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コンフリクトの影響とその効果

conflict

コンフリクトの影響とその効果

一見マイナス要因にも、
プラス要因が散見する。

組織における葛藤や対立「コンフリクト」を学びます。
組織における対立・軋轢 コンフリクト

コンフリクトとは、相反する意見から、個人や集団の間に生じる葛藤や対立、そして紛争など、互いに譲らない緊張状態が生じることを指しています。コンフリクトは、組織において、個人間・部署・部門間、上司部下など様々なレベルで発生し、いかなる組織においてもコンフリクトは避けられないと言えます。
しかしコンフリクトは、必ずしもマイナスであるとは言えません。互いに議論し、考え、意見交換することで相手への理解が深まるほか、競争することで意欲が高まり、その過程において当初のアイデアが発展する、または新たな課題を発見する、さらには新たな視点から新しいアイデアが生まれるなども珍しくありません。
コンフリクトのマイナス点には、メンバーが不快感を味わう、非効率的なコミュニケーションを図らねばならない、情報が正しく伝達されず、歪められる可能性がある。などが考えられますが、いずれにせよ根本的な原因となっている「意見の対立」を解消することが唯一の解決策であると言えます。

コンフリクトの発生要因

企業・組織では、利害調整や意見交換が常に行われているため、顕在化したコンフリクトだけでなく、潜在的なコンフリクトも同時に存在しています。コンフリクトを予防するには潜在的なコンフリクトを理解して、発生要因をコントロールする配慮が必要です。コンフリクト発生の主な要因は以下の通りです。

●資源の希少性

組織が活用できる資源(人・モノ・資金・情報)には限りがあり、必ずしも十分であるとは言えないため、その配分をめぐり互いに競合することで対立が生じる。

●自立性の確保

それぞれが自立を求めることで相手を統制し、自己の管理下に置きたいと意図することで対立が生じる。

●意図関心の分岐

組織内で共通の目標を確立するに至らず、協力関係のコンセンサスが成り立たないことから各個人が自身の判断で行動するに至り、結果、対立が生じる。

コンフリクトの予防には、原因となる発生要因をあらかじめコントロールすることが大切です。また、企業・組織の業務プロセスに部署・部門間をまたぐ協働体制を設計し、集団疑集性(集団の団結力)を高めることで予防・改善を図ることができます。同時に、共通となる目標設定を行い、部門間のコミュニケーション頻度を高めていくなどの施策を行うことが大切です。

コンフリクトの理解と解決策

コンフリクトは時に組織を分裂させる危険性を孕んでおり、迅速かつ適切な対応が必要になります。ハーバード・ビジネススクールのジェームズ・ウェアとルイス・バーンズは、個人間のコンフリクトに対処するためには、まず状況をよく理解する、そして状況そのものを変える、または、当事者の態度や対応を変える、などの対応が必要になるとしています。また、具体的な手段として1.交渉、2.抑制、3.建設的な対峙、の3つを挙げています。
いずれにせよコンフリクトに迅速かつ適切に対応するためには、コンフリクトそのものを深く理解する必要があり、その視点としてジェームズ・ウェアとルイスバーンズは現象面から本質的な問題点の把握までを以下①〜④の4点にまとめています。

①コンフリクトが個人及び企業・組織に及ぼしている効果を見極める

前記した通り、コンフリクトにはプラスの効果・マイナスの効果の双方が存在します。解決に向けた対処を行う前に、プラス効果・マイナス効果のどちらがより強く現れているかを分析し、対処方法や対処時期を見極める必要があります。

②コンフリクトのパターンを把握する

コンフリクトにはきっかけとなった行動が必ず存在します。そのきっかけに対し、どのような対応を示し、その後どのようにしてコンフリクトが深まったのか、というパターンを把握することが大切です。パターンを把握できれば、コンフリクトの根本原因が少しずつ明確化し、対処の糸口が見えてくることが大半です。

③実質的問題と感情的問題を理解する

コンフリクトは多くの場合、実質的問題と感情的問題という2つの異なる問題から生じています。実質的問題は、経営方針や運営方針、実行手段、役割と職責などの事業運営で生じる意見の食い違いです。一方、感情的問題は、当事者同士が抱いている個人的な認識や感情(好き・嫌いなど)によるものです。企業・組織では、感情的問題を表面化しにくいため、実質的問題にすり替えコンフリクトが生じる場合があります。逆に、最初は実質的問題であったことが、不満が蓄積することで個人的感情に原因があると当事者が疑い始め、感情的問題に転換して解決が難しくなるケースもあります。

④コンフリクトの根底にある要因を理解する

コンフリクトが生じる要因は、外部要因と個人的要因の双方が考えられます。外部要因には、時間的制約、資源配分、予算制約、そして業務へのプレッシャーなどがあり、個人的要因には対抗意識、相性、仕事のスタイル、そしてストレスと許容範囲などがあります。コンフリクトの原因は必ずしもひとつではなく、複数の要因が複雑に絡み合っているケースが大半です。対立が深まるにつれ、当初の原因とは別の要因が主な原因となってしまうことも多々あります。

コンフリクトの有効活用

コンフリクトは、迅速かつ適切に対応しなければ大きなトラブルに発展する可能性があり、看過できない重要な問題であると言えますが、コンフリクトが及ぼすプラス効果を上手くコントロールすることで、組織の効率化や活性化、そして生産性の向上につなげることができます。前項目で紹介した「コンフリクトの理解と解決策」を深く理解し、コンフリクトを管理することで、コンフリクトを有効活用することも大切です。ここでは、コンフリクトが及ぼすプラス効果を紹介します。

●緊張感による動機づけ

コンフリクトは、企業・組織内に緊張を生み出すと言えます。適度な緊張感は社内に刺激をもたらし、行動を促す効果が期待できます。特に営業職においては、競争環境が営業社員のモチベーション向上へとつながり、良質な結果を褒賞することで、モチベーション向上の正のスパイラル醸成につなげることもできます。逆にコンフリクトが全くない場合、緊張感のない社内は気が緩み、業務ミスや対応モレにつながるなど、トラブルにつながる可能性があります。また、人によっては退屈さを感じるなど、早急離職につながる可能性を秘めていると言えます。

●アイデアの創出

コンフリクトにより、建設的な議論が繰り広げられることで、相手への理解が深まるほか、競争することで意識が高まり、その過程において当初のアイデアが発展する、または新たな課題を発見する、さらには新たな視点から新しいアイデアが生まれることがあります。組織内で考え方の異なる部署・部門や、立場が異なり別の視点で物事を見ることのできる組織メンバー間でなどで意見交換を行うと、新たな発見やアイデアを獲得できる可能性がより高まります。

●組織変革の推進

コンフリクトを非合理的な対立・軋轢と決め付けず、組織変革のチャンスと捉え議論を深めていくことで、より良い企業・組織づくりが可能となります。全てに合意があり、円滑に業務が遂行することが必ずしも良いとは限りません。時には立ち止まり、他の批評を真摯に受け止め、見直すことも大切です。

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