健康な従業員は、健全な企業の証。

従業員の健康と暮らしを守る4つの労働法規を学びます。

Introduction

従業員の暮らしを守る4つの労働法規

労働関係ならびに労働者の地位の保護や向上を目的に規定する法の総称を「労働法」と言いますが、労働法はその範囲により細分化されています。 なかでも、全ての企業に義務化された労働法規には、労働者及びその被扶養者の業務災害以外の疾病・負傷もしくは死亡または出産に関する医療保険給付等について定めた「健康保険法」、年金制度における基礎部分を担う「国民年金法」、日本の労働者が加入する年金保険について定めた「厚生年金法」、失業労働者の生活の安定をはかるために制定された「雇用保険法」などがあります。ここでは、上記する4つの労働法について、その概要を学んでいきます。

健康保険法

健康保険法とは、労働者及びその被扶養者の業務災害以外の疾病・負傷もしくは死亡または出産に関する医療保険給付等について定めた日本の法律で、1922年に制定された公的医療保険制度の中核となる法律です。

●健康保険法に定められる主な規定

健康保険法は十一章に第二百二十二条まで制定されており、第一章:総則、第二章:保険者(第一節:通則、第二節:全国健康保険協会、第三節:健康保険組合)、第三章:被保険者(第一節:資格、第二節:標準報酬月額及び標準賞与額、第三節:届出等)、第四章:保険給付(第一節:通則、第二節:療養の給付及び入院時食事療養費等の支給(第一款:療養の給付並びに入院時食事る療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費及び療養費の支給、第二款:訪問看護療養費の支給、第三款:移送費の支給、第四款:補則)、第三節:傷病手当金、埋葬料、出産育児一時金及び出産手当金の支給、第四節:家族療養費、家族訪問看護療養費、家族移送費、家族埋葬料及び家族出産育児一時金の支給、第五節:高額療養費及び高額介護合算療養費の支給、第六節:保険給付の制限)、第五章:日雇特例被保険者に関する特例(第一節:日雇特例被保険者 の保険の保険者、第二節:標準賃金日額等、第三節:日雇特例被保険者に係る保険給付)、第六章:保健事業及び福祉事業、第七章:費用の負担、第八章:健康保険組合連合会、第九章:不服申立て、第十章:雑則、第十一章:罰則、そして附則に分かれています。

第一章:総則
第一章:総則には、健康保険法の第一条から第三条が制定されており、目的、基本的理念、定義などが記載されています。

第二章:保険者
第二章:保険者には、健康保険法の第四条から第三十条が制定されており、第一節:通則(保険者、全国健康保険協会管掌健康保険、組合管掌健康保険、二以上の事業所に使用される者の保険者)、第二節:全国健康保険協会(設立及び業務、法人格、事務所、資本金、定款、登記、名称、役員、役員の職務、役員の任命、役員の任期、役員の欠格条項、役員の解任、役員の兼職禁止、代表権の制限、代理人の選任、運営委員会、運営委員会の職務、委員の地位、評議会、運営規則、職員の任命、役員及び職員の公務員たる性質、事業年度、企業会計原則、事業計画等の認可、財務諸表等、会計監査人の監査、各事業年度に係る業績評価、借入金、債務保証、資金の運用、重要な財産の処分、役員の報酬等、職員の給与等、秘密保持義務、報告の徴収等、監督、解散、厚生労働省令への委任、財務大臣との協議)、第三節:健康保険組合(組織、法人格、名称、設立、成立の時期、規約、組合員、組合会、組合会の議決事項、組合会の権限、役員、役員の職務、協会の役員及び職員の秘密保持義務に関する規定の準用、合併、分割、設立事業所の増減、解散、指定健康保険組合による健全化計画の作成、報告の徴収等、政令への委任)などが記載されています。

