できる

ベンチマークした優良企業と自社を比較・検討することで、自社の課題を明確化することができます。自社だけでは気がつかなかった点や、業界ではあたりまえと思われていた点も、多角的にベンチマークを行うことで課題化し、改善へのきっかけを掴むことができます。

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