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アクセス解析完全ガイド|CVRアップの具体策まで徹底解説!
見るべき指標を知れば、サイト改善はもっと効果的に。
成果アップに役立つアクセス解析の指標と活用法を、分かりやすく紹介します。
アクセス解析で見るべきポイント
アクセス解析は、Webサイトの成果を最大化するために欠かせない分析手法です。単にアクセス数を確認するだけでなく、ユーザーの行動やサイト内の導線、コンテンツのパフォーマンス、離脱要因など多角的な視点でデータを読み解くことで、より高い成果へとつなげることができます。
本記事では、アクセス解析を活用する際に押さえておきたい基本的な指標や注目すべきポイントをわかりやすく解説し、サイト改善やコンバージョン率向上につなげる具体的な活用法もご紹介します。
Point1.トラフィック全体の傾向

Webサイトの成果を正しく評価し改善につなげるには、まずサイト全体の訪問状況やユーザーの動きの傾向を把握することが大切です。「セッション数/ユーザー数」や「新規ユーザー比率/リピーター比率」などの基本指標を確認することで、新規集客の成果や既存ユーザーの定着状況、訪問頻度の変化などが見えてきます。
ここでは、サイト成長のトレンドを読み解くために押さえておきたい「トラフィック全体の見方と活用ポイント」を解説します。
セッション数/ユーザー数
Webサイト全体の訪問状況を把握するための基本指標です。
まずセッション数は、ユーザーがWebサイトにアクセスしてから離脱するまでの一連の訪問行動を1回のセッションとしてカウントしたものです。
たとえば同じユーザーが午前中と午後に2回訪問した場合、2セッションとカウントされます。セッション数が増加している場合、サイトの利用頻度やアクセスボリュームの増加が考えられます。
一方ユーザー数は、特定期間内にサイトを訪問したユニークユーザー(重複しない人数)を示します。CookieやユーザーIDをもとに判別され、同じユーザーが複数回来訪しても1ユーザーとしてカウントされます。ユーザー数が増加していれば、新規ユーザーの獲得や潜在顧客層の拡大が進んでいる可能性があります。
この2つの指標を組み合わせて見ることで、「新規ユーザーの獲得傾向」「リピーターの動き(リピート率)」「ユーザーの訪問頻度」など、Webサイトの集客状況や成長トレンドをより立体的に把握することができます。たとえばユーザー数が横ばいでセッション数だけが増えている場合は、既存ユーザーの再訪問や利用頻度が高まっている状況と読み取れます。
新規ユーザー比率/リピーター比率
新規ユーザー比率/リピーター比率は、ユーザーの構成を把握するうえで重要な視点です。Webサイトのユーザーは大きく「新規ユーザー(初めて訪問するユーザー)」と「リピーター(過去に訪問履歴のあるユーザー)」に分類されます。
新規ユーザー比率は、サイトに訪れたユーザーのうち、初回ユーザーが占める割合を示します。一方リピーター比率は、過去にサイトを訪れたことがあり、再び訪問したユーザーの割合です。
この比率を確認することで、「新規集客がどれくらい成果を出しているか(新規ユーザー比率)」「既存ユーザーがどの程度リピート訪問しているか(リピーター比率)」といった集客とリピーター育成のバランスを把握することができます。
《新規ユーザー比率が高い場合の活用例》
広告施策やSEO、SNSなど新規集客施策が効果を上げていると分析できます。ただし、リピートが低いのであれば、サイトの内容やユーザー体験の迅速な改善が必要な場合があります。
《リピーター比率が高い場合》
既存顧客やファン層が定着している証拠だと分析できます。ECサイトやコミュニティ系サイトでは、特に好ましい傾向だと言えます。ただし新規獲得が弱ければ新規集客施策の強化の検討が必要です。
理想的な比率はサイトの目的や業種によって異なりますが、「新規ユーザーとリピーターがともにバランスよく増加している状態」が、健全な成長の目安と言えるでしょう。
Point2.流入元の分析

ユーザーがどの経路を通じてWebサイトに訪問しているかを把握する分析が「流入元の分析」です。訪問経路を把握することで効果的な集客チャネルを特定し、必要なチャネルを見極めることができます。代表的な流入チャネルには次のものがあります。
チャネル別/参照元
チャネル別流入の傾向を分析することで、「どのチャネルが多くのトラフィックを生んでいるか」「どのチャネルがコンバージョンに貢献しているか」「広告費のROI(費用対効果)が高いチャネルはどこか」を見極めることができるため、マーケティング戦略の最適化につなげることができます。
また、参照元/メディアの分析では、具体的にどの外部サイトやSNSからの流入が多いのかまで詳細に把握できます。効果的なチャネルにリソースを集中し、弱いチャネルは改善策を検討する。このような視点で流入元分析を活用することで、集客全体の質と成果を高めることができます。
《自然検索(Organic Search)》
GoogleやYahoo!などの検索エンジン経由で訪問
《広告(Paid Search/Display Ads)》
リスティング広告やディスプレイ広告を経由して訪問
《SNS(Social)》
Facebook、X、InstagramなどのSNS経由で訪問
《参照元サイト(Referral)》
他のWebサイト内のリンク経由で訪問
《直接訪問(Direct)》
URLを直接入力、ブックマークからの訪問、メーラー内URLなど
Point3.コンテンツパフォーマンス