第三章:被保険者
第三章:被保険者には、健康保険法の第三十一条から第五十一条の二が制定されており、第一節:資格(適用事業所、資格取得の時期、資格喪失の時期、任意継続被保険者、任意継続被保険者の資格喪失、資格の得喪の確認)、第二節:標準報酬月額及び標準賞与額(標準報酬月額、定時決定、被保険者の資格を取得した際の決定、改定、育児休業等を終了した際の改定、産前産後休業を終了した際の改定、報酬月額の算定の特例、標準賞与額の決定、現物給与の価額、任意継続被保険者の標準報酬月額)、第三節:届出等(届出、通知、確認の請求、情報の提供等)などが記載されています。

第四章:保険給付
第四章:保険給付には、健康保険法の第五十二条から第百二十二条が制定されており、第一節:通則(保険給付の種類、健康保険組合の付加給付、法人の役員である被保険者又はその被扶養者に係る保険給付の特例、日雇特例被保険者に係る保険給付との調整、他の法令による保険給付との調整、保険給付の方法、損害賠償請求権、不正利得の徴収等、文書の提出等、診療録の提示等、受給権の保護、租税その他の公課の禁止)、第二節:療養の給付及び入院時食事療養費等の支給(第一款:療養の給付並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費及び療養費の支給(療養の給付、保険医又は保険薬剤師、保険医療機関又は保険薬局の指定、保険医療機関の指定の変更、地方社会保険医療協議会への諮問、保険医療機関又は保険薬局の指定の更新、保険医療機関又は保険薬局のみなし指定、保険医療機関又は保険薬局の責務、保険医又は保険薬剤師の登録、保険医又は保険薬剤師の責務、厚生労働大臣の指導、一部負担金、一部負担金の額の特例、療養の給付に関する費用、療養の給付に要する費用の額の定めに関する厚生労働大臣の調査、保険医療機関又は保険薬局の報告等、保険医療機関等の指定の辞退又は保険医等の登録の抹消、保険医療機関又は保険薬局の指定の取消し、保険医又は保険薬剤師の登録の取消し、社会保険医療協議会への諮問、処分に対する弁明の機会の付与、保険者が指定する病院等における療養の給付、入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費)、第二款:訪問看護療養費の支給(訪問看護療養費、指定訪問看護事業者の指定、指定訪問看護事業者の責務、厚生労働大臣の指導、指定訪問看護の事業の運営に関する基準、変更の届出等、指定訪問看護事業者等の報告等、指定訪問看護事業者の指定の取消し、公示)、第三款:移送費の支給、第四款:補則(被保険者が日雇労働者又はその被扶養者となった場合))、第三節:傷病手当金、埋葬料、出産育児一時金及び出産手当金の支給(傷病手当金、埋葬料、出産育児一時金、出産手当金、出産手当金と傷病手当金との調整、傷病手当金又は出産手当金の継続給付、資格喪失後の死亡に関する給付、資格喪失後の出産育児一時金の給付、船員保険の被保険者となった場合、傷病手当金又は出産手当金と報酬等との調整、第四節:家族療養費、家族訪問看護療養費、家族移送費、家族埋葬料及び家族出産育児一時金の支給(家族療養費、家族療養費の額の特例、家族訪問看護療養費、家族移送費、家族埋葬料、家族出産育児一時金)、第五節:高額療養費及び高額介護合算療養費の支給(高額療養費、高額介護合算療養費)、第六節:保険給付の制限)などが記載されています。

第五章:日雇特例被保険者に関する特例
第五章:日雇特例被保険者に関する特例には、健康保険法の第百二十三条から第百四十九条が制定されており、第一節:日雇特例被保険者の保険の保険者、第二節:標準賃金日額等(標準賃金日額、賃金日額、日雇特例被保険者手帳)、第三節:日雇特例被保険者に係る保険給付(保険給付の種類、他の医療保険による給付等との調整、療養の給付、入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、傷病手当金、埋葬料、出産育児一時金、出産手当金、出産手当金と傷病手当金との調整、家族療養費、家族訪問看護療養費、家族移送費、家族埋葬料、家族出産育児一時金、特別療養費、高額療養費、高額介護合算療養費、受給方法、準用)などが記載されています。

第六章:保健事業及び福祉事業
第六章:保健事業及び福祉事業には、健康保険法の第百五十条から第百五十条の十が制定されており、保健事業及び福祉事業、国民保健の向上のための匿名診療等関連情報の利用又は提供、照合等の禁止、消去、安全管理措置、利用者の義務、立入検査等、是正命令、基金等への委託、手数料などが記載されています。

