課題を明確にすることで、過大なロスを回避する。

環境分析からマーケティング課題の特定手法を学びます。

Introduction

マーケティング戦略における最重要項目「マーケティング課題」の特定

マーケティングの最終的な目的は、企業・組織が抱えている課題を解決し、企業の発展を促進することにありますが、そのためには、自社の目標を明確化し、目標達成に向けたマーケティング課題の特定を行う必要があります。このマーケティング課題の特定は、マーケティング戦略において最重要項目と言っても過言ではなく、課題解決に向けた施策がそのまま事業戦略になると言えます。同時に、自社の経営方針、事業特性、経営資源を整理し見直すことで、「特定された課題をどのように解決していくのか」の糸口をつかむことができるようになります。

目標の明確化と、課題抽出に向けたSWOT分析

戦略策定に向け、SWOT分析(Strengths-Weaknesses-Opportunities-Threats Analysis)を用いて自社を分析し、強みと弱みを重ねあわせることで、市場の機会と脅威を把握します。そうして抽出された機会を活かすためには、マーケティング目標を予め明確化し、目標達成に向け解決すべき課題を特定すると同時に、優先順位を付けてまとめておくことが大切です。以降、課題解決に向けマーケティング・ミックス(4P戦略)を一つひとつ丁寧に定めていきます。

●SWOT分析①:自社の強み

目標達成にプラスとなる自社の強みを抽出していきます。強みが多く抽出できる企業・組織ほど市場機会が多いため、新たな事業機会の創出や新事業発足の可能性を秘めています。

●SWOT分析②:自社の弱み

目標達成の障害となる自社の弱みを抽出していきます。弱みが多く抽出される企業・組織ほど市場参入後のリスクが高く、自社の弱みで事業機会を取りこぼさないための対策を予め構築する必要があります。

●SWOT分析③:市場の機会

目標達成向け、自社の強みが発揮される外部要因を抽出し、市場機会の発見を図ります。自社の強み・弱みの抽出は、市場機会の発見のために行われる一方、自社の強みで脅威の回避を行うための分析でもあります。

●SWOT分析④:市場の脅威

自社の弱みや市場環境の変化により、事業の障害となるうる外部要因を抽出し、市場脅威の発見を図ります。脅威には、競合他社、き商品の役割寿命、技術革新、他業種からの参入、市場ニーズの変化、仕入れ・外注先の変化、原材料の高騰、人材流出、法規制や規制緩和、IT化、グローバル化、産業構造の変化などが挙げられます。

課題を知り、機会を創出するマーケティングリサーチ

企業・組織が、より良い商品・サービスを提供するために、顧客を知り、顧客ニーズを探ることで、顧客にあった商品・サービスを提供するための活動の総称をマーケティングリサーチと言います。マーケティングリサーチが行われることで、消費者が自ら望む商品・サービスを企業などの組織に伝えることができ、よりニーズに即した商品・サービスを利用できる可能性が高まります。また企業は、消費者の望まない機能やサービスの開発による経営資源の損失を未然に防ぐことができることから、双方にとって多大なメリットがあると言えます。 企業や組織が構える「カスタマーセンター(お客様相談窓口)」は、お客様からのクレームを知る重要なセクションであり、消費者から企業側へアプローチすることで、製品・サービスが抱える潜在的な課題の抽出に多大な効果を発揮します。

マーケティングリサーチ4つの手法

①アンケート調査

アンケート調査は、最も主流なマーケティングリサーチ手法であり、アンケート項目を複数設けることで、多角的に消費者ニーズを知ることができます。インターネットの普及により、近年ではSNSやWebサイトを介した迅速かつ低予算での調査が可能となりました。

②電話調査

電話調査は、消費者に直接電話連絡を行い、口頭で回答を得る方法になります。アンケート調査と比べ、対象者の状況により多くの時間を有してしまうことから、調査項目を限定した短時間での調査になる傾向があり、近年あまり行われていない手法です。

③郵送調査

郵送調査は、消費者にアンケート用紙を郵送し、折り返し郵送で回答を得る手法です。普段、インターネットを使用しない調査対象の回答をえられるメリットがある一方、消費者の回答率が低いという問題点があります。

④グループ・インタビュー

グループ・インタビューは、対象となる複数の消費者を一同に集め、集団で会話をしながら消費者の声を拾い上げていく手法です。アンケート調査、電話調査、郵送調査と比べ、顔が見えることで消費者インサイト(消費者の本音)を拾いやすいメリットがある一方、個人の悩みやコンプレックスなど、個人を特定されたくない調査においては、回答を得にくくなります。

数値と感情から市場を紐解くマーケティングリサーチ

マーケティングリサーチは、大きく「定量調査」と「定性調査」の2つに分類されます。定量調査は、調査結果を数字や量などの定量データに集計し分析していく調査です。定性調査は、数値や量で表現することができない、言葉、感情、行動などの質的データを言葉でまとめ、分析していく調査です。それぞれにメリット・デメリットが存在し、調査したい内容によりどのマーケティングリサーチを活用するか熟考する必要があります。

●定量調査の主な種類

定量調査には、アンケート調査(ネットリサーチ)、会場調査、ホームユーステスト、郵送調査、街頭調査、来店者(来場者)調査、FAX調査、電話調査などがあり、調査対象者が「はい・いいえ」などの選択や、「10段階評価」を行うことで、市場ニーズを数値や量で集計していきます。仮説を量的に検証したい、新製品を市場に投入する前に、本当に受け入れられる製品かどうかを確認したい、大衆の意見を聞きたいなどの際に、定量的に判断するデータを取得することができます。

●定性調査の主な種類

定性調査には、グループインタビュー、インデプスインタビュー、訪問観察調査(家庭訪問)、行動観察調査(オブザベーション調査) 、ワークショップなどがあり、調査対象者が「はい・いいえ」などで答えることのできない行動の根拠や、その理由・経緯など、変容性のある情報をヒアリングで収集していきます。製品やサービスについて問題点を洗い出したい、仮説を立てたい、消費者の生の声を聞きたい、ユーザーの現状・実態がわからない、新たなアイデアを引き出したい、などの際に、定性的に判断するデータを取得することができます。

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