すべての企業活動に、ブランドをドライブする。

価値の最大化を図る施策「ブランディング」の全体像とは。

Introduction

ブランディングの全体像

企業の経営資源として挙げられる「ヒト・モノ・カネ・情報」に加え、第五の資産と言われる「ブランド」。このブランドは、企業の成長や景気などにより常に変化する資産であると言えますが、この変化をいかに安定し、高めていくことができるかが、ビジネスを成功へと導くキーポイントとなります。

ブランドは、企業が有する知見や技術力、商品力やサービス向上だけでなく、それら企業力の源泉となるすべての経営陣・従業員がブランドの提供価値を深く正しく理解し、組織全体が一体となってブランディングを活用していくことが、強いブランドを確立し、ブランドを中長期的に成長させる最も効果的な方法であると言えます。

ブランディングは、あらゆるビジネス活動をマネジメントすることで、常に変化する市場において「違い」を打ち出し、他社との「差別化」を最大化する取り組みの総称であり、価格競争に巻き込まれることなくお客様から「選ばれる」ための「付加価値」を構築していくすべてのビジネスプロセスを指しています。

そのため、ロゴや広告コミュニケーションのデザインは、ブランディングの一貫ではあるものの、全体で見るとごく一部の施策であると言えます。ブランディングの範囲が企業ブランディングであれば、企業理念やミッション・ビジョン・バリューなど、ブランドの中核概念となるコーポレート・アイデンティティの定義や、人事・採用コンセプトやメッセージの統一からデザイン表現、商品・サービスの研究開発・製造、営業活動、広報・IR、CSR・SDGsなど、あらゆるビジネスプロセスを通して、「企業価値=ブランド」の最大化を図る施策こそがブランディングの全体像だと言えます。



企業理念やミッション、ビジョン、バリューがブランドの中核概念となり、すべての企業活動にブランドをドライブすることで、自社ブランドを確立していきます。また、その際には、すべてのタッチポイントで共通したブランド発信を行い、ブレの無いブランドイメージを構築することが大切です。

ブランドは消費者の頭の中で創られる

ブランドイメージは、必ずしも万人に共通ではありません。広告コミュニケーションによるブランドイメージの浸透活動を行なっていれば、ある程度ブランドイメージの刷り込みを行うことはできますが、最終的なブランドイメージは消費者の頭の中でしか創られないと言えます。

だからこそ、すべての経営陣や従業員が自社ブランドを正しく理解し、体現することが最も重要であると言えます。その共通概念となるのが、中核概念となる企業理念やミッション・ビジョン・バリューであり、経営陣や従業員を通してその価値が市場に正しく伝わることで、はじめて価値のあるブランド創出を行うことができるのです。

価値あるブランドは、人材を惹きつけ、その人材のモチベーションを高めることができます。また、モチベーションの高い経営陣や従業員の活動が消費者に伝わることで、自社の商品・サービスが選ばれ、継続した消費へとつながります。ロイヤルティの高いファンに支えられるブランドには、必ずブランドの中核概念が存在しており、インナーである経営陣や従業員が深く正しくブランドを理解・共感し、体現しています。

ブランディングの変化「共創のブランディング」へ

ブランディングの実現には、企業や商品・サービスの差別化を図り、市場にリリースすること。そして、経営陣やすべての従業員がブランドを体現していくことが大切であることに間違いはありませんが、一方、社会全体のデジタル化やグローバル化により消費者の生活環境や消費行動が大きく変化するなか、ブランド浸透のあり方が大きく変化してきています。
従来まで企業がブランドを創り、その価値を正しく発信し続けることで市場への浸透を図るのがファン形成の大きな要因でしたが、これからの時代におけるブランディングは、企業側の一方的な発信だけでなく、ファンと共に創る「共創のブランディング」が求められています。

●消費者を巻き込む「共創のブランディング」

デジタルコミュニケーションの発展に伴い、企業・ブランド側の一方的な情報発信だけでなく、Webサイトや、Facebook、Instagram、Twitter、YouTube、LINEなどのSNSを介して、企業・ブランドと消費者が直接つながり双方向のコミュニケーションを行うデジタルの時代を迎えています。そこでは、メディアを介した情報提供では得られなかった体験や、企業・ブランドからの直接的なフィードバックにより、はるかに高い価値が生み出されています。

また、SNSでの情報発信が常識となった現代では、消費者の一人ひとりが主役となり、ブランド情報やブランド体験を自らの声で発信することで、市場への大きな影響をもたらしています。このことからも分かる通り、ブランドはもはや企業だけのものではなくなりました。

企業が戦術的に創造してきたブランドイメージから、顧客の体験や顧客との関係による価値の共創へ。企業単体から企業と消費者へ。これからのブランディングのあり方は、消費者をいかに巻き込むかの仕組みづくりが欠かせない時代であると言えます。

●コミュニティを中心としたブランディング

従来では、企業が開発した商品やサービスを、広告コミュニケーションや広報・PR活動を通して市場へと発信しすることで、消費者への認知拡大から興味喚起を行ってきましたが、共創のブランディングでは、それらの活動の中心に「経営陣や従業員など、人によるコミュニティ」が必要とされてきます。広告やPRでのイメージづくりを超えて消費者と直接的につながり、消費者の抱える課題や要望に直接応えていくことで、自社ブランドと消費者の間に固い絆を築いていきます。
こうした活動の蓄積が人から人へと伝わり、ロイヤルティの高いファン層の拡大へとつながっていきます。また、ロイヤルティの高いファン層を「ブランドアンバサダー」に任命し、ブランドの拡大を図る仕組みづくりも忘れずに行うことも大切です。

●共創型ブランディングの代表例

日本でも大きな話題となった共創型ブランドの代表例としてあげられるのが、Airbnb、Uber、メルカリなどのコミュニティ型のプラットフォームです。企業側が一方的にサービスを展開するのではなく、そこに参加する事業者がコンテンツを発信し、消費者とのコミュニケーションを図ることでブランド価値の向上を実現しています。このように、顧客同士をつなぎ、情報コンテンツの発信やビジネス仲介を行うことで、新たな市場価値を生み出し、新たなビジネスイノベーションを創造しています。

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