第七章:費用の負担
第七章:費用の負担には、健康保険法の第百五十一条から第百八十三条が制定されており、国庫負担、国庫補助、保険料、保険料等の交付、被保険者の保険料額、任意継続被保険者の保険料、保険料の徴収の特例、保険料率、準備金、保険料の負担及び納付義務、健康保険組合の保険料の負担割合の特例、保険料の納付、任意継続被保険者の保険料の前納、口座振替による納付、保険料の源泉控除、日雇特例被保険者の保険料額、日雇特例被保険者に係る保険料の負担及び納付義務、日雇特例被保険者の標準賃金日額に係る保険料額の告知等、健康保険印紙の受払等の報告、保険料の繰上徴収、日雇拠出金の徴収及び納付義務、日雇拠出金の額、概算日雇拠出金、確定日雇拠出金、日雇拠出金の額の算定の特例、政令への委任、国民健康保険の保険者への適用、保険料等の督促及び滞納処分、延滞金、協会による広報及び保険料の納付の勧奨等、協会による保険料の徴収、先取特権の順位、徴収に関する通則などが記載されています。

第八章:健康保険組合連合会
第八章:健康保険組合連合会には、健康保険法の第百八十四条から第百八十八条が制定されており、設立、人格及び名称、設立の認可等、規約の記載事項、役員、準用などが記載されています。

第九章:不服申立て
第九章:不服申立てには、健康保険法の第百八十九条から第百九十二条が制定されており、審査請求及び再審査請求、行政不服審査法の適用関係、審査請求と訴訟との関係などが記載されています。

第十章:雑則
第十章:雑則には、健康保険法の第百九十三条から第二百七が制定されており、時効、期間の計算、印紙税の非課税、戸籍事項の無料証明、報告等、立入検査等、資料の提供、厚生労働大臣と協会の連携、共済組合に関する特例、市町村が処理する事務等、機構への厚生労働大臣の権限に係る事務の委任、財務大臣への権限の委任、機構が行う滞納処分等に係る認可等、滞納処分等実施規程の認可等、機構が行う立入検査等に係る認可等、機構が行う収納、協会への厚生労働大臣の権限に係る事務の委任、協会が行う立入検査等に係る認可等、地方厚生局長等への権限の委任、機構への事務の委託、情報の提供等、基金等への事務の委託、経過措置、実施規定などが記載されています。

第十一章:罰則
第十一章:罰則には、健康保険法の第二百七条の二から第二百二十二条が制定されており、健康保険法の規約に違反した際の懲役刑及び罰金刑を厳しく定めています。

附則抄
附則抄には、時代の変化に伴う法改正により条項が適時に追加されています。

国民年金法

国民年金法とは、1959年に制定された国民年金制度に関する日本の法律で、日本の年金制度における基礎部分を担います。老齢福祉年金の支給は1959年11月1日から行われ、拠出制年金の保険料徴収は1961年4月1日から開始されました。20歳以上のすべての国民は本制度への加入義務がありましたが、他の公的年金加入者は国民年金への加入を免除されます。国民年金法が制定されたことにより、日本は国民皆年金制度へと移行しました。1986年4月の改正法施行により、既存年金制度の1階部分に位置づけられるようになり、現在の日本の社会保険制度の基本になっています。

●国民年金法に定められる主な規定

国民年金法は十章に第百四十八条まで制定されており、第一章:総則、第二章:被保険者、第三章:給付(第一節:通則、第二節:老齢基礎年金、第三節:障害基礎年金、第四節:遺族基礎年金、第五節:付加年金・寡婦年金及び死亡一時金(第一款:付加年金、第二款:寡婦年金、第三款:死亡一時金)、第六節:給付の制限)、第四章:国民年金事業の円滑な実施を図るための措置、第五章:積立金の運用、第六章:費用、第七章:不服申立て、第八章:雑則、第九章:罰則、第十章:国民年金基金及び国民年金基金連合会(第一節:国民年金基金(第一款:通則、第二款:設立、第三款:管理、第四款:加入員、第五款:基金の行う業務、第六款:費用の負担、第七款:解散及び清算、第八款:合併及び分割)、第二節:国民年金基金連合会(第一款:通則、第二款:設立、第三款:管理及び会員、第四款:連合会の行う業務、第五款:解散及び清算)、第三節:雑則、第四節:罰則)、そして附則に分かれています。