Webサイト内の各コンテンツがどの程度ユーザーに読まれ、評価されているかを把握する指標がコンテンツパフォーマンスの分析です。単なる訪問数だけでなく、ユーザーの関心や満足度、行動に与える影響を読み解くために欠かせない視点です。
ページごとの閲覧数(ページビュー/PV)
各ページがどれだけ閲覧されているかを示す基本指標です。よく閲覧されているページはユーザーの関心が高いコンテンツとして、今後の強化や活用候補になります。
逆に意図した集客ができていないページは、改善や見直しの対象として把握できます。
平均滞在時間
ユーザーが1ページあたりどのくらいの時間を費やしているかを示す指標です。平均滞在時間が長ければ、内容が充実していてユーザーの関心を引きつけていると判断できます。
逆に極端に短い場合は、コンテンツの質・構成・読みやすさに課題があるか、ユーザーの期待に合致していない可能性が考えられます。
直帰率
ユーザーが最初に訪れたページだけを見てサイトを離脱した割合です。直帰率が高いページは、「情報が十分で満足した」「期待と異なり離脱した」など様々な要因が考えられます。
コンバージョンに誘導したいページや入口ページ(ランディングページ)で直帰率が高すぎる場合は、「コンテンツ内容の見直し」「導線設計の改善」「ユーザーの意図とのミスマッチ解消」などの対策が求められます。
Point4.ユーザー行動・導線分析

ユーザーがWebサイト内でどのようにページを移動しているか、どこで離脱しているのかを可視化するのがユーザー行動・導線分析です。単に「どこから来たか」だけでなく、「サイト内でどう動き、どこでコンバージョンに至るか/離脱するか」という行動の流れを把握でき、UX(ユーザー体験)やサイト導線設計の改善に非常に有用です。
行動フロー
ユーザーがサイト内でたどったページ遷移の流れを可視化したものです(Googleアナリティクスでは「行動フロー」として表示)。これにより、「どのページが流入経路として機能しているか」「そこからどのページに進む傾向があるか」「途中で離脱が多い箇所はどこか」などを把握できます。
離脱率が高いページ
特定ページでサイトを離脱する割合を示す指標です。離脱率が高いページは、「コンテンツとして十分完結しており、情報が満たされた結果の自然な離脱」または「ユーザーの期待に合わず、早期離脱が発生している問題ページ」いずれかである可能性が高いと言えます。
特に重要な導線上の中間ページやコンバージョン導線上のページで離脱率が高い場合には、「コンテンツの充実度」「ページ速度やUXの快適さ」「ナビゲーションや誘導の明確さ」など、早急な改善が不可欠です。
離脱率が高い場合であっても、必ずしもネガティブではなく、 どのページでどのような離脱が発生しているかを正しく読み解く視点が重要です。
Point5.コンバージョン関連

Webサイトの成果を直接測るための重要な指標がコンバージョン関連のデータです。ここでいう「コンバージョン」とは、ユーザーに取ってほしい行動(例:商品購入・資料請求・問い合わせ送信・会員登録など)が達成されたかを示します。
サイトの目的やビジネスモデルに応じて適切なコンバージョン目標を設定し、その達成状況を継続的に分析することが大切です。
コンバージョン率(CVR)
ユーザーのうち、どれだけの割合がコンバージョンに至ったかを示す指標です。計算式は一般的に「コンバージョン数÷セッション数×100(%)」で示します。コンバージョン率からは、集客だけでなくサイト内の体験や導線がどれだけ成果に結びついているかを読み解くことができます。
仮にセッション数が多くてもコンバージョン率が低い場合には、「ページ構成や情報のわかりやすさ」「フォームの使いやすさ」「購入プロセスのスムーズさ」などに課題がある可能性があります。逆に、セッション数が少なくても、高いコンバージョン率を実現していれば、集客チャネルの質が高く、Webサイトがうまく機能していると評価できます。
コンバージョンに至った経路
ユーザーがどの流入チャネルやサイト内のどの経路を通じてコンバージョンに至ったのかを分析することも大切です。正しく分析することで、「どの集客施策(広告、SEO、SNSなど)が効果的か」「どのページが成果に貢献しているか(アシストページの特定)」「購入や問い合わせにつながりやすいユーザールートは何か」などが明確になります。
例えば、ブログ記事を読んだ後にコンバージョンするユーザーが多い場合は、その記事への集客を強化したり、記事内により強い誘導を組み込んだりといった施策が考えられます。
また、コンバージョンの経路分析は、単純な最終クリックだけでなく、アシストとなった中間ページの価値を把握することも重要です。アシストページを正しく把握することで、サイト全体の戦略的なコンテンツ設計・導線設計がより精度の高いものになります。
Point6.デバイス・モバイル対応状況

