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採用ブランディングに効く採用サイトの作り方
採用ブランディングを成功に導く採用サイトとは
優秀な人材を確保するには、転職サイトのみでは不十分。企業の魅力を正しく届ける採用サイトについて伝授します。
採用サイトで、採用ブランディングを強化する。
求人広告や転職サイトだけでは自社の魅力を伝えきれず、優秀な人材とマッチングできないケースが増えています。そこで注目されているのが「採用サイト」を利用した「採用ブランディング」の強化です。採用サイトは、企業の第一印象を決定づける重要な接点。企業文化や価値観を的確に伝える採用サイトを構築することで、ミスマッチのない採用を実現できます。本記事では、採用ブランディングに効く採用サイトの作り方について、4つのポイントから解説します。

1.採用ブランディングを加速する採用サイト戦略
効果的な採用ブランディングのための採用サイトは、単なる情報提供だけで終わってはいけません。企業としての「らしさ」を明確に打ち出すことで候補者が共感し、入社後の具体的なイメージを抱けるような体験を提供することが大切です。
そのためには、まずはターゲットとなる人材像を明確にすること。彼らが何を求め、どのような情報に価値を感じるのかを深く理解することが重要です。その上で、企業のユニークな価値提案(EVP: employee value proposition)を採用サイト全体で一貫して表現していきます。
EEAT(経験・専門性・権威性・信頼性)の観点から見ると、採用サイトは企業の「専門性」と「信頼性」を確立する場でもあります。例えば、業界における企業の立ち位置、技術的な優位性、社会貢献活動などを具体的に示すことで、企業としての権威性を高めることができます。また、社員の声やプロジェクト事例などを豊富に掲載することで、働く環境の透明性を確保し、信頼性を醸成することができます。採用サイトは、企業の顔として、採用ブランディングを戦略的に推進するための最重要拠点となるのです。
2.候補者の心をつかむ!採用サイトのコンテンツ戦略と構成
採用ブランディングに効く採用サイト制作のポイントは、質の高いコンテンツとその効果的な構成にあります。そのため、候補者が知りたい情報をしっかりと網羅し、かつ企業の魅力を最大限に引き出すコンテンツ戦略不可欠となります。
まず、基本的な情報として「会社概要」「事業内容」「求める人物像」「福利厚生」「働き方」「募集要項」などは必須となるコンテンツですが、これらをいかに魅力的に伝えるかが重要です。単調な文章ではなく、写真や図解、動画などを効果的に活用し、視覚的な訴求力を高める工夫を行いましょう。
次に、EEATを意識したコンテンツとして、以下の要素が挙げられます。
◉社員インタビュー・プロジェクトストーリー(経験・信頼性)
実際に働く社員の生の声は、候補者にとって最も響くコンテンツの一つです。異なる部署、職種、キャリアパスを持つ社員インタビューを掲載し、多様な働き方やキャリアアップの可能性を具体的に示します。プロジェクトの裏話や苦労、達成感などを交えることで、よりリアルな企業文化を伝えることができます。これにより、候補者は入社後の自分を具体的にイメージしやすくなります。
◉働く環境・オフィス紹介(信頼性)
オフィスの写真や動画だけでなく、休憩スペース、社内イベント、福利厚生なども含めて紹介することで、働きやすさや社員を大切にする姿勢をアピールします。フリーアドレス制やリモートワーク制度など、柔軟な働き方を実践している場合は、その詳細も丁寧に説明しましょう。
◉事業内容・プロジェクト事例(専門性・権威性)
企業が手掛ける事業やプロジェクトを具体的に紹介することで、その専門性と業界における貢献度をアピールします。特に、難易度の高いプロジェクトや社会に大きな影響を与えるプロジェクトなど、やりがいを感じられる事例をピックアップし、その達成感や技術的な挑戦について詳しく解説します。
◉企業のミッション・ビジョン・バリュー(信頼性)
企業が目指す方向性や大切にしている価値観を明確に伝えることで、候補者は自身のキャリアビジョンと企業の方向性が合致するかどうかを判断できます。創業者のメッセージや経営陣のインタビューなども有効なコンテンツのひとつです。
◉数字で見る企業(信頼性)
平均勤続年数、男女比、有給取得率、育児休業取得率など、客観的な数字を提示することで、企業の透明性と信頼性を高めます。グラフやインフォグラフィックを用いると、視覚的に分かりやすく情報を伝えることができます。
◉FAQ(信頼性)
応募者からよく寄せられる質問とその回答をまとめることで疑問を解消し、応募へのハードルを下げることができます。
これらのコンテンツを、ユーザーが迷わず情報にたどり着けるよう、分かりやすいナビゲーションと導線で構成することが大切です。
3.SEOを意識した採用サイト設計とテクニカル対策