第一章:総則
第一章:総則には、国民年金法の第一条から第六条が制定されており、国民年金制度の目的、国民年金の給付、管掌、年金額の改定、財政の均衡、財政の現況及び見通しの作成、用語の定義、事務の区分などが記載されています。

第二章:被保険者
第二章:被保険者には、国民年金法の第七条から第十四条の五が制定されており、被保険者の資格、資格取得の時期、資格喪失の時期、被保険者期間の計算、届出、国民年金手帳、国民年金原簿、訂正の請求、訂正に関する方針、訂正請求に対する措置、被保険者に対する情報の提供などが記載されています。

第三章:給付
第三章:給付には、国民年金法の第十五条から第七十三条が制定されており、第一節:通則(給付の種類、裁定、調整期間、端数処理、年金の支給期間及び支払期月、二月期支払の年金の加算、死亡の推定、失踪宣告の場合の取扱い、未支給年金、併給の調整、受給権者の申出による支給停止、年金の支払の調整、損害賠償請求権、不正利得の徴収、受給権の保護、公課の禁止)、第二節:老齢基礎年金(支給要件、年金額、改定率の改定等、調整期間における改定率の改定の特例、支給の繰下げ、失権)、第三節:障害基礎年金(支給要件、併給の調整、年金額、障害の程度が変わつた場合の年金額の改定、失権、支給停止)、第四節:遺族基礎年金(支給要件、遺族の範囲、年金額、失権、支給停止)、第五節:付加年金、寡婦年金及び死亡一時金(第一款:付加年金(支給要件、年金額、国民年金基金又は国民年金基金連合会の解散の場合の取扱い、支給の繰下げ、支給停止、失権)、第二款:寡婦年金(支給要件、年金額、失権、支給停止)、第三款:死亡一時金(支給要件、遺族の範囲及び順位等、金額、支給の調整)、第六節:給付の制限)などが記載されています。

第四章:国民年金事業の円滑な実施を図るための措置
第四章:国民年金事業の円滑な実施を図るための措置には、国民年金法の第七十四条が制定されており、国民年金事業の円滑な実施を図るため、政府は国民年金に関し、次のことができるとされています。教育及び広報を行うこと、被保険者・受給権者その他の関係者に対し相談その他の援助を行うこと、利便の向上に資する情報を提供すること、電子情報処理組織の運用を行う、運用の全部又は一部を日本年金機構に行わせることができる、小口の資金の貸付けを、独立行政法人福祉医療機構に行わせるとしています。

第五章:積立金の運用
第五章:積立金の運用には、国民年金法の第七十五条から第八十四条が制定されており、運用の目的、積立金の運用、運用職員の責務、秘密保持義務、懲戒処分、年金積立金管理運用独立行政法人法との関係などが記載されています。

第六章:費用
第六章:費用には、国民年金法の第八十五条から第百条が制定されており、国庫負担、事務費の交付、保険料、保険料の納付義務、保険料の納期限、保険料の通知及び納付、口座振替による納付、指定代理納付者による納付、保険料の納付委託、保険料の前納、保険料の追納、基礎年金拠出金、報告、第二号被保険者及び第三号被保険者に係る特例、徴収、国民年金基金又は国民年金基金連合会の解散に伴う責任準備金相当額の徴収、督促及び滞納処分、延滞金、先取特権などが記載されています。