ユーザーがどのデバイスや環境からWebサイトにアクセスしているかを把握することは、UX(ユーザー体験)の最適化や開発・改善の優先度決定において、とても重要です。デバイスごとの利用傾向を知ることで、表示崩れや操作性の課題を防ぎ、ユーザー満足度とコンバージョン率を高めることができます。
デバイス別アクセス(PC/スマホ/タブレット)
ユーザーがパソコン・スマートフォン・タブレットのいずれからサイトを閲覧しているかの割合を示す指標です。近年では、スマートフォンからのアクセスが主流となるケースが多く、B2CサイトやECサイトではスマホユーザー向け最適化が特に重視されています。
一方、B2Bサイトや業務系サービスではPC比率が高いこともあるため、ターゲットや用途に応じたデバイス対応戦略が求められます。
このデータにより「主要ユーザー層の利用環境に最適化されたデザイン・UI/UXを優先して設計」「特定デバイスでのみ離脱率やCVRが低い場合は表示崩れやUX課題の可能性を把握」などの施策を導き出すことができます。
ブラウザ/OSの傾向
ユーザーが利用しているブラウザ(例:Chrome、Safari、Edge、Firefox など)やOS(例:iOS、Android、Windows、MacOS)の割合も確認しておくべきポイントです。
一部ブラウザではJavaScriptやCSSの解釈に差があったり、特有の表示・動作のクセがあるケースが見受けられるため、主要ユーザーが主にどのブラウザ/OSを使っているかを正しく把握しておくことで、優先の高い順に対応とテストが行えるため、UX向上とトラブル防止に役立ちます。
Point7.ページ表示速度/サイトパフォーマンスに関する分析

ページ表示速度(ページロード時間)は、ユーザー体験(UX)やSEO、コンバージョン率に直接影響を与える重要な指標の一つです。アクセス解析の中でも、サイトパフォーマンスを定期的にチェックすることが、成果を高めるための基本施策となります。
ページ表示速度の重要性
近年、Googleをはじめとする検索エンジンではページ表示速度をランキング要因の一つとして評価しています。また多くのユーザーは、ページの読み込みに3秒以上かかると離脱するという調査データもあり、表示速度が遅いと離脱率や直帰率が上昇し、コンバージョン率が低下する傾向があります。
《具体的なチェックポイント》
平均ページ読み込み時間(秒数)は、2〜3秒以内に収めるのが理想的。5秒以上は改善対象です。スマホ環境の速度低下が顕著な場合は、画像サイズやJavaScriptの最適化などが必要です。成果に直結する主要ページ(TOPページ、LP、コンバージョンページなど)は特に、高速化を優先する必要があります。
《サイトパフォーマンス改善の視点》
ページ表示速度の向上には、いくつかの基本対策が有効です。まず、画像は必要以上に大きなサイズを避け、適切に圧縮・最適化します。また、不要なJavaScriptやCSSは削除または軽量化し、ブラウザキャッシュを活用することで再訪問時の表示速度を改善します。
さらに、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を導入して配信効率を高める施策も有効です。最後に、サーバーやインフラを強化し、アクセス増にも耐えられる安定した環境を整えておくことが重要です。 これらの施策を総合的に実施することで、快適なユーザー体験と成果向上が期待できます。
《アクセス解析を活用してのチェック》
GoogleアナリティクスやPageSpeed Insightsなどのツールを併用することで、「ページごとの速度傾向」「デバイス別/地域別の速度状況」「改善が必要なページの特定」が可能になります。
まとめ:アクセス解析完全ガイド
いかがでしたでしょうか?アクセス解析で見るべき指標を正しく把握し活用することでサイト改善の精度が高まり、成果につながる効果的な運用が実現できます。ぜひ日々のサイト改善に役立ててみてください。
ブランディングチーム
パドルデザインカンパニーには、プロジェクト全体を統括するプロデューサーやブランディングディレクターをはじめ、コピーライター、エディトリアルライター、アートディレクター、ブランドデザイナー、Webデザイナー、映像ディレクターなどが在籍し、プロジェクト毎に最適なチーム編成を行うことでブランドを最適解へと導いていきます。
記事制作/プロデューサー
ご相談や課題を受け、実施プランの策定やプロジェクトの大まかなスケジュールなどを策定します。また、プロジェクトのゴール設定やマーケティング環境分析、市場分析などを行い、市場で勝ち抜くブランド戦略提案などを行います。
Producer
CEO 豊田 善治
東京のブランディング会社

パドルデザインカンパニーは、5職種で編成されたブランディングカンパニー。ブランドコンサルティングとデザイン会社の両側面を持ち合わせ、クライアントの課題に実直に向き合います。南青山に構える本社を主な拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3件を中心に、北海道から沖縄まで全国対応可能です。