採用ブランディングを強化する採用サイトは、単に魅力的なコンテンツを持つだけでなく、潜在的な候補者に「見つけてもらう」ためのSEO対策が不可欠です。「業種」「採用」といったキーワードはもちろん、具体的な職種名や技術名、企業文化を表す言葉など、候補者が検索しそうなキーワードを記事タイトル、見出し、本文中に適切に盛り込むことが大切です。
テクニカル面では、以下の点に留意しましょう。
◉モバイルフレンドリーなデザイン
スマートフォンからのアクセスが主流となっている現在、モバイルデバイスに最適化されたレスポンシブデザインは必須です。快適な閲覧体験を提供することで、離脱率の低下にもつながります。
◉ページの表示速度最適化
ページの表示速度が遅いと、ユーザーはストレスを感じて離脱してしまいます。画像サイズの最適化、キャッシュの活用、Javascriptの圧縮などにより、高速な表示を実現しましょう。これはGoogleのランキング要因でもあります。
◉SSL化(https化)
Webサイトのセキュリティを確保するためのSSL化は、もはや必須です。これにより、ユーザーは安心してサイトを閲覧でき、Googleもhttps化されたサイトを優先的に評価します。
◉内部リンク構造の最適化
関連性の高いページ同士を内部リンクで結びつけることで、ユーザーがサイト内を回遊しやすくなるだけでなく、検索エンジンがサイト全体の構造を理解しやすくなります。例えば、社員インタビュー記事から関連する部署の紹介ページへリンクを張るなど、自然な導線を意識しましょう。
これらのSEO対策を講じることで、検索エンジンからの流入を増やし、より多くの潜在的な候補者に企業の魅力を届けることができます。
4.効果測定と継続的な改善:採用サイトを「育てる」視点
採用ブランディングに効く採用サイトは、一度作って終わりではありません。常に効果を測定し、改善を繰り返していく「育てる」視点を持つことが大切です。
◉アクセス解析ツールの活用
Google analyticsなどのアクセス解析ツールを用いて、採用サイトへのアクセス数、滞在時間、PV数、離脱率、コンバージョン率(応募数など)を定期的に分析しましょう。どのページがよく見られているのか、どのページでユーザーが離脱しているのかを把握することで、改善点が明確になります。
◉ヒートマップツール・ユーザー行動分析ツールの導入
ヒートマップツールやユーザー行動分析ツールを活用することで、ユーザーがサイト内でどこをクリックし、どこを熟読しているのか、どこでスクロールを止めているのかなど、より詳細なユーザー行動を可視化できます。これにより、コンテンツの配置やデザインの改善に役立てることができます。
◉A/Bテストの実施
複数のデザインやキャッチコピー、コンテンツの配置などをA/Bテストで比較し、より効果的なものを採用することで、サイトのパフォーマンス向上を図ることができます。例えば、応募ボタンの色や文言を変えてクリック率を比較する、などが考えられます。
◉応募者アンケート・ヒアリング
実際に採用サイト経由で応募してきた候補者に対し、採用サイトの使いやすさや分かりやすさ、魅力に感じた点などをアンケートやヒアリングで聞くことで、生の声に基づいた改善点を見つけることができます。
◉競合サイトの分析
競合他社の採用サイトを定期的にチェックし、良い点や自社に足りない点などを参考にすることで、常に最新のトレンドを取り入れ、自社の採用サイトをブラッシュアップしていくことができます。
◉コンテンツの定期的な更新
企業の成長や事業内容の変化に合わせ、採用サイトのコンテンツも常に最新の状態に保つことが大切です。新プロジェクトの開始、社員の活躍、福利厚生の拡充など、企業の魅力が増すような情報を積極的に発信し続けましょう。古い情報が放置されていると、ユーザーからの信頼性を損なう可能性があります。
採用ブランディングの成功は、採用サイトにある。

「採用ブランディングに効く採用サイト」は、単なる求人ページではなく、企業の“人格”を表す存在です。求職者との最初の接点として、信頼され、共感される内容を届けることが、良質な採用につながります。今回紹介したポイントを意識しながら、自社の価値や魅力を的確に表現する採用サイトを構築・運用していきましょう。長期的な視点で継続することで、採用力を高めると共に、企業ブランド力の向上にもつながります。
ブランディングチーム
パドルデザインカンパニーには、プロジェクト全体を統括するプロデューサーやブランディングディレクターをはじめ、コピーライター、エディトリアルライター、アートディレクター、ブランドデザイナー、Webデザイナー、映像ディレクターなどが在籍し、プロジェクト毎に最適なチーム編成を行うことでブランドを最適解へと導いていきます。
記事制作/プロデューサー
ご相談や課題を受け、実施プランの策定やプロジェクトの大まかなスケジュールなどを策定します。また、プロジェクトのゴール設定やマーケティング環境分析、市場分析などを行い、市場で勝ち抜くブランド戦略提案などを行います。
Producer
CEO 豊田 善治
東京のブランディング会社

パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。