第七章:不服申立て
第七章:不服申立てには、国民年金法の第百一条から第百一条の二が制定されており、不服申立て、審査請求と訴訟との関係などが記載されています。

第八章:雑則
第八章:雑則には、国民年金法の第百二条から第百十条が制定されており、時効、期間の計算、戸籍事項の無料証明、届出等、被保険者に関する調査、受給権者に関する調査、資料の提供等、統計調査、基礎年金番号の利用制限等、国民年金事務組合、全額免除申請の事務手続に関する特例、学生納付特例の事務手続に関する特例、保険料納付確認団体、機構への厚生労働大臣の権限に係る事務の委任、財務大臣への権限の委任、機構が行う滞納処分等に係る認可等、滞納処分等実施規程の認可等、機構が行う立入検査等に係る認可等、地方厚生局長等への権限の委任、機構への事務の委託、機構が行う収納、情報の提供、厚生労働大臣と機構の密接な連携、研修、経過措置、実施命令などが記載されています。

第九章:罰則
第九章:罰則には、国民年金法の第百十一条から第百十四条が制定されており、国民年金法の規約に違反した際の懲役刑及び罰金刑を厳しく定めています。

第十章:国民年金基金及び国民年金基金連合会
第十章:国民年金基金及び国民年金基金連合会には、国民年金法の第百十五条から第百四十八が制定されており、第一節:国民年金基金(第一款:通則(基金の給付、種類、組織、法人格、名称、地区)、第二款:設立(設立委員等、創立総会、設立の認可、成立の時期、理事長への事務引継)、第三款:管理(規約、公告、代議員会、役員、役員の職務、理事の義務及び損害賠償責任、理事の禁止行為等、理事長の代表権の制限、基金の役員及び職員の公務員たる性質)、第四款:加入員(加入員、準用規定)、第五款:基金の行う業務(基金の業務、年金数理、基金の給付の基準、積立金の積立て、資金の運用等、準用規定)、第六款:費用の負担(掛金、準用規定)、第七款:解散及び清算(解散、基金の解散による年金等の支給に関する義務の消滅、清算中の基金の能力、清算人等、清算人の職務及び権限、債権の申出の催告等、期間経過後の債権の申出、準用規定等)、第八款:合併及び分割(第一目:合併、第二目:分割、第三目:雑則))、第二節:国民年金基金連合会(第一款:通則(連合会、法人格、名称)、第二款:設立(発起人、創立総会、設立の認可等)、第三款:管理及び会員(規約、準用規定、評議員会、役員、役員の職務等、理事の義務及び損害賠償責任、理事の禁止行為等、理事長の代表権の制限、会員)、第四款:連合会の行う業務(連合会の業務、年金数理、中途脱退者に係る措置、解散基金加入員に係る措置、年金の支給停止、準用規定)、第五款:解散及び清算(解散、連合会の解散による年金及び一時金の支給に関する義務の消滅、清算))、第三節:雑則(準用規定、届出、年金数理関係書類の年金数理人による確認等、報告書の提出、報告の徴収等、基金等に対する監督、権限の委任)、第四節:罰則などが記載されています。

附則抄
附則抄には、時代の変化に伴う法改正により条項が適時に追加されています。

厚生年金法

厚生年金法とは、日本の労働者が加入する年金保険について定めた日本の法律で、厚生年金保険法を全部改定する形で1954年に制定されました。社会保険法のひとつであり、国民年金法と並んで日本の公的年金法の中心を占める法律で、基礎年金に上乗せして、在職時の報酬と加入期間に応じて老齢、障害、遺族の厚生年金を支給します。保険料は、標準報酬月額および標準賞与額に保険料率を乗じて得た額とし、半額は事業主負担となります。

●厚生年金法に定められる主な規定

厚生年金法は八章に第百五条まで制定されており、第一章:総則、第二章:被保険者(第一節:資格、第二節:被保険者期間、第三節:標準報酬月額及び標準賞与額、第四節:届出、記録等、第三章:保険給付(第一節:通則、第二節:老齢厚生年金、第三節:障害厚生年金及び障害手当金、第四節:遺族厚生年金、第五節:保険給付の制限)、第三章の二:離婚等をした場合における特例、第三章の三:被扶養配偶者である期間についての特例、第三章の四:二以上の種別の被保険者であった期間を有する者の特例、第四章:厚生年金保険事業の円滑な実施を図るための措置、第四章の二:積立金の運用、第五章:費用の負担、第六章:不服申立て、第七章:雑則、第八章:罰則、そして附則に分かれています。

