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リーダーシップ理論

leadership theory

リーダーシップ理論

部下との信頼関係が、
部課の成果を左右する。

信頼関係の重要性をリーダーシップ理論から学びます。
リーダーシップ行動理論

リーダーシップは、企業・組織編成において必要不可欠な最重要要素のひとつであり、古今東西を問わずいつの時代もあらゆる研究が行われてきました。研究初期のリーダーシップ理論は、偉人や歴史的な英雄を優秀なリーダーとしてフォーカスし、性格や勇気、行動力など、その人物が生まれながらにして持ち合わせた能力によりリーダーシップが発揮されると考えられていましたが、それら先天性の資質を持ち合わせた人物が必ずしもリーダーシップを発揮するとも限らないことから、リーダーの行動特性による行動理論の研究が推し進められ、現代では、リーダーシップは言動やマネジメントのあり方で持ち合わせることができるとして、経営方針の違いによるリーダーシップのあり方を類型化したリーダーシップ行動理論が展開されています。

リーダーシップ行動論 アイオワ研究
(レビンのリーダーシップ類型)

アイオワ研究(レビンのリーダーシップ類型)とは、リーダーシップが集団に与える影響の観点から「専門型・放任型・民主化」の3つのスタイルに類型化したリーダーシップ行動論のひとつで、アメリカの心理学者レヴィン(K.Lewin)がアイオワ大学で行った実験に基づくことから、アイオワ研究(レビンのリーダーシップ類型)と呼ばれています。レヴィンは、集団の以降を組みながら方向づけを行う「民主型リーダーシップ」が、メンバーの結束、リーダーとの信頼関係、作業の質の高さ、部下のモチベーションなど、あらゆる点において最も有効であると結論づけています。

●放任型リーダーシップ

部下・集団の行動に一切関与せず、意思決定や作業手順も部下に委ねるスタイル。メンバーの裁量に任せることで、より高い成果を生み出して行きます。専門的な研究開発など、部下・集団の技術レベルが高い専門家集団に効果的だと言えます。

➡︎放任型リーダーシップは、組織のまとまりがなく、メンバーの士気が低くなってしまう傾向があります。結果、仕事の量や質においても、同様に低い成果となります。部下・集団は放任するのではなく一定の管理・サポートを行うなど、積極的なリーダーシップを図る必要があると言えます。

●専制型リーダーシップ

部下・集団は受動的と定義し、意思決定や作業手順を全てリーダーが指示するスタイル。リーダーが全ての事柄を決定するため、メンバーは従うだけとなり、効率よく高い成果を生み出して行きます。未熟で不安定な集団に効果的だと言えます。

➡︎専制型リーダーシップは、短期的には生産性が高く、効果的な手法だと言えます。しかし長期で見た場合、メンバーの成長が遅くなるばかりか、リーダーに反感や不満を抱く傾向があり、一定以上に生産性を高めることができません。メンバーが未熟で不安定な初期段階では「専制型リーダーシップ」を図り、スキルの向上・安定とともに次の「民主型リーダーシップ」に移行するなど、組織の成長に応じた臨機応変な対応が効果的だと言えます。

●民主型リーダーシップ

部下・集団の意見を徴収し、メンバーの意向を組みながらリーダーが方針を決定して行くスタイル。実作業に関する実施方法や手順をメンバーに一任することで、メンバーの自主性を尊重しモチベーション向上を図ることで、より高い成果を生み出して行きます。レヴィンはこの「民主型リーダーシップ」が、メンバーの結束、リーダーとの信頼関係、作業の質の高さ、部下のモチベーションなど、あらゆる点において最も有効であると結論づけています。

➡︎民主型リーダーシップは、専制型リーダーシップと比べ、短期的に見ると生産性に劣りますが、メンバー同士の信頼関係構築やモチベーションの向上から、長期的には最も高い生産性が生まれると言えます。また、メンバーそれぞれが考え、アイデアを持ち寄り方針が決定して行くことで、部下は多くの学びを得ることができることから、人材育成にも効果的であると言えます。

体制づくりと配慮を説くオハイオ研究

オハイオ研究とは、アメリカ・オハイオ州立大学の心理学者シャートル(C.Shartle)らが1950年代に行った調査研究で、リーダの行動を測定する尺度の作成を主眼に実施されました。リーダーの行動を詳細に記述した質問表を用い、軍隊・民間企業合わせて25,000人以上に職場における観察調査やインタビューを綿密に実施し、1700以上のリーダー行動を抽出したとされています。この結果からリーダーの行動には、「体制づくり(Initiating structure)」と「配慮(Consideration)があることを明らかにしました。

