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「ぬるま湯文化」から脱却し「成長企業に変える」人事制度と組織づくり
公平感/納得感/高揚感を生む人事制度とは
社員の納得と意欲を引き出し、組織の活性化と企業成長を促す、人事制度設計のポイントをご紹介します。
「定着重視」が逆効果に?企業成長を阻む“ぬるま湯人事”から脱却するために
安定した企業成長には社員の定着が欠かせません。
一方、福利厚生の充実ばかりが目立つ“見栄え重視”の人事制度になると、権利目当ての人材が集まり、組織が膨張。結果として、ぬるま湯のような環境が生まれ、ぶら下がり社員が増えてしまうケースも少なくありません。大切なのは、表面的な制度ではなく「社員一人ひとりの成長」と「組織の成長」を両立させる本質的な人事制度づくりです。
例えば、評価制度であれば、現状のレベルを正しく把握し、次の成長に向けた気付きを促すことが重要です。社員の成長意欲を引き出し、組織全体の活性化につながる制度設計が、これからの企業成長には求められています。「ただ定着させるため」ではなく、成長意欲と挑戦を引き出す仕組みが、人事制度に求められるポイントです。

成長を可視化する2つの「評価制度」
社員の成長意欲を高め、組織全体のパフォーマンスを向上させるには、評価制度そのものが「成長を促す仕組み」となっていることが重要です。ここでは、そのために欠かせない2つの視点をご紹介します。
1.成果・行動の両面評価
成果(結果)だけでなく、その過程でどんな行動や努力をしていたかも評価の対象とします。プロセスがきちんと認められることで、社員は挑戦する意欲が高まり、前向きな行動が生まれやすくなります。
2.定期的なフィードバックの仕組み
年1回の評価面談だけでは、成長の機会を逃してしまいがちです。1on1や四半期ごとのフィードバック面談など、小さな節目ごとにタイムリーな振り返りとアドバイスを行うことで、社員は自らの課題や成長ポイントに早く気付き、日々の行動につなげることができます。
未来志向の2つの「等級制度」
社員が将来の成長イメージを持ち、自発的なスキルアップに取り組むためには、「どう成長すれば評価され、次のステップに進めるのか」が明確に示されていることが重要です。そのために必要な等級制度づくりの視点は次の2点です。
1.スキルマップ・キャリアパスの明確化
社員一人ひとりが、どのようなスキルや成果を積み重ねれば次の等級(役割)に進めるのかを、具体的に可視化します。「どれだけ頑張っても評価されないのでは」という不安や不満をなくし、成長意欲を後押しする制度設計につながります。
2.昇格・昇給のルールを透明化
昇格や昇給のルールが曖昧なままだと、評価に対する不信感や不公平感が生まれやすくなります。全社員に説明できる透明なルールを整えることで、納得感や公平感が高まり、離職リスクの低下や組織の一体感向上につながります。
パフォーマンスに応じた2つの「給与制度」
給与制度が「在籍年数」や「年功序列」に偏ると、社員の挑戦意欲や成長意欲が失われやすくなります。成果と貢献を正当に評価し、未来志向の働き方を促すための給与制度の視点がこちらです。
1.成果連動型のインセンティブ
個人やチームの成果に応じてインセンティブ(報奨)を設計します。高いパフォーマンスを生み出す社員に報いるのはもちろん、チームで協力し合う文化も醸成でき、組織力の向上につながります。
2.過去より未来への還元
単に在籍年数に応じて昇給するのではなく、今後の貢献度や期待値をもとに報酬を設計します。社員は「これから何が期待されているのか」を理解し、未来志向で能力開発や挑戦に取り組めるようになります。
意欲を引き出す「学びと挑戦の機会づくり」
社員の成長意欲や挑戦心を高めるには、日々の業務だけでなく「学ぶ機会」や「挑戦の場」を意識的に提供することが大切です。意欲的な社員が育つ組織づくりに欠かせない2つの仕組みをご紹介します。
1.成長支援制度(研修・外部講座・資格取得支援)
社員が自らスキルアップや知識習得に取り組めるよう、研修や外部講座、資格取得などの費用を会社が支援します。「学び」に対して会社が積極的に投資することで、社員の成長意欲が引き出され、自発的な能力開発が進みます。
2.社内表彰・チャレンジ制度
新しいことに挑戦した社員や成果を上げた社員を称賛し、全社で共有する文化をつくります。挑戦や変化を恐れない風土が醸成され、社員一人ひとりが前向きに新たな課題に取り組む活力ある組織づくりにつながります。
ぬるま湯文化を防ぐ「人事制度設計 10のチェックリスト」

本質的な人事制度とは、社員一人ひとりの挑戦意欲を引き出し、組織全体を前に進める原動力となるものです。このチェックリストは、いまの制度が成長を促す仕組みになっているかどうか、また、ぬるま湯文化を防ぐ観点が十分に組み込まれているかを見直すためのポイントをまとめたものです。自社の人事制度の現状確認や改善のヒントとして、ぜひご活用ください。
人事制度設計 10のチェックリスト
□1.評価基準が「行動」や「成長プロセス」まで含まれているか
→結果だけでなく、日々の取り組み姿勢や挑戦が評価される仕組みになっているか?
□2.フィードバックが定期的に行われているか
→年1回の評価ではなく、月次や四半期単位で成長のヒントがフィードバックされているか?
□3.キャリアパスや等級の基準が「見える化」されているか
→どう成長すれば次のステップに進めるかが社員に明確に伝わっているか?
□4.昇格・昇給のルールが「納得感」を持たれているか
→不透明な「社長のさじ加減」に頼っていないか?全員に説明できるルールがあるか?
□5.給与が「在籍年数」よりも「パフォーマンス」に応じて決まっているか
→年功序列に偏らず、成果や貢献度を適切に反映しているか?
□6.成長や挑戦に対して「投資」しているか
→研修や資格支援、新しいチャレンジに予算をつけているか?
□7.成果を称える文化があるか
→成果を上げた社員を全社で認めたり表彰したりする仕組みがあるか?
□8.「守りの福利厚生」に偏っていないか
→手厚い福利厚生ばかりが目立ち、挑戦する社員の姿勢を支援する制度が欠けていないか?
□9.社員が「会社の今後」を語れる文化があるか
→会社の未来に向けた議論や意見交換が自然に行われているか?
□10.制度が時代や会社フェーズに合わせて見直されているか
→5年前と同じ制度が「そのまま」運用されていないか?定期的に見直しが行われているか?
まとめ:「ぬるま湯文化」を脱却し「成長企業に変える」人事制度と組織づくり
いかがでしたでしょうか?企業の成長を支える人事制度には、社員一人ひとりの挑戦意欲や成長意欲を引き出す「しかけ」と「仕組み」が欠かせません。ぬるま湯文化に陥ることなく、公平感・納得感・高揚感を生む制度設計を通じて、社員とともに前向きな組織づくりを目指していきましょう。
ブランディングチーム
パドルデザインカンパニーには、プロジェクト全体を統括するプロデューサーやブランディングディレクターをはじめ、コピーライター、エディトリアルライター、アートディレクター、ブランドデザイナー、Webデザイナー、映像ディレクターなどが在籍し、プロジェクト毎に最適なチーム編成を行うことでブランドを最適解へと導いていきます。
記事制作/プロデューサー
ご相談や課題を受け、実施プランの策定やプロジェクトの大まかなスケジュールなどを策定します。また、プロジェクトのゴール設定やマーケティング環境分析、市場分析などを行い、市場で勝ち抜くブランド戦略提案などを行います。
Producer
CEO 豊田 善治
東京のブランディング会社

パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。