第一章:総則
第一章:総則には、厚生年金法の第一条から第五条が制定されており、この法律の目的、管掌、年金額の改定、財政の均衡、財政の現況及び見通しの作成、実施機関、用語の定義などが記載されています。

第二章:被保険者
第二章:被保険者には、厚生年金法の第六条から第三十一条の三が制定されており、第一節:資格(適用事業所、被保険者、適用除外、資格取得の時期、資格喪失の時期、被保険者の種別の変更に係る資格の得喪、資格の得喪の確認、異なる被保険者の種別に係る資格の得喪)、第二節:被保険者期間、第三節:標準報酬月額及び標準賞与額(標準報酬月額、定時決定、被保険者の資格を取得した際の決定、改定、育児休業等を終了した際の改定、産前産後休業を終了した際の改定、報酬月額の算定の特例、船員たる被保険者の標準報酬月額、政令への委任、標準賞与額の決定、現物給与の価額、三歳に満たない子を養育する被保険者等の標準報酬月額の特例)、第四節:届出、記録等(届出、記録、訂正の請求、訂正に関する方針、訂正請求に対する措置、通知、確認の請求、被保険者に対する情報の提供、適用除外)などが記載されています。

第三章:保険給付
第三章:保険給付には、厚生年金法の第三十二条から第七十八条が制定されており、第一節:通則(保険給付の種類、裁定、調整期間、端数処理、年金の支給期間及び支払期月、二月期支払の年金の加算、未支給の保険給付、併給の調整、受給権者の申出による支給停止、年金の支払の調整、損害賠償請求権、不正利得の徴収、受給権の保護及び公課の禁止)、第二節:老齢厚生年金(受給権者、年金額、再評価率の改定等、調整期間における再評価率の改定等の特例、加給年金額、支給の繰下げ、失権、支給停止)、第三節:障害厚生年金及び障害手当金(障害厚生年金の受給権者、障害厚生年金の併給の調整、障害厚生年金の額、失権、支給停止、障害手当金の受給権者、障害手当金の額)、第四節:遺族厚生年金(受給権者、遺族、死亡の推定、年金額、失権、支給停止)、第五節:保険給付の制限などが記載されています。

第三章の二:離婚等をした場合における特例
第三章の二:離婚等をした場合における特例には、厚生年金法の第七十八条の二から第七十八条の十二が制定されており、離婚等をした場合における標準報酬の改定の特例、請求すべき按分割合、当事者等への情報の提供等、標準報酬の改定又は決定、記録、通知、省令への委任、老齢厚生年金等の額の改定、標準報酬が改定され、又は決定された者に対する保険給付の特例、政令への委任などが記載されています。

第三章の三:被扶養配偶者である期間についての特例
第三章の三:被扶養配偶者である期間についての特例には、厚生年金法の第七十八条の十三から第七十八条の二十一が制定されており、被扶養配偶者に対する年金たる保険給付の基本的認識、特定被保険者及び被扶養配偶者についての標準報酬の特例、記録、通知、省令への委任、老齢厚生年金等の額の改定の特例、標準報酬が改定され、及び決定された者に対する保険給付の特例、標準報酬改定請求を行う場合の特例、政令への委任などが記載されています。

第三章の四:二以上の種別の被保険者であった期間を有する者の特例
第三章の四:二以上の種別の被保険者であった期間を有する者の特例には、厚生年金法の第七十八条の二十二から第七十八条の三十七が制定されており、年金たる保険給付の併給の調整の特例、年金たる保険給付の申出による支給停止の特例、年金の支払の調整の特例、損害賠償請求権の特例、老齢厚生年金の受給権者及び年金額の特例、老齢厚生年金に係る加給年金額の特例、老齢厚生年金の支給の繰下げの特例、老齢厚生年金の支給停止の特例、障害厚生年金の額の特例、障害手当金の額の特例、遺族厚生年金の額の特例、障害厚生年金等に関する事務の特例、遺族厚生年金の支給停止に係る申請の特例、離婚等をした場合の特例、被扶養配偶者である期間についての特例、政令への委任などが記載されています。