●体制づくり(Initiating structure)

組織集団が確実でより高い成果を実現できるよう、組織集団のインフラを整備したり、組織目的の達成に向け課題管理を徹底するなど、メンバーの動きを一定方向にまとめる行動を行います。体制づくり重視型のリーダーは論理重視のため、部下からはあまり好かれない傾向にあると言います。

●配慮(Consideration)

組織メンバーとの相互的な信頼関係を築き上げると共に、メンバー間の人間関係を有効的に保つ行動を行います。配慮重視型のリーダーは感情を重視するため、部下から信頼され好かれる傾向にあると言います。

オハイオ研究では、「配慮」と「体制づくり」の2つの類型は両立すると考えており、この2類型の行動が共に高いリーダーこそ優れたリーダーであるとしています。まさに現代の企業・組織において、経営層を含むリーダー各位には「体制づくり」と「配慮」が求められています。リーダーに不可欠とされる2つの行動理論を念頭に組織づくりを行うことで、理想とする企業・組織像により早く近づくことができると言えるでしょう。

管理システムを4分類したミシガン研究
(リッカートのマネジメントシステム論)

ミシガン研究(リッカートのマネジメント・システム論)とは、アメリカ・ミシガン大学のリッカートを中心としたミシガン学派により1961年に提唱されたリーダーシップ行動論のひとつです。リッカートは組織をシステムと捉え、リーダーシップに関わる管理システムを4つに分類し、権威主義・専制型(システム1)、温情・専制型(システム2)、参画協調型(システム3)、民主主義派(システム4)と規定しました。

●システム1:権威主義・専制型(課題志向徹底型)の特徴

・権威主義的管理方法で、部下を意思決定に参加させない。
・部下は、恐怖・脅迫・懲罰によって働かされ、報酬は時々与えられるのみ。
・リーダーと部下の相互作用はごく稀で、統制機能はトップに集約されている。

●システム2:温情主義・専制型(一部人間関係を考慮した課題志向型)の特徴

・リーダーは部下をある程度信頼する一方、部下に恩着せがましい言動を行う。
・決められた範囲においての意思決定は部下でもできるが、多くの意思決定・目標設定はトップが行う。
・報酬・懲罰・罰などをほのめかし、部下の動機付けを行う。
・リーダーと部下の相互関係はあるが、恩着せがましい言動があり、部下側に恐怖心や警戒心がある。

●システム3:参画協調型(人間関係と課題志向バランス型)の特徴

・リーダーは部下を大きく信頼し、基本的な方針や最終的な決定権はトップにあるが、個別案件や日常的な問題の決定権は部下に権限委譲されている。
・コミュニケーションは双方向的に行われ、報償と懲罰のバランスで動機づけを行い、意思決定にも一部参画が用いられる。
・頻繁な相互作用が行われ、多くの統制機能が部下に権限委譲されている。

●システム4:民主主義型(人間関係志向型)の特徴

・リーダーは部下を全面的に信頼し、意思決定は組織全体で行われ意思統一されている。
・リーダーや同僚とのコミュニケーションが頻繁に行われる。
・部下は全面的に参画が認められることから、高いモチベーションを持ち、広範囲な相互作用が働いている。
・評価と統制は全ての階層で分け隔てなく行われる。


現代において企業・組織に求められる経営マネジメントは、いかにしてメンバーの高いモチベーションを維持し、能動的かつポジティブな言動を持って仕事に取り組めるかが最も重要であると言っても過言ではありません。強制的または威圧的なマネジメントは、短期的な成果をあげることはできても、中長期的に高いモチベーションを維持することは難しく、結果、高い成果を上げることはできません。

ミシガン研究(リッカートのマネジメント・システム論)からリーダーが学ぶべきは、いかに周りの意見を取り入れ、多くのコミュニケーションから部下との信頼関係・人間関係を構築するべきかという一点に帰結されると言えます。現代に求められるリーダーシップは、いかなる相手であっても敬意と尊重の念を持って接し、強制するのではなく、本人が能動的に行動できるようモチベーションを高めるマネジメントを行うことが大切です。

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