第四章:厚生年金保険事業の円滑な実施を図るための措置
第四章:厚生年金保険事業の円滑な実施を図るための措置には、厚生年金法の第七十九業が制定されており、厚生年金保険事業の円滑な実施を図るため、政府等は厚生年金保険に関し、次に掲げる事業を行うことができるとしています。教育及び広報、被保険者・受給権者その他の関係者に対し相談その他の援助を行う、利便の向上に資する情報を提供する、電子情報処理組織の運用を行う、運用の全部又は一部を日本年金機構に行わせる、小口の資金の貸付けを独立行政法人福祉医療機構に行わせる。

第四章の二:積立金の運用
第四章の二:積立金の運用には、厚生年金法の第七十九条の二から第七十九条の十四が制定されており、運用の目的、積立金の運用、積立金基本指針、積立金の資産の構成の目標、管理運用の方針、管理運用主体に対する措置命令、管理積立金の管理及び運用の状況に関する公表及び評価、積立金の管理及び運用の状況に関する公表及び評価、運用職員の責務、秘密保持義務、懲戒処分、年金積立金管理運用独立行政法人法等との関係、政令への委任などが記載されています。

第五章:費用の負担
第五章:費用の負担には、厚生年金法の第八十条から第八十九条の二が制定されており、国庫負担等、保険料、育児休業期間中の保険料の徴収の特例、産前産後休業期間中の保険料の徴収の特例、保険料の負担及び納付義務、保険料の納付、口座振替による納付、保険料の源泉控除、保険料の徴収等の特例、交付金、拠出金及び政府の負担、拠出金の額、報告等、政令への委任、保険料の繰上徴収、保険料等の督促及び滞納処分、延滞金、保険料の滞納処分等の特例、先取特権の順位、徴収に関する通則、適用除外などが記載されています。

第六章:不服申立て
第六章:不服申立てには、厚生年金法の第九十条の十三から第九十一条の三が制定されており、審査請求及び再審査請求、行政不服審査法の適用関係、審査請求と訴訟との関係などが記載されています。

第七章:雑則
第七章:雑則には、厚生年金法の第九十二条から第百一条が制定されており、時効、期間の計算、戸籍事項の無料証明、受給権者に関する調査、診断、届出等、事業主の事務、立入検査等、資料の提供、報告、実施機関相互間の連絡調整、主務大臣等、国家公務員法及び地方公務員法との関係、機構への厚生労働大臣の権限に係る事務の委任、財務大臣への権限の委任、機構が行う滞納処分等に係る認可等、滞納処分等実施規程の認可等、機構が行う立入検査等に係る認可等、地方厚生局長等への権限の委任、機構への事務の委託、機構が行う収納、情報の提供、厚生労働大臣と機構の密接な連携、研修、経過措置、実施規定などが記載されています。

第八章:罰則
第八章:罰則には、厚生年金法の第百二条から第百五条が制定されており、厚生年金法の規約に違反した際の懲役刑及び罰金刑を厳しく定めています。

附則抄
附則抄には、時代の変化に伴う法改正により条項が適時に追加されています。

雇用保険法

雇用保険法とは、失業労働者の生活の安定をはかるために制定された日本の法律で、社会環境や雇用構造の変化に対応するため、それまでに制定されていた失業保険法を吸収して1974年に制定されました。労働者が失業または雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図ることを目的としています。

●雇用保険法に定められる主な規定

雇用保険法は八章に第八十六条まで制定されており、第一章:総則、第二章:適用事業等、第三章:失業等給付(第一節:通則、第二節:一般被保険者の求職者給付(第一款:基本手当、第二款:技能習得手当及び寄宿手当、第二款:傷病手当)、第二節の二:高年齢被保険者の求職者給付、第三節:短期雇用特例被保険者の求職者給付)、第四節:日雇労働被保険者の求職者給付、第五節:就職促進給付、第五節の二:教育訓練給付、第六節:雇用継続給付(第一款:高年齢雇用継続給付、第二款:介護休業給付)、第三章の二:育児休業給付、第四章:雇用安定事業等、第五章:費用の負担、第六章:不服申立て及び訴訟、第七章:雑則、第八章:罰則、そして附則に分かれています。

第一章:総則
第一章:総則には、雇用保険法の第一条から第四条が制定されており、目的、管掌、雇用保険事業、定義などが記載されています。

第二章:適用事業等
第二章:適用事業等には、雇用保険法の第五条から第九条が制定されており、適用事業、適用除外、被保険者に関する届出、確認の請求、確認などが記載されています。

第三章:失業等給付
第三章:失業等給付には、雇用保険法の第十条から第六十一条の五が制定されており、第一節:通則(失業等給付、就職への努力、未支給の失業等給付、返還命令等、受給権の保護、公課の禁止)、第二節:一般被保険者の求職者給付(第一款:基本手当(基本手当の受給資格、被保険者期間、失業の認定、基本手当の日額、賃金日額、基本手当の日額の算定に用いる賃金日額の範囲等の自動的変更、基本手当の減額、支給の期間及び日数、待期、所定給付日数、訓練延長給付、個別延長給付、広域延長給付、全国延長給付、延長給付に関する調整、給付日数を延長した場合の給付制限、支給方法及び支給期日、未支給の基本手当の請求手続、給付制限)、第二款:技能習得手当及び寄宿手当、第三款:傷病手当)、第二節の二:高年齢被保険者の求職者給付(高年齢被保険者、高年齢受給資格、高年齢求職者給付金)、第三節:短期雇用特例被保険者の求職者給付(短期雇用特例被保険者、特例受給資格、特例一時金、公共職業訓練等を受ける場合)、第四節:日雇労働被保険者の求職者給付(日雇労働者、日雇労働被保険者、日雇労働被保険者手帳、日雇労働求職者給付金の受給資格、日雇労働被保険者に係る失業の認定、日雇労働求職者給付金の日額日雇労働求職者給付金の日額等の自動的変更、日雇労働求職者給付金の支給日数等、日雇労働求職者給付金の支給方法等、給付制限、日雇労働求職者給付金の特例、日雇労働被保険者であった者に係る被保険者期間等の特例)、第五節:就職促進給付(就業促進手当、就業促進手当の支給を受けた場合の特例、移転費、求職活動支援費、給付制限)第五節の二:教育訓練給付(教育訓練給付金、給付制限)、第六節:雇用継続給付(第一款:高年齢雇用継続給付(高年齢雇用継続基本給付金、高年齢再就職給付金、給付制限)、第二款:介護休業給付(介護休業給付金、給付制限))などが記載されています。

第三章の二:育児休業給付
第三章の二:育児休業給付には、雇用保険法の第六十一条の六から第六十一条の八が制定されており、育児休業給付、育児休業給付金、給付制限などが記載されています。

第四章:雇用安定事業等
第四章:雇用安定事業等には、雇用保険法の第六十二条から第六十五条が制定されており、雇用安定事業、能力開発事業、事業における留意事項、事業等の利用などが記載されています。

第五章:費用の負担
第五章:費用の負担には、雇用保険法の第六十六条から第六十八条が制定されており、国庫の負担、保険料などが記載されています。

第六章:不服申立て及び訴訟
第六章:不服申立て及び訴訟には、雇用保険法の第六十九条から第七十一条が制定されており、不服申立て、不服理由の制限、審査請求と訴訟との関係などが記載されています。

第七章:雑則
第七章:雑則には、雇用保険法の第七十二条から第八十二条が制定されており、労働政策審議会への諮問、不利益取扱いの禁止、時効、戸籍事項の無料証明、報告等、資料の提供等、診断、立入検査、船員に関する特例、経過措置の命令への委任、権限の委任、厚生労働省令への委任などが記載されています。

第八章:罰則
第八章:罰則には、雇用保険法の第八十三条から第八十六条が制定されており、雇用保険法の規約に違反した際の懲役刑及び罰金刑を厳しく定めています。

附則抄
附則抄には、時代の変化に伴う法改正により条項が適時に追加されています。

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